復讐編 4
黒チーター君は四人の話を聞いて、聞いて、聞いて、あまりにも勝手過ぎる言い分に我慢の限界を超えて、噛み殺してしまったらしい。
おつかれ〜としか言いようもなく、よくここまでやったなーとしか思えない有様だったけど、バラバラにしてやりたい気持ちはわかるので無言で撫でておいた。…焼却したいが、ここまで広がるとな〜。
うん。乾燥してから考えよう。木の人も側にいないみたいだし。後回し後回し。
最初にきた二人組は、どうなっているかな?
いや〜。ちょっとした言葉遊びのつもりだったんだが。いや、でも、遊びは遊びでも半分は本気だったが。
私の腕に頭をグリグリしてくる黒チーター君が可愛くて、ゆっくり歩いていく。あー。頭から背中にかけてのこの毛並みが最高。幸せ。
モフモフと飽きる事なく撫で回す。
二人組の元に着いたら着いたで、空気が凍りついていて緊迫感が半端ない。黒チーター君を撫でる手が一瞬だけ止まってしまった。まぁ、一瞬だけだけど。
どんな結末を望んでいるのか、見ものだな。
私は、今だけは、この二人の中での神様。
生かすも殺すも私次第。黒チーター君は、仲間を殺した相手を殺して、ひとまず憎しみを手放せたらしい。こいつらは、私の好きにしていいと。
「俺は、生きたい、からこいつを。」
埋まった男が、アゴで相手を売り払う。
「…いや、だ。俺だって。」
弱々しい反論だか、埋まった男が激高するには充分だったらしい。
「何を言ってやがる!俺の金魚の糞が!俺の後をついてくるしかできない野郎が!汚ねぇ事は俺にやらせて後ろで見ているしかできない野郎が!」
口汚くののしる。その男に顔を上げて反論する。
「俺はしたくなかった!お前が賭け事をやって借金を作らなければ、あんな事!」
ふーん。賭け事やって借金をして首が回らなくなったから獣人から毛皮をはいだと。
「お前だって売った金で飯、食っただろうが!どっちもどっちだろうが!」
「そんな金で食いたくなんか!」
罵り合いは、私たちの目の前で続いている。
私たちの視線などまったく気にしない。どれだけ呆れて見ていても、まったく眼中にないのだろう。
えーそれはそれでちょっと腹立つけど。
幼馴染の罵り合いなど見たくもない。
「結論は、どっち?」
答えを促すと、二人はアゴで相手を突き出して、
「「あいつだ!」」
声をそろえて言い放つ。…あら〜。息ピッタリ。仲良しさんですな。
両方とも、相手を思い合う心など皆無にして、相手を足蹴にして、自分さえ生き残ればいいと思っている。
はぁー。なんだかなぁ。本に出てくる神様の気持ちがちょっぴりわかった気がしてため息が止まらない。黒チーター君を撫でる事で癒しを求めた私だった。




