弟のカズキは壊れた怪物。
「ただいまぁ」
私はどうやって、この家に帰って来ただろーか?
頭の中は、これからの事で、いっぱいだ。あの後、遥がカメラを持ち、一応ディッグドッグの撮影をした。
もちろんあんな事があったからで、私の振り付けはギコチナク、笑顔もそんなに出せずにいた。カメラを持ってる遥は、、
「ちゃんと、笑ってよぉみのりちゃん?ほら、手はグーだよ!はい、腰ふって!腰ふるの上手でしょ?男の人の上でも、腰ふるでしょ?同じだよ、お、な、じ、、、」
あんなに、甲高い声をあげて、饒舌に喋る、遥は見たことがない、後、私は処女だ、男の人の上で腰をふったことはない、それにしても、気がついてた遥は私の引き立て役というのが、バレてしまっていた。
しかも、脅されてしまった。佐伯の情報を遥に渡さないと、私のディッグドッグの投稿を炎上されてしまう。頭のいい遥は私の事を潰すのは、簡単だろう、どんな手段を使って私をオワコン化に追い込む。
ただでさえ、再生数がまわってないのだ、これ以上、終わることは私の中の怪物が許さないだろう。
多分、鏡も見てないから、メイクも剥がれ落ちて、リップも塗ってないから、唇が乾燥してきてるかもしれない。今、私は始めて自分が醜いんじゃないだろーかと、思う。
「あれ?お母さん?」
いつも帰ってきたら、おかえりぃって言ってくる母の姿がない、
ガチャっ
リビングのドアを開ける、、
「え、、何これ、、お母さん!!!」
そこには、誰か泥棒にも入られたような形跡みたいになっているリビングがあった、キッチンの隣の食器棚は空いており、皿が床に何枚か割れて落ちてしまって、いて、隣の棚に置いてある、家族旅行をした何枚かの写真は無残にも床にばら撒かれていた。
フォトフレームのガラスが床にちらばっていた。テーブルの位置も激しく移動しており、テーブルに置いてある全てのものが落ちている。
テレビは画面にヒビが入っており、変形してまいテレビの役目をおえて!死体になっていた。
さらにあちこちの棚という棚が倒れている。
片隅で丸くなってしゃがみ、こんでいる、母を見つけた、
「お母さんどしたの!なにがあったの?まさか?泥棒?また菜月ネェちゃんの?ストーカーみたいなやつ?」
「あのね、」
母は小さい声でつぶやいた
「カズキがね、、暴れたのここで、母さんね、無理やり、カズキを外に出そうとしたんだ、部屋あけて、最初はしぶしぶ出てきて、リビングでお茶を、飲んでたんだけど、、、」
うん、うん、と私は頷きつづけた。
「そしたら、なんだったかしら?アイドルがね、ででてたの、何だった?かしら焼肉みたいな名前だったのよ、、、」
焼肉フォーティーエイトだ、と私は心の中で思った
「そしたら!急にカズキが大声だして、湯呑みをねテレビにぶつけて、暴れだしの、、母さん、必死で止めようとしたんだけど、駄目だったよ、昔はあんなに小さかったのに、今じゃ、母さんより強くなっちゃってね」
母は目に涙を貯めている、こんな時でも頭の片隅で、そろそろディッグドッグの投稿の時間だから早く投稿しなきゃと、怪物が語りかけてきてる。
私は母をソファーまで誘導して座らせてあげた。そして、私は弟のカズキの部屋の前に行く。
リビングを出てすぐがカズキの部屋だ、
コンコンッ
「カズキ?いる?大丈夫、、、?」
そうすると、部屋の中から、泣き声が静かに聞こえてきた。どうやら泣いてるみたいだ、耳をすますと、ウッウッウッ、と、とめどなく流れてるあろう涙が想像がつく、この涙がカズキ本人が流してる涙なのか?それともカズキの中に眠る怪物の涙なのかは本人にしか分からないであろう。
私はこれ以上は無理だと思い、母の所に戻る、母は呆然と壊れたテレビをみていた。そこにはもう何も映らなくなった、ただの黒い塊の死体が母の姿だけを、反射させて映していた。
「もうカズキはダメみたいぃ。お母さん、お父さんに電話したほうがいいよ?」
「そうね、、、ごめんね、みのり、母さん今日は晩御飯作れないみたい、、、ごめんね、、ごめんね、」
普通の家庭の娘なら涙を目に貯めてお母さん、大丈夫だよ!みんなで話し合って解決しよー!って言うのだろーが、私の中の怪物はそれを許さない。早くディッグドッグを投稿しなければ!早く、早く、
「お母さん、私、コンビニ行ってくるよ、お母さんの分も何か買ってくるよ、支度してくる」
私はそういうと、部屋に戻り、すぐさま、スマホを出し、ディッグドッグにアクセスした。ディッグドッグの投稿はやはり、1万再生に、とどまってるみたいだ、私は少し編集をして、今日、遥と撮ったダンスを投稿をした。投稿予定時間にはちょっと過ぎたが、まぁよしとしよー。
私服に着替えて、コンビニに行こうと部屋から出ると、玄関のドアが開いた。
「ただいまぁ!疲れたぁ〜!」
菜月ネェちゃんが帰ってきたみたいだ、普段、バイトやサークルの飲み会やら友達と夜遅くまで喋っていて帰ってくるのが遅い、菜月ネェちゃんは、今日は帰りが早かった。
「なにこれ?どしたのぉ?とうとう我が家にも泥棒かい?世知辛いねぇー」
リビングの惨状を見ても、驚く様子はなさそうだ、私はカズキが暴れた事を菜月ネェちゃんに伝えた!
「だからぁほおっとけば、いいんだよ、あの年齢の男の子はさぁ、、、」
ガチャッ
「無理に外、出そうとすると暴れるんだってぇ」
プシュッ
「お母さんもそりゃぁ心配なのは分かるけどもさぁ受験生だし!いろいろでしょう??」
ゴクゴクゴクゴク、
「ぁああ、うめい。。。やっぱり自宅で飲むビールが美味いわぁ。。なになに?テレビも割れてんの?こりゃ、けっさくだわ、」
菜月ネェちゃんは、冷蔵庫からビールを出して、着替えもせず、メイクもそのままで、ビールを飲みソファーに、出んと座った。服装は朝、会ったまんまだ、
この状況を見て何も感じない菜月ネェちゃんと
この状況でもディッグドッグの再生数やいいねが気になる、私、
どちらが異常なのだろうか?
菜月ネェちゃんの唇はリップで真っ赤に染められているが、ビールがついて、光ってみえた。
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