「捜し物はユナですか?」④
「せ、先輩っ!!!」
悪い顔で護朗を追い詰めたおじさんだったが、運転手の情けない声を聞いて緊張感を崩す。
「何だよ!今、取り込み中だ!」
「ま、窓を見てくだせぇ!!」
「窓だぁ?」
窓を見ると暗闇の中に光る2つの目がハイエースと同じスピードで走っていた。
「ひっ!?スピードを上げろ!!今すぐ!」
「はいぃ!!!」
アクセル全開でハイエースを飛ばす。おじさん2人はすっかり震えていた。
「いったいどうなってやがる……なんで俺達の車を追いかけてきたんだ……?」
「ま、まさか……テケテケですかね……?」
「馬鹿言え!テケテケなんか都市伝説だろうが!!」
「でもぉ!都市伝説と言われていたジョーカークラスが本当に現れたんですよォ!?テケテケだって存在してもおかしくないじゃないですかぁー!」
「俺は信じねぇぞ!!そんなオカルトなんて……」
「もしかして……五核使い……?」
「え?」「はぁ?」
ふとそう呟いた護朗に2人は反応する。
「五核使いであれば……例えばビーストクラスか身体能力を向上させるスキルのクラスであれば車に追いつくことなんて可能です。」
「つまりあれは……」
「テケテケの……五核使い……?」
-テケテケ-
下半身のない女性の幽霊。都市伝説の一種であり、列車に轢かれて死亡した女子高生が事故の時に切断してしまった自らの下半身を探し彷徨うと言われている。
この話を聞いた者の前に3日以内に現れる。そして時速150キロもあるスピードで人間を追いかけては殺戮を繰り返す恐ろしい幽霊であり、彼女の走る際に「てけてけ」という音が鳴るのが名前の由来である。
「もし、都市伝説通りなら……」
「俺達は……殺される……?」
「「ウワァァァァァァァーーー!!!!!」」
いい歳した大人2人が抱き合って泣く。
「ちょっ!?ハンドルちゃんと握ってください!追いつかれますよ!!」
「うわぁ!?嫌だァー!」
護朗の声で正気に戻った運転手の男はハンドルを掴み直し、走れるだけのスピードで走る。
「どうする!?」
「どうするって言われたって……お前、ジョーカーだろ?!何とかしろよ!!!」
「僕は何も出来ませんよ!せいぜい猫を召喚するので精一杯です!!」
こんなドタバタした状況にも関わらず、ぐっすり眠っているアキを見せつける。
「おっ、可愛い猫だな…………じゃねぇよ!!いくら生前、女子高生だったとは言え、テケテケに猫が効くかっ!!テケテケが猫カフェに行くか?!えぇっ?!!」
「ごもっともだよ!」




