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「新米錬金術士パラベル」
新米の錬金術士、パラベルは考えた。
大釜の火を絶やすことなく、ずっと燃やす方法はないだろうかと。
燃料を探すのも、買いに行くのも手間がかかる。
やりたいのは錬金術であって、釜を温めることではないのだから。
そこで、パラベルは考えた。
炎の精霊を捕まえて、手伝ってもらおう。
そうしてパラベルは、捕まえた精霊を大釜の下に押し込んだ。
これで安心して、錬金術に集中できる。
パラベルは満足げに工房を後にして、森へ材料探しに出かけた。
日が暮れるまで、パラベルは鞄いっぱいに材料を詰め込んで。帰り道で、鼻歌交じりに鍋に入れるものを考える。
そうして、重い荷物を抱えながらようやくたどり着いた、その矢先。
パラベルは真っ赤に燃える工房を見て、その場に座り込んだ。
パラベルは、もっとよく考えるべきだったのだ。
釜の燃料が、ずっと燃え続けていることを。そして、意思を持ち、じっとしているのに飽きれば、動き回るということを。
――『新米錬金術士の冒険』第一巻




