復讐編 2
黒チーター君の仲間を殺した男たちと、殺人未遂の男たちの場所を分けた。
君チーター君がどんな事をしても、私には見えない。聞かない。言わない。
怒りと憎しみに駆られた行動は、知られたくないものだろうから。
殺人未遂の二人組の元へ。一回埋めた場所から移動した。…木の人が嫌がったから。暴言ばっかりの人は、黒チーター君によってもう一度埋められた。…自業自得。本当に暴言ばっかりだったし、元気いっぱいだったから。反省の色も見られなかったので、頭だけ出して放って置いた。
もう一人は…私が血を飲んじゃったから、ぐったりしてて木に縛り付けて放置。
短い足でえっちらおっちら歩く。木の人があまり近くにいない場所にした。処分方法を考えて。
土から、顔だけ出した男の首から上を虫が這い回っている。騒ぐ声も枯れたのかヒューヒューと息を荒くはいてうつむいている。
木に縛り付けられた男には、蛇が男の周りをぐるぐると這っている。まるで、力尽きるのを待っているかのように。上半身を縛られているので足を動かして蛇を近づけないようにと暴れたんだろう。土がえぐれている。うつむいた汗だくの顔から疲労がはっきりと見える。
そこに、お気楽幼女、参上。
「はーい。こんばんは〜。生きてますか〜?」
うつむいていた顔を上げる男たち。その目は、恐怖と苦しみと少しの期待に揺れていた。
「…助けて、くれ。金なら、払う。あ、謝るから。もう…殺そうなんて、思わない、から。」
おう。反省している。あの暴言男が。ちょっとびっくり。時間は偉大だな。縛った方は蛇の毒に朦朧としているみたい。熱が出ているのか顔色が赤黒い。声もはっきりとは発音できないみたい。
「うーん。助けてあげてもいいけど、一つ聞きたい。」
「…なんだ?」
「獣人を殺した事、あるの?」
獣人を蔑み、殺そうとする事への躊躇の無さはやった事のある者特有の態度だろう。
ジッと見つめると、その視線に耐えられなくなったのか視線をそらす。
「…ない。殺しては、ない。」
「殺しては、ないんだ。」
答えを言わない。だったら、助けてやる義理はない、立ち去ろうと後ろを向こうとすると、男が慌てて言葉をつなぐ。
「殺してない!本当だ。ただ、スラムで死んでいた獣人から、少しだけだ。死体だったら、俺のせいじゃないだろ!」
死体から毛皮をはいだ。…そういう本があったな。前世だったが。
あの本は、何が、いけないと書いてあったんだっけ?死体から物を奪う事?人から奪う事?
一つだけ思う事は、人は怖いという事だけ。
私は、鳥肌が立った腕を、こすった。




