010 村到着!
朝になって出発した俺は、昼前には村を発見した。
重力魔法で跳びながら進んでるので、遠くまで見えるし移動も早い。
重力魔法バンザイ!
さすがに跳んで入れば驚かせてしまうと思い、ちょっと手前に着陸して徒歩で向かう。
村に近づくと、第一村人発見。
お爺さんだ。男の子と話している。
俺が近づくと男の子は走り去ってしまった。ビビらせちゃったかな?
「こんにちは~」
「はいはい、こんにちは。こんな所に冒険者さんが一人で来るとは珍しいのぉ」
「そうですか?」
「普通は商隊の護衛か、ダンジョンに行ってるじゃろ?」
「ダンジョン?!」
ファンタジー定番のダンジョン!
どういう仕組みだろうか? 気になる!
今すぐドラゴンの所に戻って質問したい気持ちを抑えて、お爺さんと会話する。
「ちょっと訳アリで、一人で来たんです」
「そうかい。何しに来たんじゃ?」
「物を売って服を買いたいと思いまして」
「それでこんな田舎の村にか? 街で買えば良いじゃろ?」
「街にも行きますけどね。その前にここでも買えないかなと思いまして」
勿論街には行く。
だが、鎧の下が裸では入れてもらえない可能性もある。
最低限は揃えておきたいんだ。
「この辺で育てている野菜や麦、卵を買いに来たのでは無いのじゃな?」
「売ってもらえるなら、それらも買いたいですね」
「なるほど。ではついて来なさい」
交渉成立っと。
お爺さんについて行くと、回りの家とは違う石造りの建物に到着。
保存する場所かな?
お爺さんは俺にここで待つように言い、そのまま扉に近づいていった。
ノックすると、扉が勢いよく開き、兵士っぽい人が5人飛び出してきた。
「囲め!!」
あっという間に包囲される俺。
周囲を見回すと、知らない間に兵士っぽい人が増えてる!
そこら辺に隠れてたのか!
「ザン爺、通報感謝する! ロブ坊は中に居るから、入って安心させてやれ!」
どうも会話からすると、さっきの男の子がここに通報したようだ。
「手を上げろ! 抵抗するようなら斬る!」
「しません! しません!!」
慌てて手を上げると同時に、防御魔法を使う。
何者かと勘違いされてるんだと思うけど、そのせいで攻撃されないとも限らないしね。
あっという間に拘束される俺。
そのまま石造りの建物の中に連れて行かれる。
まぁ、取り調べされるんだろうな。
誤解を解かなくちゃ。
ここで抵抗するのはアホのやる事だ。
ラノベなんかでは怪我させる事なく制圧したりするんだろうけど。
問答無用で襲いかかってきたのなら抵抗はするけど、話し合えるんだ。平和的解決出来るんだよ。
予想通り、取調室のような所に入れられ座らされた。
どうやらここは駐屯地というか警察って感じの場所らしい。
先程指示を出していた人がテーブルを挟んで俺の前に座る。
俺が腰に下げてた剣は既に没収されている。
手はまだ後ろで縛られたままだけど。
防御魔法って、縛るとかには効果が無いんだな。勉強になるわ。
「さて、名前・住所・ここへ来た目的等、喋ってもらおうか」
いきなり困る質問が来た。
名前と来た目的は言える。
だが住所がマズい。森の中のドラゴンの巣です、なんて言える訳が無い。
だからと言って、昔住んでいた場所を言ってもダメだろう。昔過ぎる。
……ここはラノベ定番の誤魔化し方するか。
「名前は新内……じゃなくてロキスル・パトリエルです」
あぶねぇ。前世の名前を言うところだった。
「ロキスルね。で、住所は?」
「田舎から出てきたんで……自分達は“森の村”と呼んでました」
「……おい、真面目に答えろよ? 今の答えで納得してもらえると本当に思ったか?」
おかしい。納得してもらえなかった。
この世界の人達はちゃんと理解出来るようだ。
「じゃあ正直に言いますけど……信じてくださいよ?」
「ちゃんとした住所ならな」
「向こうにある山の更に向こうにあるドラゴンの巣からやってきました」
「ふむふむ」
「信じてくれるんですか?!」
「ああ、信じるよ」
良かった。これなら最初から素直に話せば良かったじゃないか。
「お前が密入国という事が判ったよ」
……マジか!!




