011 密入国?変態?
「まずはその鎧を脱いでもらおうか」
「出来ません!」
「何? 抵抗する気か?!」
「違います! でも脱げない理由があるんです!」
「……言ってみろ」
「実は……下に何も着てないんです」
「…………密入国の変態という事が判った」
ちゃうねん!!
「違うんです! 変態じゃないんです!」
「じゃあ裸の理由を言ってみろ」
「何百年も同じ服着てたらボロボロになりますよね?! 外だし、寝返りすれば擦れるし、傷んで当然ですよね?!」
「つまり君は何百年も外で寝起きしていた、と?」
「そうです!」
「…………妄想癖のある変態の密入国者か~。面倒だなぁ」
言えば言うほど肩書が増えていく!!
「なんて言ったら信用してもらえるんですか?!」
「あのな。まず人間は100年も生きない。
次に、素肌に鎧なんて、危険だし痛い。なのに実行するのはおかしい。
最後に、あの険しい山を超えてくるなんて、何か企んでいる者のする事だ。
私の言っている事におかしな点があるかね?」
「……いいえ」
正論だ。完璧な正論。何も言い返せない。
だが! 諦めたらそこで終わりだ! ネバーギブアップ!
「とにかく! 俺の話を聞いてください!」
「いや聞くけどさぁ。全部書き留めるからな? で、後から質問するからな?
もし整合性が無ければ、偽証になるからな?」
「わかりました!」
俺は、今までの人生を語った。語りまくった。
途中兵士が半目になってたような気もするが、頑張って語った。
「以上です」
「……やっと終わりか。では質問させてもらおうか」
「どうぞ」
「ドラゴンと共に居たと?」
「そうです」
「ドラゴンが芋を持ってきてくれた?」
「違います、木の実です。木ごと、ね」
「ドラゴンに魔法を習った?」
「はい」
この後も長々と質問が続いた。
「ふむ……言っている事に違いは無いようだ」
「では?」
「君の言った事に対しての質問に、間違いの無い返答をした、というだけで疑いが晴れた訳ではないよ」
「どうしたら良いんです?!」
「そうだなぁ……ではこうしよう」
「わかりました!」
「まだ何も言ってないぞー。
君の言葉を信用する為に、テストをする」
「テストですか?」
「君がウソを言って無ければ簡単なテストだよ」
「なら大丈夫ですね」
「そうだといいな」
俺は拘束されたまま、中庭のような場所に連れてこられた。練兵場?
俺の周囲には兵士が武器を構えたまま居る。
「今から拘束を解く。だが変な事をすればすぐに攻撃をする」
「わかりました」
「大丈夫か? 真実を話すなら今の内だぞ?」
「真実なので大丈夫です」
「……頑固だな。では解くから動くなよ?」
「はい」
拘束を解いてもらった。
その代わり兵士の緊張が高まった。今にも切りかかって来そうで怖い。
「さて。ここには男しか居ないようにした。上半身の外してもらおうか」
「ぬ、脱ぐんですか?! 恥ずかしいな」
「だから男しか居ないと言ってるだろ!」
「いや、男しか居なくても、注目されながら脱ぐなんて恥ずかしいですよ!」
「なるほどな。ではこうしよう」
兵士は全員薄目を開けている!
そういう事じゃないんだよ!!
反論してもやらなきゃいけない事なので、諦めて脱いだ。恥ずかしいわ~。
「これで何も持ってないし隠してないという事になる」
「そうですね。恥ずかしいですけど」
「ではこの状態で攻撃的ではない魔法を使ってもらおう」
「何でも良いのですか?」
「何でも良いが、やる前に何をやるか教えて欲しい」
う~ん。何をやろうか?




