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●「融合魔法」
「稀に、魔法同士の衝突などにより互いに干渉しあうことで、別の魔法へと転じる場合がある。それを融合魔法と呼ぶが、これは狙って出せるものではなく――」
――北の魔法学院、特殊魔法学の授業
融合魔法が最初に確認されたのは、神代の戦争だったという。
神と人の魔法が衝突し、混ざり合い、その際に変化した魔法が一帯を硝子に変化させた。
その場所は硝子の森と呼ばれ、透き通って輝く大地の上では、今もなお、朽ちぬ硝子の木がいくつも並んでいる。
融合魔法の発生は、偶然によるものが大半を占める。
同程度の実力の者が同時に魔法を放つことで、ごく稀にそれが混ざり合い、別の魔法が生じるのだ。
しかし、条件はとても厳しく、同じ状況であっても再現性は低い。
偶然と奇跡の産物であり、その効果や規模も安定しないことから、ごく一部の者以外を除き研究の対象にすらされていない。
「ぎゃあああ!? 熱いのじゃあああ!」
「ぎゃー!? ちょっとフェルト、なにしてんのよ! おじいさんが死んだらどうするの!」
「もう死んでるでしょ! そ、それに、狙ったわけじゃないから! こんなになるなんて思わなかったの!」
――降霊と炎の魔法使い、アンバーとフェルト
『蘇った画家』、エドモンドから生じた霊炎で吹き飛ぶ洞窟オークの拠点にて




