●「霊炎」
「わお、突然上から炎が! なんとかしてオジサン!」
「無茶言うな! ありゃ魔法の炎だ、逃げるぞ!」
――オアシス団の二人
どのようなものでも、魔力が伴うと途端に、危険なものへと変化する。
元から危険な炎などであれば、なおさらだ。
魔力を伴う炎は簡単には消えず、少しの刺激で火力を増して、最悪は爆発してしまう。
自然に存在する魔力ならその程度で済むが、誰かが操った魔法など、特殊な力を付与された魔力が混ざれば、その危険度は大きく跳ね上がるだろう。
とりわけ、魔力を含んだ炎は、日常でも見る機会が多いものの一つだ。
魔法使いが覚える基礎の魔法に含まれているのもそうだが、死霊が用いる魔法にも、霊炎というものが存在する。
霊炎とは、死霊の力に触れた炎である。
死霊そのものが一種の魔法生物ということもあり、彼らが出した炎は自然と死霊の魔力が宿り、それが霊炎へと変じてしまうのだ。
霊炎は魔法でもあるため、物理的な防御手段だけでは防げない。
霊炎は内包した魔力が尽きるまで消えず、水の中でも燃え続け、魔法防護の無い鎧は溶けてしまう。
こうしたものには重装の鎧や堅牢な盾も無意味であり、もし雨のように降り注ぐようなことがあれば、一刻も早くその場から立ち去るべきだろう。
「うん、前向きに考えよう。洞窟が明るくなったね! それとなんか、足元も」
「マフラー燃えてんぞ、団長」
「うわー、先に言ってよぉ!?」
――オアシス団の二人




