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街かど宿屋のドラゴンさん  作者: 抹茶さめ
2話
53/93

3泊目

 

  私を助けてくれた猫族の子はサーシャちゃん、種族がよく分からないけど多分リザードマンとか蜥蜴族って呼ばれてる種族だと思うんだけど、とにかく焦げ茶色の髪の女の人がスミカさんって言うみたい。


 サーシャちゃんはスミカさんが抱えていた紙袋を持ってどこかに行ってしまった。私は今、スミカさんと一緒に街の警備をしたり、見回りをしている兵士さんが居る詰所に来ている。


 ついでに私を奴隷として売ろうとしていた二人組も縄で縛ってスミカさんが引きずって連れてきた。周囲の視線が痛かったけど......


 どうやらこの二人組は賞金が掛かった悪党で、一人につき金貨十枚とか、その二人を詰所に突きだしたスミカさんを見て兵士さんが凄く驚いていた。何でだろう? そう思っていると一人の兵士さんが対面する受付のカウンターの上にドシャリっと何かが詰まった革袋を置いた。


 それを見たスミカさんの顔が引きつていた。


「いや、あのさー......多くない?」

「いえ! スミカ様の手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした! 賞金の金貨二十枚と感謝料で金貨三十枚、合計がアインス金貨五十枚になります!」


 き、きききき金貨五十枚!? 何それ! 私の村なら二十年は遊んで暮らせるよ!


「だから多いって、何で感謝料で金貨三十枚なの? 普通は五枚とか多くても十枚でしょ? 何処から出してきてるのよこれ」


 ジトっとした目でスミカさんが革袋を指差した。報酬が少なくて文句言う人は見たことあるけど、多いのに何か言う人初めて見たかも。


「大丈夫です! 使いきれなかった経費があったので!」


 兵士さんが親指を立てて歯を輝かせて言った。いやいや、いやいやいや! 駄目でしょ! それってお国のお金じゃん!


「駄目でしょ、キメ顔でカッコつけても駄目だから」

「すでに上には相談してあるので大丈夫ですよ?」

「上って......財務大臣?」

「いえ、軍務大臣です。 大変喜ばれていて、直ぐに渡してこいと伝令が」

「はぁー何やってるの、一応国のお金何だから財務大臣に話をしてからでしょうにそれに―――」


 スミカさんがため息を吐いてから兵士さんに説教が始まった。軍務大臣ってエメル公国で言う軍隊の総指揮官でしょ? え、そんな偉い人の知り合いなの?! スミカさんって何者?!


 そう思っていると詰所に人間の兵士さんが二人やって来た。


「「あ」」

「あ」


 二人が同時に指を指してきた。私も指を指した。今朝の入国管理してた検問所の人だ!


「おいおいどうした? こんな所で」

「強盗にでも会ったのか? あれ? 外套はどうした?」

「え、あーちょっと色々有りまして、と言うか何で私だって分かったんですか?」


 そう言うと、兵士さんが二人が顔を見合わせてから同時に指を指した。


「「尻尾が丸見えだったしな」」

「え! あぁ!」


 バッと振り向いた私の後ろには桃色で尻尾の先が白くてふっくらした尻尾があった。あちゃー......何時から出てたんだろう? 悪党二人組の時は耳でばれたからその時は隠れてたのかな? まー隠してた訳じゃないんだけどね。


 だって目立つじゃん! 薄いけど桃色の髪と尻尾って凄く目立つじゃん!


産まれた村なら皆気にしないけどさ、王都とか行くとすっごくじろじろ見られから恥ずかしいんだよね。


「あはははー、あ、あの! お二人はどうしてここに?」

「どうしてって、交代だよ。俺達は昼番だから夜番の奴と交代しようとって―――ええ!」

「どうし―――ちょ!」


 二人が受付カウンターを見て声を上げて固まった。そこに居るのはスミカさんと説教を受けている兵士さんだけなんだけど?


「あの? 大丈夫ですか?」

「あ、ああ。すまん、君ってスミカ様のお知り合い?」

「え? 違いますけど? スミカさんには悪党からついさっき助けてもらったばかりです」


 私の言葉を聞いて、兵士さん二人が肩を落とした。凄く安心した雰囲気。


「そうか、だが良かったな? あのお人に助けて貰えるなってな」

「確かにな」

「それってどういう―――」

「んー? 私が何だって?」


 後ろからスミカさんの声が聴こえて振り返ると何処かげっそりとした受付さんを背景に革袋を持ったスミカさんが居た。あ、結局もらって行くんだ。


「い、いえ! 何でもありません!」

「今日もお店に行こうかとコイツと話していただけです!」


 踵を揃えてビシッとたった兵士さん二人がそう言った。何この態度の変化? ん? お店?


「あーごめんなさい。今日はお休みなの、馬鹿がミスしちゃってさ」

「「ええ!」」

「明日は開けるからその時にお願いね?」

「「は、はい」」


 スミカさんが微笑んで言うと兵士さん二人の顔がだらっと崩れた。え? 何このとろけ顔? まさかスミカさんって卑猥なお店の人?!


「それじゃ、行こうか。ティナちゃん」

「行くって何処にですか?!」

「え、私のお店だけど?」

「卑猥なお店ですか!」


 私の言葉に、スミカさんを含めた私以外の人達がずっこけた。


 あ、あれ?



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