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街かど宿屋のドラゴンさん  作者: 抹茶さめ
2話
76/93

22泊目

 

「『スキル』は個人が習得できる技みたいな物だ。有名な物だと勇者が持っているとされる『千里眼』や『鑑定』などだ。稀少な物だと『無詠唱』『縮地』『飛行』『アイテムボックス』とかだ、得に『アイテムボックス』のスキルは勇者が必ず持っているとされるスキルで、『勇者系スキル』という枠になっている、何百、何千とあるスキルだが習得出来るかは個人次第、いつの間にか身に覚えの無い『スキル』が増えていたりする」


 えぇ......それって運というかいい加減すぎない? 神様のさじ加減で凄く使えるスキルを身につけてたり、全然使い道が無いスキルが増えてるって事? そう思って居るとサラさんが手を上げた。


「何か質問かな? ルイビス嬢?」

「狙った『スキル』を習得することは出来ますか?」

「ふむ、良い質問だ」


 顎に手を当ててニヤリと笑う先生。


「正直、狙った『スキル』を習得する事は可能だ」


 それを聴いて教室がざわめいた。


「静かに! 確かに狙った『スキル』は習得可能だがそれを成し遂げたのは記録上は『勇者』だ」


 それを聴いてざわめきが一瞬にして止んだ。そうだよね、神に愛された者だからそういうことも軽々とやっちゃうし、常人離れした身体とかスキルとか頭の良さとかじゃないと魔王には勝てないもんね。なんか納得しちゃった。


「ふん、諦めるのは早いぞ諸君。誰が『勇者』だけだと言った? 『勇者』以外にも狙ったスキルを習得した者が居る」


 そんな規格外の人が居るの?!


「世界に三人しか居ないと言われている者達、『SSランク級冒険者』と呼ばれている者達だ。その三人の名前を言える者は居るか?」


 先生がそう言いながら教室を見回すと、隣に居たリースちゃんが手を上げた。


「はい! 私分かります!」

「センブルグ嬢か、よし。言ってみろ」

「はい! リクア帝国を拠点に活躍していると言われている『炎刃の使い手』ユルゲン・クルト、世界を放浪していると言われている『孤高の断罪人』ヒビキ・イングベルト―――」


 いきなり立ち上がってから目を輝かせるリースちゃんがきゅっと小さく拳を作りながら小さく息を吐いた。


「そして、我が王国、アインス王国に居られる『慈悲深き剣姫』スミカ様です!」

「え?!」


 それを聞いて持っていたペンが手から滑り落ちてカタンッと音をたてながらノートに黒い染みを作って転がった。


「どうした、サンシェット嬢? 顔が青いが気分でも悪いのか?」

「あ! いえ、大丈夫です!」

「そうか、それにしてもよく三人の通り名まで知っているなセンブルグ嬢」

「興味があったので調べていただけです」

「良い心がけだ、座っていいぞ」

「はい、ありがとうございます!」


 椅子に座り直したリースちゃんが私に向かって満面の笑みを向けて来た。私も何とか笑顔で返す、多分変な顔で笑ってるかも......あのいつもニコニコ笑ってるスミカさんがSSランク級冒険者!? 信じられないんですけど?! え、私ってそんな凄い人の所で働いてるの?!


 そこでふと思い出した。


『鍛えてるからねー』

『宿屋は趣味でねー、昔は無茶してたから』


 あれってそう言うことかー!!


「スミカ様は我が王国の誇りだ。私も一回だけ、あの人の戦いを見たことがある、凄いぞ? 多彩な魔法を無詠唱で放ったり、まるで舞うように剣を操る、魔法と剣を自在に操るあの姿はまさに『剣姫』だ」


 おお!っとリースちゃんが鼻息を荒くしながら食い付くように先生の話を聞いてる、サラさんも少し身を乗り出していた。


「私もあの人を真似て武術と魔法を使っているが足元にも及ばないだろう、おっと、話がそれたな。ここを卒業した皆は冒険者にも成るも良し、王国の宮廷魔術師を目指すも良しだ。そのためにも日々の勉学を忘れるな、そうすれば狙ったスキルを習得する事も出来るかもしれんぞ」

「「「はい!」」」


 私以外の同級生達が元気よく返事をすると午前の授業の終わりを告げる鐘が鳴った。


「丁度いいな、これで午前の授業は終わりだ、午後は魔法薬の授業なので実験棟へ移動しておけ。遅刻厳禁だ」


 そう言いながら先生が教室から出ていった。


「よーし! お昼だー!」

「おい、ティナが動かないんだが」

「え!? ティナちゃん?! 大丈夫?!」


 リースちゃんが肩を揺すって来た、か、帰ったら全力で聞いてみよう......




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