第5話 検問所は多くするに限るッ 〜通行料と賄賂の違いについて〜
さて、このグリーニィ街は、独立したようなものなのだが、何かが足りなかった。
食料はある。自国の産業もある。交易品も揃っている。労働力も、商人も足りている。
が、
一つだけ足りないのだ。
「独立しているもの」として必要不可欠なものが、、、、
「国」として機能するために必要なものが、、、、
俺はそのことにいち早く気がついた。
そう、「主権」が無いのだ、、、
〜〜〜
「主権」、、。この世界でも、前世の世界でも、、この基本原理が変わることは決してない。
その理由はまさしく「統治者がいる」からなのである。
それが指導者だろうが、王だろうが、政府だろうが、基本的には同じなのだ。
力。
それがあるからこそ、数多の民を平定することが可能になる。
民は逆らえないのだから、、、
力こそ正義。
この世界では弱肉強食な環境だからこそ、最弱のスライムですら本能的に理解してしまう。
それほど重要なのだ。「力」は。
〜〜〜
国として独立し、持続可能な発展をするために国家機関を設立することにした。
急遽ではあるが、とりあえず重要なものだけ決めておこう。
そうだな、、開拓局、開発局、軍備局の三つだな、、。
開拓局は農村の開発と街の拡大。主に市民たちの生活に関わってくるだろう。
開発局は鉱山からのレアストーン掘削、加工、および売買を行う。産業は国の支柱だろう。
軍備局はこの過酷な能力社会から生き延びるための大事な機関。自国を守るための軍である。
また、開発局と軍備局が協力して武器を開発、生産する予定だ。
そして大事なのはその幹部。
開拓局長として、アルド。
開発局長として、この街へ来てくれた大商人のルート・ヴィア。
彼はこの国に精通していて、信頼のおける男である。彼ならレアストーンを効率よく売り捌いてくれるだろう。
そして、軍備局として俺。一応、「臨時で」取り仕切る予定だ。軍師が来たら別だが、、、、
とまぁ、こんな具合で決まった。
俺が一応、全ての機関を統括している。(公には、だが)
だからまぁ、大丈夫だろう。
そんなこんなで爆誕した新興国「グリーニィ国」は、
その後、目まぐるしい発展を遂げる事となる。
この三つ機関が「三大局」と呼ばれる未来はそう遠くなかった。
〜〜〜
グリーニィ国はこれをもって誕生。
周辺の村々と合併し、自衛防衛を行う。
領土をスモールバック山脈含め東側の平原と定め、その地を治める。
その後、この国は交易国家として急速に発展。
世界有数のレアストーン産地として、大量の雇用を生み、ありとあらゆる人々が行き交った。
国家機関もそれに伴い発展。
豊富な労働力から街道を整備・拡張・魔物駆除を行い、交易ルートを確立。
この国の南北を横断できるほどの長さの街道が築かれた。
街道の一定区間に宿場町を設置。
さらにルート・ヴィアの提案により検問所を大量に設置。
商人に通行料を支払わせ、多額の利潤を獲得。
以後、レアストーン産業の他に、大陸間の移動手段として街道が使われるようになる。
利潤が利潤を生み出し、周辺諸国を余裕で凌駕するほど交易大国となった。
人口も莫大に増加し、1万人以上が定住した。
実に誕生から2年ほどのことであった。
〜〜〜
国家建設は順調に進んでいた。
俺はこの国の統治者として広く知れ渡り、「カイト」と言う名が世界中を飛び交った。
レアストーン産業を国営にしていてよかったと思う。
これで莫大な利益をあげてくれたルート・ヴィアには頭が上がらない。
頭のキレる人物である。
俺が街道に検問所を大量に設置しようか悩んでいた時、
彼が後押ししてくれたのだ。
彼曰く、「こんなことは何処でも実施されている。日常茶飯事だ。」とのこと。
あちら側も慣れた手つきだ。どんどん検問所を設置してくれた。
え、それ違法?賄賂だって?ん?恐喝罪????
何やら非難の声が聞こえてきそうだが、ここは弱肉強食の無法地帯。
しかも街道整備で商人が魔物に遭遇せず、安心して利用することができるから、当然の対価だ。
(と、しておこう)
また、そんな彼が、海路を切り開いて新たな「貿易」ルートの開拓に乗り込んだ。
世界各地の物資の集まる大きな港を、南西部に設置しようとしているのであった。
そんなこんなで俺はさらなる近代化へ舵を切ろうとしていた。
が、その矢先、
情報局から軍備局に連絡する形で一報が入った。
『たッ、只今申し上げますッ!!北東方面にて、こちらへ向かう武装集団が確認されましたぁッ!!』
ッッ!
『武装集団は魔人たちで構成されている模様です。400人前後ですっ』
周囲の幹部が慌て始めた。
『只今新たに情報が入りました、!あと25分ほどでこちらへ到着する模様です!!』
どんどん慌ただしくなってゆく。
『城門はすでに閉じてあります。市民は地下壕へ避難中です。繰り返しますっ、、』
これが初めて受ける襲撃なのだ。
、、、。
魔人か、、、、、。
これは大変なことになってきたぞ、、、
次回もお楽しみに!
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