復讐編 間話1
あーしくった。いい金になるはずだったのに。
来る日も来る日も川の補強工事なんかやってられねー。まぁ、給料がいいからやっている。つまらなくてたまんねーな。だから、毛皮屋のオッさんの話に食いついたんだ。
チーターの毛皮は高く売れるっていう話に。
見つけて、捕らえて、殺して、毛皮を手に入れれば一攫千金。一年は、遊んで暮らせる。
あーやっちっまった。夜にガキが帽子を取らない時点でピンときて酒を飲ませて、帽子を取った。
当たりだ。酒を飲んグダをまいていた仲間たちと目配せしあって、ガキに酒を飲ませて外に連れ出した。
このまま、欲を出さなければ。ガキ一匹でも、高値で売れたものを。
仕事で使う一輪車に乗せ、森まで運んで始末するはずだったのに、一緒にいた親もやってしまおうと酒に酔った勢いで大口叩くんじゃなかった。女の方が具合が悪そうで、簡単だと思ったんだ。
あーガキには逃げられるし、親の方は噛みつかれて腹が立って、日頃のウップンか、酒に酔った勢いなのか、それとも弱いものを痛めつける快楽に酔ったのか。気がついたら、売り物にならなくなってしまった。
あー、金が欲しいし、女も欲しい。
青い空がまぶしくて、泥にまみれた手が嫌になる。俺たちみたいなただの労働者に愛の手をくれー。
「何、サボってやがる。ここからの土を運んでおけよ。給料から差し引くぞ。」
俺より年下の作業監督に言われる。想像の中で作業監督の頭をシャベルでかち割って作業に戻る。
また、今日も安い酒を飲みに行く。獲物がかかるのを待ちながら。黒チーターの毛皮は需要が高く、ガキ一人分だけでも高く売れる。毛並みが柔らかく貴族様に人気なんだと。
あの、逃したガキを手に入れたい。
頭が悪そうな二人組にそれとなく話をしたが、あいつらでは無理だろ。イキがるだけの奴とそれについていくしか知らない奴。
あの森にいるのは、間違いない。ガキ一人で逃げられるはずはない。それに、この川はあの森の入り口がしっかりと見える。反対側は崖だし。四人いる仲間の目をすり抜けられねーだろ。
あー。俺の金ズルちゃん。待ってろよー。
そんな願いが通じたのか、人型の帽子をかぶった薄汚れたガキが、森の木に隠れている。キョロキョロと落ち着かなそうに辺りを確認して、川に人がいる事に気づいて、また森の中に戻って行った。
にやける顔を隠して、今日の夜は酒より先に獲物狩りといくか。その後に酒にしよう。
柔らかいという毛皮の手触りを確かめながら。




