「捜し物はユナですか?」⑤
「……っ!!先輩……俺、聞いたことあります……!テケテケには追い返す為の呪文があるみたいなんです。」
思い出したか、しどろもどろに話し始める運転手。
「おう!それはなんだ!?」
「わ、忘れちゃいましたぁ!(泣)」
「肝心な時に役に立たねぇな!てめぇ!!」
護朗がスマホを取り出し、急いで検索する。
「僕が調べます!」
「ナイスだ!ジョーカー!」
「あっ!見つかりました!」
「でかした!それでその呪文とはなんだ!?」
『テケテケ』『呪文』で検索していた護朗が答える。
「“地獄に帰れ”……だそうです……。」
「…………」
「…………」
「……で、それを誰が言うんだ?」
護朗とおじさんは運転手の方を見る。
「俺は嫌ですよ!?ただでさえめちゃくちゃ怖いのにテケテケ本人にそんな暴言吐けるわけないじゃないですかぁー!失敗したら殺されますよぉー!」
「だらしねえ奴だ!俺が行く!」
おじさんが窓を開け、100キロ近いスピードにも関わらず追いついてきたテケテケの五核使いに叫んだ。
「地獄に帰れ!!!このストーカー女!!!」
ふと横凪の風が吹き抜ける……その瞬間、おじさんの頬から血が流れた。サーッと血の気が引くのを感じた。
「地獄に帰れ……?あなたこそ今すぐ地獄に落としてあげましょうか?次、口を開けてみなさい。その舌、切り落とすわよ。」
「ぎゃあああああああああああぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!」
急いで窓を閉め、護朗に抱きつくおじさん。
「無理無理無理無理!!殺される……殺されるぅー!」
「ジョーカーの坊ちゃん!他に方法はないんですか!?(泣)」
「ちょっと待って!ええっと……これでもないあれでもない!」
プツッ!
「あ」
スマホの充電が切れた。礼音がいる間、充電忘れていた上にユナを探している時に度々使用していた為か、バッテリーが既に尽きかけていたのだ。
「「もうダメだぁーー!!」」
おじさん2人は号泣していた。まだだ……何か方法があるはずだ……。
「ふにゃあ〜〜〜……」
おじさんの汚い泣き声がうるさかったのか、アキは目を覚ました。今のところ、護朗が使えるスキルはアキの召喚のみ、白亜戦のようなスキル習得の兆候は何一つ感じない。……それならば……。
寝起きの毛繕いをするマイペースなアキを見つめ、護朗は決心した。
「こうなったら……僕達で戦うしかない……っ!」
「にゃあ?」




