表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街かど宿屋のドラゴンさん  作者: 抹茶さめ
2話
87/93

30泊目

 


 ラヴァちゃんと契約してから今日で丁度1ヶ月、学園生活も特に問題なく円滑、変わったことを上げるならユリスちゃんが学園で私の護衛を兼ねて一緒に行動するようになった事かな?


 最初は皆驚いてたし私も驚いたけど、ユリスちゃんの御両親、育ての親はスミカさんだけど、引き取った人達が結構お偉いさんみたいで、私の両親とユリスちゃんの両親が知り合いと言う物語を作って説明すると、皆納得しちゃうんだよね......ユリスちゃんの御両親って何者?


 まぁ、私を襲ってきた人の正体がわかるまでの護衛らしいけど、はぁ、何で襲われたんだろう? 理由くらいの教えてくれてもいいのに、教えてもらっても襲われるのは勘弁だけど。


 そんなこんなで、今日まで平和穏やかな日常が過ぎていった。


「スミカさーん! コカトリスの唐揚げ四つとサイクロップスのステーキを三つー! 注文入りまーす!」

「......」


 賑わう酒場のカウンターから身を乗り出して厨房まで届くように大声で私が言う、いつもならすぐに返事が返ってくる筈なのに今日は返って来なかった。


「あれ? 聞こえなかった? サテラちゃーん!」


 近くのテーブルで食器を片付けていたサテラちゃんに手を降りながら呼ぶと、食器を持ったまま振り返って私と視線が合う。


「なんじゃー?」

「ちょっと厨房行ってくるー! 注文が聞こえてないみたいだからー!」

「? そうか、わかったサーシャとオーダーと片付けはやっておく」

「......? 任せて?」


 二人とも首を傾げてから頷いていた、何でだろう? 何にか引っかかる物を感じながら私が厨房に入る、するとスミカさんがボーッとしながらスープが入った鍋をかき混ぜていた。


「スミカさーん?」

「......」

「あれ? スミカさーん!」

「っ?! あ、あれ? ティナ? どうしたの?」


 一瞬だけビクッと肩を震わせたスミカさんがビックリした表情で私を見てきた。あれ? なんか顔が赤い? 厨房の熱気かな?


「え? あ、いえ、注文を言ったんですけど返事が無かったので、聞こえなかったのかなーって」

「え、あぁ、ごめん、ちょっとボーッとしてた」

「大丈夫ですか? 体の調子とか悪いんですか?」

「んー、大丈夫だよ、本当にボーッとしてただけだから、それで注文はー?」

「あ、はい! コカトリスの唐揚げ四つとサイクロップスのステーキを三つーです!」

「うん、わかった、直ぐに作るよー」

「はい、じゃー私は戻りますね」

「うん、頑張ってね」

「はい!」


 お盆を持ちながらガッツポーズするとスミカさんがいつも通り微笑んでくれた。私は厨房から出る時にもう一度スミカさんの方をチラッと見る、ステーキを焼き始めたスミカさんの顔が何処か辛そうだった。


 んー? やっぱり体調が悪いんじゃ? そう思いながら酒場に戻った私にサテラちゃんが片付け途中の食器を持ったまま近寄ってきた。


「で? どうじゃった? スミカの様子は?」

「あ、うん、少しだけボーッとしてたって、今料理作ってるよ」

「ボーッとじゃと?」

「......珍しい、お師匠がそんな風になるのは」


 ひょっこりとサテラちゃんの背中から現れたサーシャちゃんが言った。うん、確かに珍しいと思う、毎日ニコニコしてててきぱきと仕事を終わらすスミカさんのあんな姿なんて初めて見たよ。


「......ボーッと? まさか」

「いや、それは無いじゃろう、もしそうなら時期が早すぎるのう、普段通りならもう二ヶ月先じゃろう?」

「......うん、確かに」

「ん? 何の話?」


 私が腕を組んで話している二人に聞いてみると、サテラちゃんが私の方を見てきた。え? 何?


「そうじゃな、ティナにも説明しておいた方がいいじゃろう」

「......うん、そっちの方が驚かなくていい」

「はえ?」

「実はのう、スミカはあと二ヶ月くらいで―――」


 サテラちゃん説明してくれようとした時、酒場の戸を勢いよく開いて、黒いフルプレートメイルを装着し顔が見えない兜を被った数十人の騎士さん達がなだれ込んできた。


 よく見ると、左肩の装甲にはアインス王国のは旗印が刻まれていて、右肩にはその旗印と大きな白いドラゴンが刻まれていた。


「なんじゃ、なんじゃ?!」

「......ビックリ」


 サテラちゃんとサーシャちゃんが驚いたように目を丸くする、騒いでいたお客さん達も一瞬で静かになった。すると、一人の騎士さんが一歩、前に出た。


「我々はアインス王国近衛、近衛騎士隊である!」


 その言葉にお客さんがざわめいた。


「おいおい、近衛騎士隊って王女直轄の凄腕の兵士じゃねぇか?」

「黒い甲冑に白いドラゴン、アインス王国の旗印、間違いねぇな......」

「何でここにそんな奴等が?」

「しかも完全武装かよ、おい......」


 そんなざわめきも気にせず、前に出てきた騎士さんがまた口を開いた。


「率直に問う、ティナ・サンシェット嬢はいるか?!」

「ッ!?」


 いきなり名前を呼ばれて私は身震いした。

遅くなりました! 申し訳ございません!


何とかかけるようになってきたので、ペースは落ちますが更新したいと思います

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ