表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メビウスクエスト・エクストラ  作者: 如月 和
モンスターの進化はちょっと待って!
PR
78/80

78.名前で連想してみよう

 新種の昆虫を見つけるというのは、このゲームにおいてそこまで難しいものではなかった。何故か? そりゃ、全てが新種だからさ。


 よくよく考えれば、このゲームではモンスターについての情報は確認できるけど、昆虫や動物に関するもののリストだとか、そのような類は一切ない。

 だから、いつか見かけた蛍にしたって、それは紛れもない新種なのだ。


「で、アゲハ蝶やらダンゴムシやらを見つけて、総数今のところ三十種ね」

「モカさん、結構人使い荒いっすよね」

「だって、虫なんてガイアの得意分野みたいなものじゃないの? どうせ受粉とかでミツバチを使うようになるんだからさ、虫に慣れておいたほうがいいという、私なりの優しさです」

「それ、自分が苦手なだけっすよね?」


 そうですが、何か? 言葉には出さずとも、とびっきりの笑顔を見せておいた。


 閑話休題。私とガイアは、クエスト斡旋所のカフェで休憩を取っていた。


 新種の発見はプレイヤーごとに独立しているようで、すでに他人が見つけている、なんてことにはならなかった。

 報酬は魔法が使用可能になる巻物で、使用できる魔法のバリエーションは発見数に応じてアップしていく。交換できる巻物の数も。


「つまり、見つければ見つけるほど、戦士でもノーリスクで魔法を使用できるわけっすね」

「魔法を使うと楽になる森での戦闘に対する、救済措置みたいなものかな。で、残念ながら今のところ、私たちの仕事に対する進展はなし」


 発見数に応じて、街の中で拾えるテキストに変化はないだろうか。ガイアには並行して探してもらって見てはいるものの、どうにも成果が上がらない。


「正直な感想っすけど、せめて何かしらのヒントがないと動きようがないっすよ」

「判る。見たこともない料理を再現しよう、なんて言われても、料理名だけではどうしようもないからね」


 例えば、茶碗蒸しを作ってみよう。なんて言われても、茶碗を蒸した料理って何? と疑問に思うだけ。

 そこに卵が使われていることも、鶏肉やシイタケという具材があって、出汁で溶いた卵を注いで蒸した料理なんてことは、想像するのも難しい。


「新種、クワガタって見つかった? 虫捕りもしたって言っていたと思うけど」

「まだっす。虫捕りで捕まえたのは、本当に珍しいものばかり。青い蝶とか、赤いカマキリとか、黄色いトンボとか。カブトムシも見かけないっすねぇ。あ、カナブンはいました」

「ちっ。今さら気がついた。先ず、取っ掛かりはそこじゃない? クワガタムシが何処にいるのか」

「『アーマードオウクワガタン』は、その住処にいるかも知れない、ということっすか?」

「そうかもしれないし、違うかもしれない。けど、クワガタに関連することで、話が前に進むかもしれないでしょ?」


 街のテキストでも、クワガタに関する情報は今のところ出てきていない。先ずはそこを突いてみようか。


「すみません」

「はい、なんでしょう?」


 受付に並んで、ようやく順番。この街に辿り着く人も、なかなか増えてきた。


「この辺にクワガタっています?」

「クワガタ?」

「クワガタムシ」

「クワガタムシ?」


 この反応、このゲームの世界観には、クワガタムシがいないということ?


「ハサミのように伸びた顎で、獲物を挟む虫」

「あぁ、ガタンのことですね!」

「この反応、なんか急にロープレっぽいっすね」


 ガイアは楽しそうに笑っているけれど、正直、私は面倒くさくてたまらないわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ