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overcast  作者: 街幸カルト
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書架の番人ダンタリアン

「まあいろいろ、一気に覚えるのは大変でしょう? この城の中は自由に行ってもいいわ。中庭とかにいってリフレッシュもいいわね」

「…」

「どうしたの? さあ」


リンノは言われるがままにその部屋を後にする。


まず言ったのは中庭だ。

…とても豪華だ。中央にはお茶会でも開くのだろうか、白いテーブルの周りに白い椅子が何個か置かれていた。

隅には薔薇が生えていた。色とりどりの薔薇が無造作に生えていた。…芝生は綺麗なのに。


次に図書室。最早図書館と言ってもいい程大きかった。

ちなみに図書館は別館にあり、中庭を挟んで建てられていた。

「…。不死の赤龍?」

『不死の赤龍』という本があり、それを手に取る。中身は不気味な絵が沢山載せられていた。

この世界の伝説か何かだろうか。ふと思う。


「ああ、そうだ」


「やっぱそうかー…。…!?」

勢い良く後ろを振り返る。後ろには鼠に酷似した兎と同じくらいの大きさの獣がいた。

「だ、誰だ?」

「鳳はダンタリアン。この書斎を管理している。それは…この世界ができて三千年後の話だ」

「こ、これが?」

「ああ。赤龍の名はドグルランマ。吸血鬼に奪われた政権を取り戻すために戦争を起こしたが…。その勇姿は塵に終わった」

「吸血鬼?」

「ロヘルト・マーシー。黒瑠と同じ種族だ」

…そういえば彼女は羽が生えていた。

そこにダンタリアンは口を挟む。

「何か知りたいことはあるか?」

「?」

「鳳の知ってる最低限のことなら教えられる。…とは言ってもそんな初っ端からあるわけがないか」

「その…鳳って?」

「一人称だ」

「黒瑠に妹とかは?」

「双子の妹、華鈴。その一人だけだ。よければこれから一緒に会いに行くか?」

「え? いいの?」

「鳳は華鈴の修行の相手を任されている。これからその修行の時間だからな」

相手?

そんな小さい身体で…できるの?

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