復讐編 間話2
作業が終われば狩りの時間だ。爪に入った泥をおなざりに落として森に向かう。
四人で、毛皮の代金を山分けしようと決めた。俺が黒いチーターを見つけたんだか、一人で全部やれるはずはなかったし、あの黒チーターたちが宿に来た時にいた仲間が四人だった。…獣人を殺す事に抵抗がない仲間で助かった。まあ、やり過ぎたけどな。
夜の暗さは、人を黙らせる。今夜は、安酒も入っていない。月の光は青白く、影を作ってくれるほどの明るさはない。
それでも、鼻歌交じりでみんな、森に入る。楽しい狩りの始まりだ。一匹しかいない黒チーターの毛皮を狩に行こう。追い詰めるだけの簡単な金稼ぎ。
足元も見えない森に、ランプの炎の明かりだけがかろうじてお互いの顔を照らし出す。
「ガキ一匹だ。手分けして探すぞ。とりあえず二手に分かれよう。」
親を殺してもう5日か6日経っている。たぶん。…酒に酔うと日付の感覚なんかねーわ。
腹を減らしたガキなんか敵でもなんでもねーな。あんな、小さなガキ。
森の中を大股で歩く。とりあえず、木に傷をつけて目印にする。チッ。草が濡れてやがる。昼まで雨が降っていたせいか。ぐちゃぐちゃに足元がぬかるんで歩きずれーな。
足元ばかりを気にしていた。
たから、すぐに気がついた。さっきから、木の靴にあたる泥にまみれたものは。
骨。
ぐちゃりと踏む地面から、無数にあらわれる。
人骨なのか。それとも。
俺たちの殺した黒チーターは、どう処分した?
酒の酔いに任せてぼろぼろにして、皮をはいだ。いや、はいだというよりも切り刻んだ。…笑いながら。そのまま、毛皮屋に行った。毛皮屋のオッさんに怒鳴られて、それでも笑いながら家に帰って寝た。
獣人の死体は、野ざらしのまま。
一歩、踏み出せば、骨。
血の気が引いた。隣りを見れば、顔色をなくした仲間が見える。俺もこんな顔をしているのか。
「なぁ、今日は、やめようぜ。」
一歩踏み出す事が、怖くなった俺は、立ち尽くす。骨が、割れる音が、軽く、響く。
ぱき。ばき。ばき。踏みつけた骨の音が頭に響いて、反響する。ランプの炎が、生々しい骨を一層グロテスクに見せてくる。
下を、骨を、見ていた俺の首に、紐がかかる。
紐は、首に絡まり上に引きずりあげる。ハッと息を飲む。首を絞められている⁈
何で、誰に。…あいつらに?
あーなんでこんな目に。金が欲しかっただけなのに。
そう思って、意識が落ちた。真っ暗な闇の中。
あははと楽しそうに、女の子が、笑う声が聞こえた気がした。




