主題歌 歌詞
『海の声が聞こえなくても』主題歌
「海が笑っていた頃」
1番
海が笑っていた頃
わたしはまだ小さくて
防波堤を走りながら
明日を疑わなかった
夕ごはんの匂いがして
テレビの前で声を上げた
お父さんの静かな笑顔
お母さんの「ご飯よ」の声
兄ちゃんがからかうたびに
わたしは本気で怒って
それでもみんな笑ってた
あれが幸せだった
サビ
海が笑っていた頃
わたしはまだ子どもで
波の音も風の色も
全部好きだと言えた
消えた町のその先で
名前を呼ぶ声がする
帰れない道を抱きしめて
それでも人は生きていく
⸻
2番
白い毛布に包まれて
声だけがどこかへ消えた
泣きたいのに泣けなくて
夜だけが長くなった
「小百合」と呼ぶその声が
凍った胸に触れていた
本当のお母さんじゃなくても
手の温度は嘘じゃなかった
ノートに書いた小さな文字
「また応援したい」
それは明日へ続くための
最初の息だった
サビ
海が怖くなった日も
わたしはまだ生きていた
波の向こうに消えた人を
忘れずに歩いていた
声にならない悲しみを
誰かがそっと抱きしめた
失くしたものは戻らない
それでも愛は消えなかった
⸻
Cメロ
タイガースの灯がともる夜
胸の奥で家族が笑う
歌えなかった応援歌を
いつかまた口ずさむ
美波の描いたわたしは
風みたいに笑っていた
あの日止まった時間さえ
少しずつ動き出す
⸻
ラスサビ
海が笑っていた頃
わたしは確かに愛されてた
消えた家も帰らぬ人も
心の中で生きている
海の声が聞こえなくても
大切な声は消えない
怖いままでいいんだよと
明日がそっと手を引いた
わたしはちゃんと生きてきた
泣いて笑って愛してきた
波の向こうへ届くように
ありがとうと手を振った
海が笑っていた頃
その記憶を抱いたまま
わたしは今日も生きていく
新しい朝の中で
⸻
『土讃線、止まった秋』主題歌
「秋を越えるディーゼル」
1番
紅葉の山を縫うように
ディーゼルの音が響いてた
谷を渡り トンネル抜けて
人の明日を運んでた
いつもの駅 いつもの声
誰も疑わなかった
線路が続くその先に
帰る場所があることを
突然山が唸りだし
空の色まで変わってく
止まれと叫ぶその手には
百の命が乗っていた
サビ
止まった秋を越えていけ
山の線路をつなぐため
誰かが命を守った場所を
今日も列車は走ってる
帰れなかった人の想いも
遠ざかるディーゼルの音も
明日へ運んでいくために
この鉄路は続いてる
⸻
2番
開かないドア 炎の匂い
煙に消えた名前たち
それでも誰かが手を伸ばし
子どもを先に逃がしてた
真鍋の声が途切れても
石原は前を向いた
川原は山の暗闇で
まだ生きる人を探してた
大歩危の駅に灯はなく
それでも人が集まった
水を分け合い 毛布を掛け
夜を越えようとしていた
サビ
止まった秋を越えていけ
冷たいレールを踏みしめて
助けられなかった痛みさえ
胸に刻んで歩いてく
名前も知らないその人が
差し出した水の温かさ
命をつなぐという意味を
この山が教えてくれた
⸻
Cメロ
父の写真を握りしめ
幼い子どもが眠ってた
帰らぬ人の志は
誰かの中で息をする
「最後まで鉄道員だった」
その言葉を抱きしめて
涙の先に続く道を
残された者が歩き出す
⸻
ラスサビ
止まった秋を越えていけ
崩れた山を見上げても
もう一度走らせるんだと
人は線路へ戻ってく
父が守ったこの鉄路を
今度は僕が走らせる
マスコン握るその指先に
受け継がれた誇りがある
帰れなかった人の声も
守られた命の重さも
ディーゼルの音に乗せながら
未来へ今日も運んでく
止まった秋は終わらない
忘れぬために走り出す
山を越えて 谷を越えて
この鉄路は続いてる
この命を乗せている
この記憶を乗せている
止まった時間のその先へ
列車は今日も走ってる




