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「古城のバジリスク」
邪悪な怪物を討つため、騎士は自慢の輝く鎧をまとい、古城に挑んだ。
すべては、怪物を倒し、石像のように眠る姫を助けるため。
(中略)
騎士は玉座の間にて、巨大な黒蛇と対峙する。
一人と一匹は睨み合い、やがて二つの影は動きを止めた。
騎士は黒蛇の目を。黒蛇は騎士の鎧に映り込んだ自分の顔を。それぞれ見つめ、互いは動かぬ石像と化した。
いまだ姫は眠りから覚めず、古城には二つ、石像が並んでいる。
――鏡の騎士の物語
バジリスクは巨大な蛇の怪物で、その危険度は巨大な竜にも匹敵する。
牙から注がれる毒は、一滴で都市の水源を汚染し、硬い鱗はあらゆる武器を弾く。
そして、その瞳に睨まれた者は、石像のように固まってしまうのだ。
巨大とて、蛇は蛇。
音もなく移動し、気づいた時には牙か瞳が目の前に迫る。
とはいえ、瞳さえなければ、ただの巨大な蛇だ。
せめて、あの瞳さえどうにかできればいいのだが。




