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「御禍使」
深い森の奥地に、その里はある。
甘い香りに誘われ、迷い込んだ子供は数知れず。
御禍使の精は子供を囲んで、歌って踊り、甘味を楽しむ。
御禍使の精は、子供と遊ぶ。
ずっとずっと、子供たちが遊び疲れるまで。
衆倶利威無は、ふわふわ体で子供を抱いて。
符燐の上で、子供が跳ねる。
処弧羅の海で、子供は泳ぎ。
篤賦琉把鋳に寝転び、すやすや寝息を立てる。
里に入った子供は、御禍使と遊ぶ。
いっぱい遊んで、疲れて眠る。
御禍使の精と、甘い匂いに囲まれて。
深い森には、御禍使の里がある。
甘い香りに誘われて、子供たちは里を訪れる。
御禍使と遊んだ子供はもう、二度と帰らない。




