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けだものオリバー
オリバーはどんな状況下でも発情していた。
ある日は、人間の女を、またある日は魔人の男を、精霊も、魔獣も、竜も獣も、ありとあらゆる種族を慰みものにし、気のむくままに弄んでいた。
1日に何度も行われるその非人道的な行いの餌食となる者は、何にも例え難い大きな傷を心に抱くしかなかった。
彼に出くわす事は死よりも辛く、羞恥心、自尊心、幸福や純潔を奪い、恐怖心、拒絶心、嫌悪やトラウマだけを植え付けた。
もう、どれだけの数の生物で快楽を貪ったかはわからないオリバーのそんな生活は長続きしなかった。
ある日、オリバーは自分の下半身に強烈な痛みに気がつくと泡を吐き倒れた。
鬼畜の諸行、その非情なオリバーの代償はこの世の生物なら抗う事ができない、死を招く病気により精算された。
その亡骸から抜けた魂は目指すように、とある神殿に辿り着いた。
勇者試験・開始編終了となります。ここまで読んで下さりありがとうございます。ブックマークや星5評価していただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。




