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ざいあくひげき  作者: Balance
大和幕府編
131/220

68話 月が綺麗ですね

二人は石畳の道をゆっくりと歩いて戻り、彼らの履物が静かで規則的なカチカチという音を響かせた。


家族用棟に入ると、家令が彼らの後ろで重い扉を閉めるために待機していた。彼は眠っている二人の赤ん坊を見て、親たちに小さく満足そうに頷いた。「素晴らしい初めての外出でございましたな、我が主、我が奥方様。若君も姫君も、大変満ち足りたご様子でございます」


「ありがとう」ラッキーは温かく言った。「色々と、感謝しているよ」


二人は双子を育児室へと連れ戻し、注意深く大きな木製のベビーベッドの中に寝かせた。二人の赤ん坊はすぐに互いに寄り添い、真ん中で小さな手を触れ合わせながら、安全で温かい場所で眠りについた。


ジャンヌはベビーベッドにもたれかかり、彼らの呼吸を見つめていた。ラッキーは彼女の後ろに一歩寄り添い、彼女の腰に腕を回してしっかりと抱きしめた。


実験室や廃墟からの長い旅路は、完全に終わりを迎えたのだ。新しく、美しい物語が今始まろうとしており、彼らはそのすべてのページをめくる準備ができていた。


日々は瞬く間に数週間へと変わり、ジャンヌの腰の小さな痛みは完全に消失した。彼女は何の支障もなく走り、跳び、赤ん坊たちを持ち上げることができた。彼女の本来の強さが戻り、育児室は常に笑い声と幸せな音で満ちていた。


ある日の夕方、日が沈んだ後の部屋はとても静かだった。ヨーカとヒノラはベビーベッドの中で並んで休み、一日中たくさん遊んだ後で深く眠っていた。


ジャンヌとラッキーは窓辺に立ち、王都の上に広がる美しい星空を見つめていた。街は完全に静まり返り、冷涼な夜風が心地よく感じられた。


ラッキーは手を伸ばしてジャンヌの手を取り、優しく包み込んだ。「あの子たち、本当に成長が早いね、ジャンヌ。すぐに庭園を走り回るようになるよ」


ジャンヌは微笑み、月光の中でそのピンク色の瞳を輝かせた。「走らせてあげましょう。もし転んでも、私たちがすぐそこにいて受け止めてあげるわ」


彼女はラッキーの肩に頭をもたせかけ、完全な安心感に浸った。もう戦うべき敵もおらず、恐れるべき暗い場所もなく、明日への憂いもなかった。彼らには美しい家があり、平和な世界があり、そして愛によって結ばれた家族があった。


ラッキーは彼女の手を強く握りしめ、外の星々からベビーベッドで眠る赤ん坊たちへと視線を戻した。「僕たちは本当に、欲しかったものすべてを手に入れたんだね」


「ええ、そうよ」ジャンヌは幸せそうに囁き、目を閉じた。「本当にね」


部屋は非常に静かで、ベビーベッドで眠る二人の赤ん坊の柔らかく規則的な呼吸音だけが満ちていた。淡い月光が窓から差し込み、木の床に銀色の輝きを投げかけていた。


ラッキーは夜空に浮かぶ輝く真ん丸い月を見つめ、それからジャンヌに目を向けた。彼女のピンク色の瞳はその柔らかな光を反射しており、彼女は完全に平穏な表情を浮かべていた。


彼は彼女の肩に自分の肩を押し当て、彼女の手をもう少し強く握りしめた。彼は深く静かに息を吸い、二人が心の中で大切にしてきた神聖な言葉を口にした。


「**月が綺麗ですね**」ラッキーは囁いた。その声には、深く終わりのない愛が満ちていた。


ジャンヌは一瞬身体を硬くし、暗闇の中でその白いウサギの耳を柔らかくピクピクと動かした。そして、美しく光り輝くような微笑みが彼女の顔に広がり、その瞳は幸せな涙で潤んだ。彼女は、彼らの間でその言葉が何を意味するのかを正確に理解していた。それは、「愛している」、そして「あなたと一緒に生きていられて本当に嬉しい」と伝える、彼らだけの秘密の方法だった。


彼女は頭を巡らせ、自分の額が彼の額に優しく触れるまで身を寄せた。


「ええ」ジャンヌも囁き返した。その声は静かな部屋の中で軽やかで音楽的だった。「**本当に綺麗ですね**」


ラッキーは微笑み、彼女の腰に腕を回して引き寄せた。二人は長い間、窓辺に並んで立ち、銀色の光が平和な王都を包み込むのを見つめていた。彼らの長い旅路が、ついに完璧な形で満たされたことを知りながら。


それから数ヶ月があっという間に過ぎ去り、育児室はとても賑やかで幸せな場所になっていた。ヨーカとヒノラは毎日目に見えて大きくなっていった。二人はもはや、ただ眠ってミルクを飲むだけの存在ではなかった。真っ直ぐに座り、柔らかい畳の上を寝返りで転がり回り、口で小さく可愛い破裂音を鳴らすことができるようになっていた。


ある晴れた朝、ラッキーは床にヨーカと一緒に座り、彼自身が作った小さな木製のおもちゃの車を見せていた。ジャンヌはすぐ近くの絨毯の上に座り、ヒノラが小さな膝でバランスを取るのを手伝っていた。


ヨーカはおもちゃを見るのをやめた。彼女の大きな銀色の瞳が、ラッキーの顔をじっと捉えた。彼女は小さな頬をぷっと膨らませ、パチパチと瞬きをしてから、澄んだ大きな声を上げた。


「**パパ!**」ヨーカは嬉しそうに声を弾ませ、小さな両手をパチパチと叩いた。


ラッキーは完全にフリーズした。呆然と口を開け、手から木製のおもちゃが滑り落ちた。彼は、まるでヨーカが世界で最も偉大な魔法を披露したかのような目で彼女を見つめた。「ジャンヌ……今の聞こえた? あどけない声で言ったよ! パパって言ったんだ!」


ジャンヌは息を呑み、顔いっぱいに大きな笑みを浮かべた。「聞こえたわ! なんてこと、ヨーカ!」


その興奮した様子を見て、ヒノラも負けてはいられなかった。彼は膝の上で体を前後に揺らし、ふくふくとした小さな指でジャンヌを真っ直ぐに指さすと、嬉しそうな叫び声を上げた。


「**ママ!**」ヒノラは吠えるように叫んだ。彼の小さな虎のようなエネルギーが爆発したようだった。「ママ、ママ!」


ジャンヌは即座に歓声を上げ、ヒノラをごっそりと抱き上げて大きなハグをし、彼の頬に何度も何度もキスを浴びせた。「そうよ! 私があなたのママよ! なんてお利口な子なのかしら!」


ラッキーはヨーカを抱き上げ、彼女がキャッキャと笑いながら足をバタバタさせる中、高く抱き上げた。彼は彼女を自分の胸に引き寄せ、その目は嬉し涙で濡れていた。


「パパとママ」ラッキーは囁き、純粋な驚きに満ちた顔でジャンヌを見やった。「あの子たち、本当に僕たちが誰だか分かっているんだね」


ジャンヌはラッキーの横に寄り添い、ヒノラをしっかりと抱きしめた。二人の赤ん坊は嬉しそうに喃語を話し、新しく覚えたお気に入りの言葉を何度も何度も繰り返した。静かな宮殿の部屋の中で、四人の家族は一緒に笑い合い、その心は完全に満たされていた。


その日を境に、育児室は毎日、赤ん坊たちの愛らしいおしゃべりで満たされるようになった。ヨーカとヒノラは自分たちが覚えた新しい言葉がすっかり気に入ったようだった。ラッキーが部屋に入ってくるたびに、ヨーカは小さな指をさして「パパ!パパ!」と叫んだ。そして、ジャンヌが温かい食事の入ったお椀を運んでくるたびに、ヒノラは足の指をパタパタと動かして「ママ!ママ!」と歓声を上げた。


数週間は瞬く間に過ぎ、赤ん坊たちは新しいことに挑戦し始めた。もう絨毯の上にただ座っているだけではない。二人はハイハイを覚えたのだ!


ヒノラのハイハイはまるで小さなロケットのようだった。手と膝が動く限りの速さで柔らかい畳の上をバタバタと進み、木製の扉へと真っ直ぐ突き進んだ。ヨーカはずっと静かだった。彼女はゆっくりとハイハイし、途中で立ち止まっては、色彩豊かな絵本や、ラッキーが低い机の上に置き忘れたピカピカ光る歯車をじっと見つめていた。


ある日の午後、ラッキーとジャンヌは大きな部屋の両端にそれぞれ座っていた。


「おいで、ヒノラ! パパのところへおいで!」ラッキーは両腕を大きく広げて呼びかけた。


ヒノラはキャッキャと声を上げて笑い、小さな白い虎の耳を興奮でピクピクと動かした。彼は床を突っ走り、両手で畳をトントンと柔らかく叩きながら進んだ。しかし部屋の真ん中あたりで、ヨーカがピカピカ光る真鍮のスプーンに向かってハイハイしているのを見つけた。ヒノラは気が変わり、くるりと向きを変えると、お姉ちゃんの肩に自分の頭をそっとコツンとぶつけた。


「ママ、パパ」ヨーカは喃語を呟き、向き直って弟を抱きしめた。


ジャンヌは静かに笑い、二人の元へ歩み寄って自分の膝の上にまとめて抱き上げた。彼女はラッキーを見上げ、そのピンク色の瞳を明るく幸せそうに輝かせた。「小さなチームになってきたわね、ラッキー。そのうち、私達じゃあの子たちに追いつけなくなっちゃうわよ」


ラッキーは歩み寄って二人の隣に腰を下ろし、家族全員を包み込むように腕を回した。彼はジャンヌの胸にぴったりと寄り添う、健康で幸せそうな二人の赤ん坊を見つめた。


「足が速くたっていいさ」ラッキーは穏やかな微笑みを浮かべて言った。「僕たちがいつだって、すぐ後ろにいてあげるからね」

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