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正しい吸血鬼のなり方  作者: 冬月 葉
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逃亡編 5

 起きて食材を探して、口に合うかを試して、合わない事にふて寝てを繰り返してはや3日。…たぶん3日。うん。薄汚れてまいりました。黒チーター(もうすぐ確定)の血を舐めてたからか、腹の減り具合はまだ耐えられるぐらいで留まっている。

 だからか、自分の薄汚れ具合がどうにも気になる。まあ、見せる人なんていないけど。前世の記憶を持つものとしては、頭のかゆさと服からただよう臭いに嫌気がさしてきている。…はっきりいうと汗臭い。前世の子供の頃は、どうしようもなかったが保護されてある程度綺麗にしていたからか、薄汚いままの姿に我慢の限界がきている。


 「よし、水辺を探そう。」


 思い立ったが吉日。よし、行こう。私の他にも動物や昆虫はいる。水はある。他の動物たちが生きていくのには水がなければ生きられないはず。


 私が、幼少の姿で歩き出す。…だが、進まない。幼女の足の短さを甘くみていたらしい。

 真面目に走っても、てとてとと擬音語がつく。このままだと水辺を探し出す前に、朝がきてしまう。


 私、焦げちゃう。…いや、焦げるぐらいならいいけど…消滅したらどうしよう。


 行きたいけど、私だけで辿り着けるのだろうか。


 なかなか、踏ん切りがつかずに立ち往生してしまう。うーむ。自転車も自動車も何にも無い世界が憎い。


 うーむと腕を組んで考えこんでいると、後ろから、ためらいがちに肩をたたかれた。ちょっと待って。今、考え中。…って、私の肩をたたく人がいるか?いや、いるはずがない。


 ばっと後ろを振り返る。殺気がないから油断していたのか、ワンピースの上に着ていたコートのポケットに手を差し込み一瞬でナイフを出す。


 ナイフを突きつけた相手は、まさかの黒チーター(ほぼ確定)肩に触れていたのは、かわいい茶色の肉球。傷つけないように優しく触ってくれたらしいフニフニの肉球で。


 見つめ合う私と黒チーター(ほぼ確定)


 クォンとなぜか困っている事が分かる声を出す黒チーター(ほぼ確定)に、ナイフを恐る恐るしまう私。なんかめっちゃ表情が読める。…怖かわいい。


 「…あの。どうしましたか?」


 なぜか敬語。クォンクォンと鳴き声をあげる黒チーター(ほぼ確定)の言葉が分かるはずもなく、さりとて、私を傷つけようとする意思も見えず、立ち尽くす私に近づく黒チーター(ほぼ確定)


 するりと足音もなく私に近づくと、私の胸に頭をこすりつけ始めた。…は?


 呆然とする私に、グリグリと頭をこすりつけ続ける黒チーター(確定寸前)


 私は、毛並みの柔らかさに負けて無意識のうちに撫ではじめた。


 うれしそうにゴロゴロと喉を鳴らしている黒チーター(確定?)に疑問しかないが、とりあえず撫でまわす私はやはり、モフモフが好きだと再確認していた。…現実逃避かもしれない。


 

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