疑問編 2
洞窟の奥に向かう女の人を恐る恐るついていく。…本の山と崖を見た後だからかあまり几帳面にはみえない。あんなに不安定でなだれが起きそう…いや、起きているって言っていたな。それでも本の山を作ってしまう。…大雑把そうだな。…食材の安全性が危ぶまれる。…放置して腐っていたりしないよな?
「あのねぇ、肉を焼くって言ったけど、料理したのがあるからねぇ。すぐに食べられるし!私が作るとなんでか木炭になるんだよね〜。謎なんだよねぇ?」
考えを読まれてしまったと驚くよりも先に、木炭というキーワードに固まる。木炭?食べ物が木炭?
どうゆう事?
「いや〜。ここ洞窟だけあって火器を入れたくないからさ〜。魔法で焼こうと思って〜。ちょっとやりすぎちゃって〜。お皿ごと真っ黒になっちゃって?そしたら、旦那がお前は何もするなって。ひどくない?まぁ、食材じゃなくて料理が届くようになったからいいけどねぇ。」
料理をしようと思って、魔法をブッ放つのも驚きだし、木炭調方法も納得したが、だっ旦那?結婚済みなのか⁈
驚きが、そのまま顔に出たのか私の顔を見て吹き出す女の人。顔は、すっぴん。髪はその辺の紐で結んだだけ。服はシャツにゆったりズボン。…インクがこぼれたのか上下とも黒ずみが点々とついている。…でも、大きく口を開けて笑った顔は自然で飾らない野の花のような健やかな美しさがあった。
「あなた一人でここにいるのでしよう?量があるようには思えませんが?」
「あれ?一人って言ったっけ?」
「料理が届けられたという事は、一緒に食事をするわけではないでしょう?木炭を作り出すあなたに焼いて食べるものを持ち込むはずが無い。」
目をパチクリさせて関心した声を出す。
「いや〜。料理がきたんだけどさ。私あんまり食べないし。論文書くのに眠くなるからさ。でも旦那がね〜、食べないと怒るのよね〜。私を助けると思って食べてくれないかな?」
この通り!と拝むように両手を合わせて頼みこをんできた。…黒チーター君は、いいのかな?と私に目線を送ってくる。
「…匂いに注意して。情報が足りなさすぎる。本当の事を言っていると信じるには早すぎる。」
疑ってかかる事は、悪い事なんかじゃない。私たちは、二人しかいない。食べるもの、飲むものには細心の注意を。
「この人は、私たちを調べたがっている。」
視線一つで私の中の警戒心が跳ね上がった。
警戒心は、捨てるべきではない。はじめて会った人。ペラペラとよく話しフレンドリーな人。たんぽぽみたいな笑い方をする人。
だが、人は、表だけではない。必ず、裏がある。
私は、それを知っている。
前世の私の両親は周りの人にとっては、とても素晴らしい人。私たちにとっては、残忍な悪魔だった。悪魔は、人の皮をかぶるのだ。巧妙に周りを騙して笑顔をふりまく。その裏で私たちを痛ぶって楽しんでいた。
私は、人を信じるよりも、疑う。それは、私の防衛本能。前世の両親からの最初で最後のプレゼントだった。…うれしくないプレゼント。




