第二十話 爺さんの場面がでてきましたが、なにか?
ちなみに葵のお婆さんも20代前半くらいの容姿ですw
ではこの作品を読む時は部屋を明るくして、画面から約31.414cm位離れて読んで下さいね?
俺は「もう無理」とか「俺には限界」とかいう言葉が嫌いだ。
だから魔王討伐の旅に出る寸前に泊まった宿の看板娘のA子さんに「無茶だから止めなさい」って言われて何か言った覚えがある。
ま、なんて言ったかは覚えてはいないんだけどな。
「と、言うわけで頑張ってスライム恐怖症を治すぞ!」
「おー。とは言ってもスライムが居なければ意味無いんじゃないですか?」
「いや、先ずはゲル状の物をさわれるようにするのが第一ステップだから」
と言うよりいきなり実物とか気絶してしまうんじゃないだろうか?
ちゃんと段階を踏んで進まないとな、うん。
「……そこまで根付いてたのね、スライム」
○
……スライム恐怖症を克服しようと保冷剤に入ってるゲルみたいな物から段階を踏んでいく勇者(笑)がいるらしい。
つか、ゲル状の物ってこの世界にはそんなにねェよな。
別に勇者が勇者(笑)でもなんでも良いんだケドよォ、もうお前相手にスライム出すつもりねェから、お前等が次に魔物と戦うときは幹部クラスだから。
「え、じゃあ何時もスライム何処に送ってるの?」
「アヴァロンだが?」
アヴァロンの地下水道にスライム大量配置をしている。
攻められたら、城の中に入って内部から潰すのが一応の目的だ。
トロイの木馬だっけか?
「あ、そうだ旦那。ちょっと竜の角取ってきてくれないかなっ?」
「……何でまたンなもんを?」
「薬を作るためだよっ!」
「別に構わねェけど、俺に何で頼むんだよ。一応王だぜ?コレでもよォ」
「考えてみて旦那。竜ってリアよりちょっと弱い程度の力なんだよ?兵士達100人いてもかいめつさせられちゃうよ?」
……ま、それを言われるとなんとんとも言えねェんだけどさ。
寧ろソレを言われたら俺しか行けねェじゃねェかよ。
リアにおつかい程度に竜と戦闘させるなんて俺は絶ッ対ェに出来ねェし。
つか、女の子を戦いに向かわせてる野郎が居たら俺は先ず不幸先輩式説教を繰り広げるだろうな。
右ストレートから始める説教術、そこから胸ぐらを掴む説教術、最後に放り投げる説教術というコンボをどんなに偉いヤツであろうとやらせて貰う。
「不幸先輩って?」
「『不幸だぁあああ!』が口癖のフラグメイカーで、なんだかんだで格好いい勇者より勇者らしい漢だな」
「へぇ……。ま、よろしくお願いね!旦那っ!」
……竜殺しってどれくらい殺したら竜殺しになるんだろうか?
俺は既になんだかんだで10匹くらい殺して居るんだけれど、竜殺しってのは一体全体何体倒してから何だろォか。
ま、別に良いか。
竜殺しって単語にちょっと興味が湧いただけだしなァ。
「っとリア、どうした?」
外に行こうと歩いていると少し顔色の悪いリアに廊下で出会った。
つか、こんなしんどそうなリア放って竜殺しなんて行けないし、レイナールに明日位にして貰うか。
「つーわけでレイナール」
「あいあい、解ってるよ!僕もリアを放って行かせようなんて考えてないからねっ!」
「んで、本気でどうした」
「……ちょっと朝から頭がくらくらするんだ。でも、大丈夫、だよ?」
「いやいやいや、その状態は大丈夫じゃねェから。おい、レイナール、薬取ってきてくれるか?」
「あいあいさ!」
……ふむ、顔色は少し悪くて頬が紅い。
つゥコトは熱か?……ただの風邪なら良いんだが、この世界でインフルエンザとか洒落になってねェからなァ。
「リア悪い」
「ふぇ?」
取り敢えず抱き上げて、俺の部屋に向かうか。
リアの部屋より俺の部屋の方が風通しは良いし、涼しいから良いとは思うんだが。
……っと、ガチで走っていたから自分の部屋をスルーするところだった、危ねェ危ねェ。
「よし、着いた。一応風の魔術で振動がいかないようにとかしてたんだが、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。……それよりゴメンね?どっか行く途中だったんでしょ?」
「ンなコトよりリアのが大事だっつの。用事なんて何時でもいけるしなァ」
……ふむ、おでこを触ってみると割と熱かった。
大体38℃くらいかと思う。俺が学校を休む程度の体温だな。
「つか、なんで早くレイナールとか飛鳥とかに言わなかったんだァ?」
「心配かけちゃいけないかな、って思って」
「……はぁ、馬鹿か。今みたいな状態でいられる方が心配だっつの」
……何となく解ってはいたがコイツ周りを気にしすぎてるだろ。
レイナールまで……とは言わねェけどよ、あれくらい周りを気にしねェほうが良いんだよ。
「お前はキチンと俺らに迷惑かけてろ。誰しも迷惑かけて、迷惑掛けられて生きているんだしな。お前は俺達の隣で楽しそうに笑ってろ。それさえありゃ俺は十分だし。お前の辛そうな顔は見たかねェんだよ」
「……うん」
「俺が言いたいのは大体こんなもんだ。目を閉じてゆっくりしてろ」
仕事しなきゃなァ。
飛鳥もキッチリ俺の部屋に来てくれたみてェだし。
つか、レイナールはやっぱりコッチの考えていることを先読みしてやってくれるから有り難ェわ。
「取り敢えずぺったんぺったんするだけみてェだしな。なるべく早く終わらせてリアんとこ行くかァ」
○
フム、あの馬鹿者はまだ帰ってこない、か。
あの馬鹿はこの老いぼれを放って置いてどこかに消えてしまうなんてなんという親不孝ものじゃろうか。
……それにしても葵がいなくなって既に数ヶ月じゃな。
幼なじみの薫ちゃんも窶れてきているし、儂がそろそろ出んといかんかの?
どうやらあの変態刀も何処かにいってしまったみたいだしな。
「ま、葵にあったらケツを蹴り飛ばすのは決定じゃな」
「お爺さん、それは可愛そうだよ」
「いや、それくらい受けてもらわんとな。儂をここまで心配させるなんて許し難いことじゃからな」
○
ゾゾってなったんだが。
やべえ、寒気が止まらねェぞ。
【ご主人様どうかされたんで?】
「いや、今、物凄く嫌な予感がしたんだ。具体的にはお尻の辺りが物凄く腫れるような一撃を受けなければならないときが来るかも知れないという嫌な予感が」
【ソレは予感ではなく予知じゃあないでしょうか?】
「……かもな」
おおう、怖い怖い。
爺さんが急にこの城に乗り込んできて、俺を見つけた瞬間俺にめがけて跳び蹴りを放ってくるんじゃないかという不安がマッハでヤベェ。
「具体的すぎだね、旦那」
「いや、ガチで近いうちに来そうなんだよな。本気で怖ェえわ」
「取り敢えず、来たらリアと僕で挨拶しなきゃね!」
「そしてその挨拶語に俺は吹っ飛ばされるんだよな、解ってる」
ま、良いか。
今はンなコトよりリアん所行くのが先決だし、そのために早く仕事を終わらせたんだしな。
「さて、レイナールよ。薬はキチンと持ってきたか?」
「モチのロンだよ、旦那!」
「では、行くぞ!」
「応ともさっ!」
「静かにしてくれないかな?お姉様の為を思ってるんなら大声出すのは駄目だろうに。それに、何で葵さんは鍋を持ってるの?」
「お粥を作ってきたんだが」
「ふぅん、味見させて貰うね。味が濃すぎるのはNGだしね」
「いや、流石に俺でもソレは解ってるぞ?」
つか飛鳥が会って早々辛辣なんだが。
むしろ風邪のヤツの所にお鍋を持ってきているのがうどんやお粥以外の目的な訳ねェだろうが、常識的に考えてよォ。
「うん、良い感じだね。葵さん、仕事しなければいけないのも解るけどしんどいときは一緒に居て貰いたいもんなんだからね?」
「……ンなコト重々承知してンだよ」
「ま、しょうがないよね、魔王だし」
取り敢えず明日になるまでつきっきりで看病すっか。
早く良くなってくれよ、リア。




