目覚め
目が覚めて最初に見たのは薄い壁、外からの光が感じられる程の薄い壁、触って見るとツルツルとした滑らかな感触だった。卵の殻みたいな感触。
試しに少し強く押してみた、するとビシッとヒビが入る、もう少し強く押すと簡単に壁が崩れた。
光に目が慣れていなのか、眩しくて何も見えない。
「―――! ―――!?」
「―――!! ―――!」
言葉が聞こえた。知らない言葉、いや理解出来ない言葉。意識が曖昧で何が起こっているか判らない。
そして、自分を覗き込んできた二つの顔が父と母だと認識出来た、だけどそれは自分が『ドラゴン』と呼んでいた、架空の存在だった。
―――『世界への適正を開始、魂の定着を確認、『言語理解level 10』で固定完了』
男だか女だか判らないゲームみたいな声が聞こえたと思うと、自分を覗き込んでいた黒いドラゴンが喋った。
『―――かして―――れるだと?! クハハハ! 流石我が子だな! 一族は安泰だぞ!』
『私も驚きました。ふふ、貴方に似て黒い翼ですよ』
隣から白いドラゴンが覗き込んできた。
『そうだろ! しかも紋様まで入っている! これはランコの血もしっかり入っているぞ。我が子よ! お前の名前は『―――』だ! いい名前であろう?』
『ふふふ、気が早いですよ。まだ言葉は理解出来ないでしょうから』
母が優しく舐めてくれた。すると急に眠気が襲ってきて意識が沈んだ。




