悪夢の始まり
それから1年後。部活では初めて学校対抗の正式な選手として新人大会に出場した。自己ベストもかなり更新した。だがそんな絶好調な日々は一瞬にしてはかなく消えた。
生徒会内での話し合いの末自分が会長に立候補することになった。そして無事当選した。この運命が悪夢の始まりであったことはまだ全く想像のつかないことだった。
それから1か月後…。最初は単なるミスがであると思った。全く顧問が動かない…。私達の学校の生徒会活動は顧問の助言がないと活動出来ない仕組みになっている。活動しないといけないのにいっこうに会議の日にちを決めてもらえなかったのだ。きりがなかったので直接いいにいった。
「いつになったら部長会議をするのですか?」
先生は、すっかり忘れていた…という雰囲気であった。これがこれから続く悪夢の始まりであった。
翌週の火曜日。ようやく部長会議が行われた。内容は小学校で中学の部活を紹介するために動画をつくる、という内容であった。それから2週間後には無事編集の準備が終わった。
冬休みがあけて早速編集に取り組みはじめた。そして生徒会役員全員で編集をした。場所は学校の2FのPC室。順調に作業が進んだ。完成まであと少しだ。だかここで思わぬ出来事が起きた。PC室の全てのPCの動画編集ソフトが破損していた。9割は完成していたのに。編集を全てやり直すように言われた。しかし学校でやらせてもらえなかった。学校にはPC室以外にもたくさんPCがあるのに…。
仕方なく家に持ち帰ってやることになった。リミットは残り1週間…。
部活から帰って夕食をとる。風呂を済ませる。そして生徒会の仕事。毎晩3~4時間の仕事。それだけで1日が終わってしまう。だが自分の家には昔から厳しい決まりがあった。就寝時間は10時厳守…。5:45起床…。朝は朝練があり宿題もPCを使うことも無理であった。そして塾の宿題が終わらないとPCなどは使ってはならない…。ここで大きな問題が起きた。時間が足りない。いつも19:00からでないと宿題もしくはPCを使うことができない。しかし動画編集に最低3時間は必要だった。仮に宿題をした場合1時間しただけでも動画編集が2時間しかできない。本番にも締め切りにも間に合わない。仕方なく宿題をするのを諦め作業をした。
もちろんそのせいで塾では、ばれるたびにお説教。いくらこの事情を話しても嘘だと否定された。「去年まではそんなことなかった。だから有り得ない。」誰もがそう思うであろう。人には信じてもらえない。家や生徒会に締めつけられた…。自分にはどうしようもできなかった。泣いたって、自分の考えを変えたって、辛くたって…。
布団にはいって毎晩泣くようになった。
結局動画は締め切りの9h前に完成した。作業時間18h。どうにか6日で終わった。しかしここから先生に操つられる人形のようになってしまったのだ…。だから先生の仕事まで押し付けられるようになった。また部活には強制的にいかされていた。そして家でも決まりに締め付けられた。ここからが本物の悪夢であった…。




