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海の声が聞こえなくても・土讃線が止まった秋  作者: リンダ


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78/79

主題歌 歌詞



『海の声が聞こえなくても』主題歌


「海が笑っていた頃」


1番


海が笑っていた頃

わたしはまだ小さくて

防波堤を走りながら

明日を疑わなかった


夕ごはんの匂いがして

テレビの前で声を上げた

お父さんの静かな笑顔

お母さんの「ご飯よ」の声


兄ちゃんがからかうたびに

わたしは本気で怒って

それでもみんな笑ってた

あれが幸せだった


サビ


海が笑っていた頃

わたしはまだ子どもで

波の音も風の色も

全部好きだと言えた


消えた町のその先で

名前を呼ぶ声がする

帰れない道を抱きしめて

それでも人は生きていく



2番


白い毛布に包まれて

声だけがどこかへ消えた

泣きたいのに泣けなくて

夜だけが長くなった


「小百合」と呼ぶその声が

凍った胸に触れていた

本当のお母さんじゃなくても

手の温度は嘘じゃなかった


ノートに書いた小さな文字

「また応援したい」

それは明日へ続くための

最初の息だった


サビ


海が怖くなった日も

わたしはまだ生きていた

波の向こうに消えた人を

忘れずに歩いていた


声にならない悲しみを

誰かがそっと抱きしめた

失くしたものは戻らない

それでも愛は消えなかった



Cメロ


タイガースの灯がともる夜

胸の奥で家族が笑う

歌えなかった応援歌を

いつかまた口ずさむ


美波の描いたわたしは

風みたいに笑っていた

あの日止まった時間さえ

少しずつ動き出す



ラスサビ


海が笑っていた頃

わたしは確かに愛されてた

消えた家も帰らぬ人も

心の中で生きている


海の声が聞こえなくても

大切な声は消えない

怖いままでいいんだよと

明日がそっと手を引いた


わたしはちゃんと生きてきた

泣いて笑って愛してきた

波の向こうへ届くように

ありがとうと手を振った


海が笑っていた頃

その記憶を抱いたまま

わたしは今日も生きていく

新しい朝の中で



『土讃線、止まった秋』主題歌


「秋を越えるディーゼル」


1番


紅葉の山を縫うように

ディーゼルの音が響いてた

谷を渡り トンネル抜けて

人の明日を運んでた


いつもの駅 いつもの声

誰も疑わなかった

線路が続くその先に

帰る場所があることを


突然山が唸りだし

空の色まで変わってく

止まれと叫ぶその手には

百の命が乗っていた


サビ


止まった秋を越えていけ

山の線路をつなぐため

誰かが命を守った場所を

今日も列車は走ってる


帰れなかった人の想いも

遠ざかるディーゼルの音も

明日へ運んでいくために

この鉄路は続いてる



2番


開かないドア 炎の匂い

煙に消えた名前たち

それでも誰かが手を伸ばし

子どもを先に逃がしてた


真鍋の声が途切れても

石原は前を向いた

川原は山の暗闇で

まだ生きる人を探してた


大歩危の駅に灯はなく

それでも人が集まった

水を分け合い 毛布を掛け

夜を越えようとしていた


サビ


止まった秋を越えていけ

冷たいレールを踏みしめて

助けられなかった痛みさえ

胸に刻んで歩いてく


名前も知らないその人が

差し出した水の温かさ

命をつなぐという意味を

この山が教えてくれた



Cメロ


父の写真を握りしめ

幼い子どもが眠ってた

帰らぬ人の志は

誰かの中で息をする


「最後まで鉄道員だった」

その言葉を抱きしめて

涙の先に続く道を

残された者が歩き出す



ラスサビ


止まった秋を越えていけ

崩れた山を見上げても

もう一度走らせるんだと

人は線路へ戻ってく


父が守ったこの鉄路を

今度は僕が走らせる

マスコン握るその指先に

受け継がれた誇りがある


帰れなかった人の声も

守られた命の重さも

ディーゼルの音に乗せながら

未来へ今日も運んでく


止まった秋は終わらない

忘れぬために走り出す

山を越えて 谷を越えて

この鉄路は続いてる


この命を乗せている

この記憶を乗せている

止まった時間のその先へ

列車は今日も走ってる

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