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十字架のネックレス

「助けて、、、」


ラーメンブシドーで二刀流ラーメンを堪能して、店を出ると、

2台しか停めれないラーメンブシドーの狭い駐車場に停めてある高級車から、長い髪もボサボサで風呂も入っていないのか、妙な臭いをさせ、寝ていないのか目の周りを一周するほどのクマを作った女が走りこんで両手で服を掴み、しがみつく。


「ミツメ、助けて、、、」


二階堂けいだった。


普段の華麗な彼女とは想像もつかないほど乱れた姿にミツメは一瞬彼女だとは気付かないほどだった。


彼女は言う。


ミツメと会話をすることなど考えずに彼女はマシンガンの様に喋り続ける。


親友のアオイが5日以上連絡がつかない事。


自分の権力を使い、アチコチに協力を求めたが 九龍グループ という組織の名が出るため、全て断られた事。


彼女の生存と居場所は分かっているが、自分は恐怖で一人で助けにいけない事。


二階堂けいは親友を助けてくれと懇願する。


風呂も入らず眠りも出来ず、全てに拒否され、最後の手段としてミツメを探しにきたのだ。



「俺には関係のないことだ。」


ミツメは冷血にこのしがみつく女を払い除ける。


女はなんとなくだが気づいている。


このラーメンブシドーに集まる客は、


賞金稼ぎのアオイにしても


またに来る、青いフードのコートの巨大な男とトレンチコートの髪の長い不気味な女 男女のコンビにしても


いつも黒ずくめの、このミツメにしても


アイツも アイツも アイツも 


店に来る客は裏の人間ばかり。


なんとなく気づいていた。


マトモではない人間ばかり、道を外れた者ばかり。二階堂けいも外れた人間だから気づいていた。


二階堂けいは店から汚油が流れる路上の地面に高級なコートで倒れこみ。去ろうとするミツメに叫ぶ。


「助けて 助けて 助けて 助けろ 助けろ 助けろよ、、、、、、」


それは奇声だった。喉から血が出るほどの奇声だった。


そして、奇声は途切れる。


振り返るミツメが見たものは汚染まみれの地面に寝そべり白目をむいて気絶する女の姿だった。


店からはスキンヘッドの店主があまりの大音量に様子を見に顔を出したが、ミツメと目を合わせ。


⦿自分の女の事ぐらい、自分でケツを持て⦿


と言わんばかりに目で語り、ドアを閉める。


ミツメはその女をそのまま捨てて行くほど強靭な心は持っていなかった。


汚れてしまった女を抱き抱え、女の高級車に乗せると、常備してあった、吸引式のメディカルナノマシンが入った、応急処置のためのキットを操作する。


メディカルキットは旅客機が緊急に出す様に、吸引器を天井から出し、精神安定剤や痛み止め、再生医療能力があるナノマシンなどを体内に取り込ませ、応急処置を行う。



間もなくして、二階堂けいは薬が効いたのか、正気を取り戻した。


「アオイ 今度は殺されてしまうは、、、、、」


二階堂けいは昔あった誘拐、監禁事件の事など話す事はなかったが、その異常なまでの思いはミツメにも伝わった。


しかし、ミツメはただの思い過ごしで、ただの家出ではないのかと確かめるが、胡蝶アオイに向う場所も帰る場所も無い事を二階堂けいは訴える。


そして、何かあった時のために、アオイにはGPSとメディカルチェック機能がある十字架型のネックレスをプレゼントして、常に付けらせている事も訴える。


「アオイは生きているし、私に何日も連絡しないなんて、ありえない。」


一心不乱に訴える。



ミツメはスッと高級車のドアを開け、外にでると歩きだそうとする。二階堂けいはすがる様にミツメの上着の裾を掴むと、


「丸腰では助けに行けないだろ。少しここて待ってろ。」


二階堂けいはそっと裾を放すとミツメは振り返らずに行ってしまった。



二階堂けいは不安と期待と信用と様々な思いを抱えて、実際は二十分もない長い時間を待って待って待つ。



待ちに待って待って待った男が戻ってくると、その手には時代錯誤の真っ黒い和傘が握られいた。



男と女を乗せた全自動の高級車のAiは取り込んだGPSの目的地に向かって走り出すのだった。














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