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変態ってなんだろう? ←これ地味に深くて重い命題

ノクターンと違ってなかなか評価が得れないけど、まあ、うん、頑張る。

「捕まえました。私の御主人様ぁ」

「ふぇ?」

 え?どういう展開?とにかく逃げたいとその時私は思った。ただ左手を掴む箱から伸びる腕はその細さに似合わずかなりの力を誇っていた。いや、単に私の力が弱いってのもあるけどこれはそれを抜きにしても強い。もしかして中にいるのおっぱいが生えたゴリラなんじゃないの?

「あのー」

箱から再度声がした。よく聞いてみると結構いい声してるなぁ。

「は、はい。なんでしょうか?」

 聞いてみたものもろくな返答が期待できない。あれですか?おっぱい触ったからお金取られるんですかね?しまった、この箱が最先端の風俗店という可能性を考えてなかった。それともおっぱい触ったから怒られるの?いや、出してる方が悪いけど確かに触るのは非常識なのかな?いや、でも押して下さいって書いてあるし。おっぱい触っただけでこんなにも憂慮すべき事態が生まれてしまうのか。今度からおっぱい触るときは気をつけよ。そんな機会同性といえどめったにないだろうけど。

「助けて下さい」

「ふぇ?」

 予想外の言葉に私はしばらくフリーズしてしまった。もしかして、誰かに無理やりこの箱に詰められたとか?えっ?どういうこと?何か私がおっぱいを押したことで不都合が発生したのでしょうか?ていうか、何を助けたらいいのでしょうか?可能なら助けることもやぶさかでないですけど、もし貧困に苦しむ子供たちを助けて下さいとかだったらどうしようもないし。いや、流れ的にないと思いますけど。

「これ、自力じゃ出れないんです?」

 ふぇ…?今度はある程度覚悟していたので変な声は出さずにすみました。まあ、脳内では普通に出ちゃってますけど。

「あのー、いくつか質問いいですか?」

助けるも助けないも先にこの状況を理解することが優先です。事と次第によってはやっぱり逃げないとですし。

「あっはい、どうぞ。あと、敬語はいりませんよ?」

「そうですか。なら、そうさせてもらうね。じゃなくて、なんで箱の中にいるの?しかも、おっぱいだけ出して。自分の意志?」

「うーん、自分の意志かと言われたら、まぁそうですね」

やっぱりただの変態か。ただので形容していいレベルかはさておき。

「出られないって言ったけど入るときはどうしたの?」

見たところ特に開閉しそうなところはない。

「母上に頼んで」

「おかんに何させてんの⁉」

もし私が将来娘にそれを頼まれたら多分泣くよ?いや、知らんけど。

「でも、これは我が家に代々伝わる伝統でして」

「そんな伝統滅んでしまえ」

何?一族もろともキ○ガイなの?

「私も変だとは思いますよ。でも、一族の伝統ですから仕方なく」

あれ?もしかして一族の伝統に縛られてやりたくないことをやらされてる可愛そうな人?

「けど、これがこんなにも快感だなんて……ぐへへへ」

訂正、ただの変態だ。いや、もう一度訂正、ただのド変態だ。うん、これはあまり関わり合いにならない方がいいタイプだね。早々に用件だけ済ませて逃げよう。

「で、どうしたらそこから出せるの?この箱ぶち破ればいいの?やるよ?」

「待って下さい。今私、全裸ですよ?下着もないマジの全裸ですよ?捕まりますよ?」

「じゃあ、どうしたらいいのさ?」

こんな時間じゃあこの周辺には服が買えるような店はない。因みに、私の家に行き服を貸すという選択肢ははじめから除外されている。なんか生理的に無理。

「そこの茂みにダンボールがあるので持ってきてくれません?」

箱から出ている右手で示された方角に行ってみると確かに四角い多面体状態のダンボールが一つあった。この中に服とか入れてるのだろうか?

「持ってきたよ。どこに置けばいい?」

「そこに置いてください。あとは、この箱の上にボタンがあるので押すとこの箱が開きます。あっ、さっき言ったとおり全裸ですけど思いっきり視姦してかまいませんから」

「いや、しないから。ていうか、今もおっぱい見えてるし今更?」

ダンボールを箱の前に置き、背伸びをして箱の上を覗き込む。確かにそれらしいボタンがあった。箱を見つけてすぐにこのボタンを見つけてたら間違いなく乳首じゃなくてこっちを押してたなぁ。どっちが正解かはわからないけど。

「じゃあ、押すよ」

ボタンを押すと急いで視界を明後日の方向に変える。別に同性だし特に意識もしないけど、ああ言われたらなんかすごく見たくない。なんとなく耳と鼻も少し塞いどく。

「はーい、終わりました」

その声が聞こえるまで数分かかった。終わったと言いつつまだ全裸という可能性は排除できないが、まあ見たら見たで同性ですから。振り向くと側面が開いた箱があるだけで人影はなかった。

「あれ?どこに」

「ここですよ」

下の方から声が聞こえたので視線を下に下ろすとダンボールがあった。何故か蓋の部分が精緻なまでに人の背中に似ている。うん、これもしかしてダンボールの中に体を丸めて入ってる?

「いや、さっきと何が変わった?」

「視姦される部位が胸から背中に代わりましたね。背中を視姦とはマニアックですね。ん?それともうなじ?あっ、無言で蓋を閉めないで下さい。そのつもりだったからいいんですけども」

「どういうつもり?」

「あっ、これは私の親戚の家に伝わる伝統的な儀式でして」

「もう伝統とともにお前らの一族が滅んでしまえ」

私、久しぶりに会話でここまで疲れた。

「落ち着いて下さい。これ、すごい利があるんですよ」

「何?私が今ならあなたを蹴り放題とか?」

「惜しい。それを蹴り放題も是非やって欲しいところですが、もっとすごいのがあるんですよ。このダンボール、持つ用の穴が側面にあるじゃないですか。なんとその穴から私の穴を弄くれます」

「そうか、木の棒とか刺しとくわ」

「やったー」

私、変態って最強なんじゃないかと思えてきた。

「あとは完全にダンボールに擬態してるのでこの状態で移動すれば捕まらずにすみます」

「その状態でどうやって移動するつもり?」

「タクシーでも呼んで下さい。お金は当然私が出すので。なんなら、お小遣いもあげちゃいます」

「まあ、それくらいならしますよ。そのお小遣いは要相談ですが」

「そして私の家で今後のことを話し合いましょう、御主人」

「ごめん。コンビニから宅配便で送っていい?」

「どう…やめて下さい」

今一瞬どうぞって言おうとしたよね?もうヤダ、こいつ。

「ところでさっきの御主人って?」

タクシーを手配してから、疑問を解消しておく。ていうか、かなり大切なことな気がする。

「御主人は御主人様ですよ?」

「ごめん。私にテレパシーとか求めてるなら無理だよ。もうちょっとしっかり言葉を交わそ?ねえ、御主人様ってなんのこと?」

「あっ、まだ名乗ってませんでしたね」

「私、わかったよ。あなたが話してる言語って日本語に聞こえるけど実は火星系の言語なんでしょ?」

「私は箱髪(はこがみ)陽菜野乃空之々牝(ひなののそらののめ)。言いやすいように雌豚でいいですよ?箱髪高校の2年生です。名前からわかったかもしれませんが、母上が高校の理事長をしてます」

名前、長!そして、私も箱髪高校の2年生だから同い年で同級生?こんな子、いたっけ?そういや、そもそもまだ顔を見てないな。とりあえず同窓生の恥だということはわかる。

「えっ?理事長って確か高校経営以外にも数々のビジネスを抱える大金持ちじゃん。てことは、お嬢様?それが何やってるの?」

そういや理事長はかなり美人だし、これも美人なのかな?あの凶悪な胸があって尚且金持ちで美人とか神は二物どころか三物も与えるのか。いや、だから性格の残念さで調整されてるのかな?

「母上を知ってるのですか?もしかして、御主人も」

「うん、箱髪高校の2年生の三澤燔照子。できれば御主人じゃなくて三澤か燔照子のどっちかで呼んで」

「じゃあ、できないので御主人で」

「ごめん。言い方間違えた。三澤って呼んで、箱髪」

「箱髪呼びは学校名と混ざるのでやめて下さい。どうか雌豚って呼んで下さい、御主人」

「どうやら私の言うことは全面無視のスタンスみたいだね、陽菜野乃空之々牝」

「私の名前をフルネームで言ってくれる人少ないので嬉しいですけど、ぶっちゃけ疲れません?」

「正直」

のが多いから途中で何度も噛みそうになるし、絶対に名付け親はセンスない。そんな名前だからこんなんになっちゃたんじゃない?

「雌豚がだめならせめて、陽乃牝か腐れま○ことお呼び下さい。みんなからはそう呼ばれています」

「絶対それ、いじめられてるよ」

「いえ、私が頼んだのです」

「あっそう。ところであなたの家どこ?ここから近いの?」

「タクシーで箱髪邸って言えば通じますよ」

「………」

金持ちの規模が想像を絶していて絶句するしかなかった。私はこのとき一つのことわざを思い出した。

「ブタに真珠か」


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