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●「長靴を吐いた猫【2】」

「世界中探しても、長靴を吐く猫なんて一匹しかいないでしょうね」

「知ってるの?」

「だって、あいつに呪いをかけたのは私だもの」

 ――魔法使いアンバーとフェルト、砂の都にて



 長靴を吐いた猫の噂は、世界のあらゆる場所で確認されている。

 ある町では、炎をまとった獣に乗って賊を退治し、また別の町でも、意地悪な貴族をこらしめたと言われているようだ。

 他にも、港町では船に乗って巨大なイカの怪物と戦っただの、鐘楼から飛び降りて竜の頭に乗っただの、真偽のわからないものも含めれば、猫に関する噂は数多い。

 

 いくつかの町では、片方だけの長靴が実際に存在し、それを猫が吐いたものとして飾っている。

 ただし、本当に長靴を吐く猫のものか、それとも誰かがなくした片方なのか、それは誰にもわからない。



「あいつを探すのなんて、簡単よ。地面に転がった長靴を追えばいいんだもの」

「で、この場合は?」

「行くしかないでしょ。一応はご主人様なんだから。元、だけど」

 ――魔法使いアンバーとフェルト、オークの拠点へ繋がる大穴の前

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