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012 お披露目!

俺の使える魔法の中で、攻撃系ではない物は……全部!

あれ? 大丈夫か、俺。


……いやいや、温度とか下げれば爬虫類相手なら無敵だし!

火を操れば焼き殺す事も出来るし!


って攻撃方法を考えてる場合じゃ無かった。

どれを使うのが良いかな?


やっぱり見た目が派手で、なおかつ誰が見てもドラゴンから学んだんだな~って判るのが良いよね。

となると、選ぶのは1つだ!


「えっと、火を吐きたいと思いますけど」

「火をっ?! 吐くっ?!」

「はい。ドラゴンっぽく火を吐こうかと思います」

「……却下だ」

「え? 何で?!」


人間の俺が口から火を吐く。

大道芸人もビックリだぞ? 何で却下なの?!


「個人的には見てみたいが、こちらに被害が出そうな魔法はダメだ」

「あ~、そういう事ですか……」

「……ちなみに、火を操れるのか?」

「あ、はい。そうですね。指先に灯すとかも出来ますよ。なんちゃって」

「「「「何だってーーーーーっ!!!」」」」


何故か兵士全員に驚かれた。

冗談のつもりで言ったんだけど。

だって、そんなの魔法の基本じゃん。


人間、誰でも魔力はある。多いか少ないかの違い。

火を付ける魔法は魔力をほとんど使わないけど、便利な魔法だ。

竈に火をつけたり、ろうそくに火を付けたり。暗闇で明かりにも出来る。


「失われた火の魔法を使える……だ…………と?!」

「どういう事だ?!」

「きっとハッタリだ!!」


兵士達はざわざわしている。

ところで、少し聞こえたけどさ、失われたってどういう事?


「皆、落ち着け!!」


俺に尋問してた兵士が叫ぶ。


「本当に出来るのなら……そうだな。今ここに薪を持ってくるから着火してみてくれないか?」

「あ、はい。それで良いならいくらでも」


俺がそう言うと、すぐに薪が用意された。


ここで温度を操る魔法を使って火を付けても良いんだけど、そんなおふざけが通用しないくらい注目されてる。

おとなしく火を使ってつけるとしよう。


「じゃあやりますね」

「お、おう……!」

「え~と、目の前の薪に弱火で着火」


俺が精霊に言うと、あっけなく薪は燃えだした。

芋入れて焼き芋作りたい。


「……マジか」

「しかも聞いたか? 詠唱すらしなかったぞ?」

「俺たちも使えるようになるのか?」


また兵士がざわざわ。


うん。聞こえてる話の内容から察したよ。

どうやら火をつける魔法が存在しなくなったっぽい。

もしくは使えなくなった。


子供でも覚えれば使える程度だったんだけどなぁ。

覚えた子供は使いたがり、少なからずボヤ騒ぎが起きるんだよね。

懐かしい思い出だ。

俺? 俺は魔法の原理を知りたくて大人を困らせてたさ。……ごめんなさい。


「……もしや貴方様は、賢者様ですか?」

「はい?」

「失われた魔法を使える。これを賢者と言わずして何と言うのです?」


うわ~。そこまでのレベルの話なの?


こういう時は、違う、誤りです、と言うのが正解なのだろう。

ラノベではそう言っても信じてもらえず、結局認定されたりするんだけど。


だが、俺は違う!

妄想癖のある変態の密入国者、という汚名を消す為にも、賢者になる!


「……じ、実はそうなんですよ。

 山奥で魔法の研究ばかりしてまして。バレちゃいましたか~」

「賢者を語る不届き者だ! 捕まえろ!」

「誘導尋問だ! ズルい!!」


あっけなくウソがバレた。

汚い! 誘導するなんて卑怯だ!


「相手は魔法を使うぞ! 多少の怪我をさせても良い! 確保しろ!」

「No暴力! 話し合いが一番ですよ!」


俺が声を上げても止まらないようだ。

しょうがない、防御魔法を使うか。

重力魔法や瞬間移動を使っても良いんだけど、兵士を怪我させて指名手配されても困るし。

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