表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マリアの独り言  作者: 藤高 那須
第一章 始まりは産声から 幼少期編
28/40

帰ってきたメイド

今回短めです。

 メイドは常に完璧でなければならない。

 何事にも動じず、冷静に判断しなければならない。

 メイドは主人に仕える者であり、主人のいないメイドはメイドにあらず。

 そして主人の卑猥な命令を軽くあしらえるのもまたメイドとして必要な能力である。

 巷で言われている『モエモエキュン』はメイドではない。ただ露出の多い服を着た女性である。

 もう一度言う。メイドは完璧でなければならない。





†††††††††††




 パタン、と私は本を閉じました。

 私は昼食の後部屋に戻って『メイド』という題名の本を読みました。


「ルシファー、『モエモエキュン』ってなに?」

「燃えるんじゃねぇの?」

「へー」


 前とまったく変わらない日常に見えますが、ちょっぴり変化したことがあります。

 まず、私が寝る時起きる時は必ず家族の誰かが一緒にいるようになりました。一緒に寝るというのはわがままだと思うので、せめて目が開いている間は一緒にいて欲しいと頼みました。お爺様の順番になると、朝目を覚ますと頬っぺたにジョリジョリがあって嫌でしたけど……。

 食事も少しだけ一緒に食べられるようになりました。これには父さんが仕事に慣れてきたというのもあります。

 ほんのちょっとだけですけど、今の私にとってはとても満足でした。


 そして何故私がメイドの本を読んでいたのかというと、お母さんがとあるメイドを連れて来るしいからてです。しばらく行方が知れず、お母さんはずっと探していたようです。

 そのメイドの名前は『アンナ』。私が家出をしたその前の日に見つけたらしいです。


「マリア様~何の本を読んでるんですか~」

「メイドの本……だれ?」


 後ろから話しかけてきたのは、栗色でミディアムくらいの髪と、同じく栗色のタレ目をして、おっとりした雰囲気を持つメイドでした。


「あっ、私ですか? 私の名前は『アンナ』です。これからマリア様の専属メイドとして働きますので、どうぞよろしくお願いしますっ!」

「あはい」


 見ない顔だなーとは思ってましたが、彼女がアンナでしたか。


「……あっ」


 そう言えば一度見たことがあります。私が産まれた時にお母さん達と一緒にいたあの人です。

 前見た時より少し大人っぽくなったというか、なってないというか、ほとんど変わってません。


「アンナ! こんな所にいたの!」

「あ~クレアちゃん~」

「……ちゃん?」

「じゃなかった。クレア様~」


 お母さんを『ちゃん』で呼ぶとは、何者?


「マリア、この人は『アンナ』。私の友達。そして貴女が産まれた時にも彼女は一緒にいたのよ」

「そうなんです~。マリア様はほんともうかわいくて~」

「はいはい。それで今日からマリアの身の周りの世話はアンナがすることになるから。わかった?」

「はい」

「……ごめんねマリア。今まで貴女をずっと放っておいて。でも用事はもう済んだから、これからはずぅっと一緒にいられるわよ」

「ほんと?」

「ええ」

「やったぁ!」


 もうジョリジョリはいや!





 アンナの仕事はさっきも言われた通り私の身の周りの世話です。食事お風呂着替えなど、様々な世話をします。ではアンナのそれ以外、例えば私が本を読んでいる時はどうするのか。


「マリア様、何を読んでるんですか?」

「……魔法の本」


 私の側でじっと……ではなく、私に話しかけてきます。別に迷惑ではないのですが、本は読ませて欲しいです。


「そうだわマリア。魔法を覚えたいって言ってたわよね? 実はアンナは魔法を教えるのが得意なのよ。これからはアンナに魔法を教えてもらいなさい」


 私を膝の上に乗せているお母さんがそう言いました。アンナは魔法が得意なんですね。


「そうなんです! 得意なんです! それじゃあ今から特訓しましょうマリア様!」

「えっ?」

「ちょっとアンナ!」


 有無を言わさず腕を引っ張られアンナに連れて行かれました。


「た、大変! 誰か! すぐにアンナを止めて!」


 お母さんは顔を青くしながら言いました。




†††††††††††




「さ、マリア様、今から魔法の特訓をしましょっ!」

「うん……」

「マリア様に魔法を教えることができて、私とっても嬉しいです!」

「うん。でもアンナ」

「はい?」

「ここはどこ?」


 アンナに連れて行かれてから数分後、私達は暗い森の中にいました。

 それほど時間が経ってないのに、どうやってこんな所にたどり着けたんでしょう。


「えーっと」

「……」

「わかりません」

「……」





††††††††††




「あなた! お義父様!」

「どうしたのクレア?」

「マリアが、マリアがアンナと一緒にどこかに行っちゃった!」

「な、なんだって!?」

「ど、どうしたんじゃ二人共」

「お義父様。アンナは……」







「……数歩歩いただけでどこかもわからない場所に行ってしまう、天性の迷子気質なのよ」

さてさてまた一波乱起きました。迷子と言うよりランダムで瞬間移動してる感じのアンナちゃん。それに巻き込まれてしまったマリアは一体どうなるのか! 幼少期編最後の物語が始まります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ