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街かど宿屋のドラゴンさん  作者: 抹茶さめ
2話
80/93

25泊目



「んじゃ、リースと私はこっちだから」

「ティナちゃーん! まったねー!」

「またねー」


 魔術学園を出てサラさんとリースちゃんは私とは反対の方角に帰って行く『貴族街』っていう場所で貴族しか住めない所だとか、同じ街の中にあるのに門で隔離されているから近づくことは出来るけど入るには貴族様に呼ばれるか、許可証がないとダメなんだって。


 私は二人の背中を見ながら手を振った後に宿を目指して歩き出した。午後の授業は薬になる草と毒になる草を見分けろとかそんな感じの授業で、森の中の村で育った私はある程度の毒草と薬草を見分けることが出来るからそんなに苦労しなかったけどリースちゃんとサラさんが『全部同じに見える』って言ってて何か微笑ましかった。


 思い出し笑いしながら私はポケットから手のひらサイズの銀色の板を取り出す。ついさっき作ったばかりの『ステータスカード』。


「こんな小さいの無くしただけで金貨三十枚かー、気をつけないと」


 時間掛かるのかなーと思ったらカード作成用の部屋に入って、置かれている黒くて平たい石に両手を押しつけて数分くらいで平たい石の横から出て来たんだよね、更新するときは出て来た所にカードを差し込んでから両手を押しつければ終わりって係の人が言ってたっけ。


「えっと......たしかマナを流し込むイメージで、わ! 文字が浮き出てきた!?」


両手でステータスカードを持ってマナをカードに集中させると、青白く輝細かな文字が浮かび上がってきた。


「えーと、なになに......?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ティナ・サンシェット


性別  女

種族  狐族

職業  精霊魔法使い


スキル 


『調理level3』『感知level5』『格闘level4』『精霊操作level3』


称号 

『精霊の加護』『精霊???』『???に愛されし者』『―――の加護』『―――血筋』『龍の寵愛』『ドジ』


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ちょっとおおおお! 称号の最後の『ドジ』って何?! 馬鹿にされてるの私?!」


 カードを握りしめながら私は凝視する、何なの?! 神様に『ドジ』認定されてるって事?! 神様公認のドジ?! 何処にぶつけたら良いか分からないイライラが......お、落ち着け私! 称号なんて飾りだよ! ドジじゃないし......ドジじゃないよ!?


 カードを持ちながら震えていると指先が『ドジ』称号に触れるとステータスカードの光っていた文字が消えて、称号の詳細? みたいな物が表示された。


『ドジ』

『究極のドジには至らないが、見ていて面白いドジっ子に与えられる称号(笑)』


「馬鹿にされてる? 馬鹿にされてるの私?!」


 数秒で元に戻った。まあいいや......それにしても何か表示がおかしいよね? 所々隠されてる? 感じだし、『ドジ』の印象が強すぎて見逃してたけど『龍の寵愛』ってコレ、スミカさんの影響? 立ち止まりながら首を傾げて、さっきみたいに称号に触れる。


『龍の寵愛』

『強大で偉大なドラゴンに愛された者の称号、僅かだが身体能力と魔力が上昇する』


「うぇええええ?!」


 飾りじゃ無かった! 物凄く重要だった! と言うかドラゴンとなんて接触したこと一度も無いからコレってスミカさんの事だよね?! 


「は、早く帰ろう! 何か分からないけど! 聞かなきゃいけない気がする!」 


 宿に向かって近道するために裏路地に入る、サーシャちゃんに教えてもらった近道の一つで、夕方のこの時間帯は市場が混むからって教えてもらった。私が走り出そうとしたその時、誰かに尻尾を掴まれて引っ張られた。


「きゅうううう!?」


 雷魔法に当たった時みたいに全身がしびれて私は尻餅を付いた。誰?! 獣人の尻尾はデリケートだから引っ張らないって知らな―――


 ズガンッ!


 振り返ろうとした次の瞬間、私がさっきまで立っていた場所が剣で切りつけられるように抉れた。


「間に合った」

 

 声がして振り返るとそこに居たのは、夕日を反射してキラキラとなびく灰色の髪を両側で縛っているサーシャちゃんくらいの背丈の子。


「ユリスちゃん?!」

「? 何でユリスの名前知って―――ッ!」


 不思議そうに首を傾げたユリスちゃん、だけど言葉を切って瞬時に白い布が巻いてある物を両手で持って私の前に出ると鈍い金属音と共に火花が散った。


「おーすごい、今の攻撃を防ぐなんて、小さいのに強いんだね? 君」


 どこからか声がする、人気が居ない路地、私は前と後ろを見たけど誰も居なかった。だけどユリスちゃんだけは上を見ていた。私も上を見る。


「え!?」


 そこには黒い外套姿の人が宙に浮いていた。チラリと見える手には綺麗な装飾が施された剣が握られていた。



  

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