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「捜し物はユナですか?」③

「はぁ……ダメだ……。見つからない……。」


護朗は公園のベンチに座り込む。暖かい4月の気候だが、夜も更けると肌寒さを感じた。

そこに黒いハイエースが止まり、四十代ぐらいの男二人が降りてくる。


「ねぇ、そこの君!人を探しているのだろう?」

「え?!どうしてそれを!?」


自分の行動を言い当たられて思わず立ち上がる。


「……そりゃあ、あんだけ大きな声で探していたら……」


「え?」


「あぁ、いや!何でもないさ!それより、僕達は君の探している子と知り合いなんだよ〜」


「本当ですか!?ユナさんの知り合い……!」


「そうそう!だが今、そのユナ……?って子は動けないみたいなんだ。一緒に来てくれないか?」


「分かりました!」


護朗は何の疑いもなくハイエースに誘われるがままに乗る。


「ホントに助かりました!僕、ユナさんの家族事情、全然知らなくて……日本にも親戚の方が居たんですね」


「はははっ!まあ、その子はあんまり自分のことを話そうとしないからな!遠慮せずにおじさん達を頼りたまえ!」


車が発進する。護朗は安心した。これでようやくユナと出会えると……しかし、同時に不安がわいてきた。あのユナが動けないとはどういうことなのか……もしや白亜との傷が原因とか……?もしくは僕を狙う輩に襲われたとか……いずれにせよ、心配で心配でたまらなかった。




「そんな顔をしないでくれたまえ!君はジョーカーなのだろう?君みたいな才能の塊がそんな顔してちゃ勿体無い!」


「そうそう!何たって、君はあのビーストクラスの代表を討ち取ったのだろう!転校初日なのに大快挙じゃないか!」


「…………え?」


違う。

大地 白亜を倒したのは全てユナのおかげだ。

自分は何も役に立たなかった。いや、むしろ大地 白亜との戦いの要因は自分がビーストクラスの事情に首を突っ込んだからだ。そのせいでユナは怪我を……。

それだけじゃない。ウィッチクラスは露骨に自分を見下すようになり、サムライクラスは尊敬の眼差しから情けをかけるような目で見てくる。全ては自分の無力さが原因だ。


「その中継を見てなかったんだけどね、耳にしたんだよ。ジョーカーの試合でビーストクラス代表が敗れたって。」


「違います……」


「ん?」


「ビーストクラス代表の大地白亜を倒したのは僕じゃありません。」


「はぁ!?何を言ってるんだい!?じゃあ、我々は何のために君を誘拐し……」

「バカっ!余計なことを言うな!」


「誘……拐…………?」


ここでようやく、ユナの言葉を思い出す。


『ジョーカーのことを聞いた組織や企業が学校外からあなたを勧誘する……場合によっては今では貴重なジョーカークラスの観察対象として一生モルモットにする悪質な組織もあるかもしれないのよ…。』


完全に彼らを信用していた。いや、信用し過ぎてた。知らない人について行っちゃダメなんて小さな子どもですら分かっているようなことを自分はできなかったのだ。



「バレちゃしょうがないな……ビーストクラス代表を倒したのがお前じゃないにせよ、俺達の会社にはジョーカーが必要だ。大人しくついてくるんだ…!」

「くっ……!」

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