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捜索

もう直ぐ最終話です。

 

「マックとバランは師団長全員をあたりなさい。緊急事態宣言と警告よ。場所はヤハーナから聞きなさい。」


 深く帽子をかぶった男と、大きな巻きタバコを加えている人が頷き、ヤハーナの元へと歩みを寄せた。


「次にマリーとペル。東口から200mほどの場所にある教会、わかる?あそこに偵察お願い。」


 少し露出度の高い服装に身を任せた女性と、さらっとした長身の男性が頷き、その場を瞬時に去った。

 それと同時に、村に一気に明かりが灯る。

 もうマックさんとバランさんが師団長を当たったのか。


「ルナ、ココ、サララバ、パンシャー。私と一緒に来て。標的はピリー家一家と第五師団の反逆者よ。恐らくピリー家の無駄な使用人達もひっついていると思うわ。」


「生かしておきますか?」


「ほぼ殺す。」


 小さく手を挙げて質問したサララバ(多分)さんに即答する。どうでもいいが、ほぼ殺すってどういう意味なのだろうか。


「起きろお前らァ!久々の裏切りだ!!」

「よっしゃあ!暴れるゼェ!」

「相手はどこの誰だ!?」

「ケリー家らしいぜ!」

「あのデブがァ!」


 うわァ、盗賊だ……


「テルマッド、あなたも来る?」


 な!?絶対にヤハーナさんの横で待って置くように指示されると思ったが、母から出た言葉はわりかし予想外のものだった。


「………」


「無理しなくていいのよ?ちなみに他の師団長らが集まり始めたら逃げられる前に出発するわ。」


 俺が、俺がロザリーに頼らず、しっかりと報告していればっ……こんなことにはならなかったはずだ。

 ましてや、俺が狙われていたという計画を知った俺はケリー家を止めなければいけないのかもしれない。



「かあさん、俺行くよ!」


 俺の意思のこもった言葉に一瞬困ったように苦笑し、帰って来たマックさんから剣を受け取った母さんは嬉しそうに頷いた。



 ☆☆☆☆



俺と母アンジュが村の東口につくと、既に第二師団を除く四師団が集結していた。

確か、第三師団と第六師団。今日の警備に当たっている第十師団と第九師団だ。


第三師団は師団長であるバッガスさんの姿はない。多分ロザリーが帰ってこなかった時点で、いつでも動けるようにと指示していたのだろう。

第六師団はエルさんという神聖魔法を操る人だ。

神聖魔法とは神を一心に信仰した者のみに授けられる魔法で、治療魔法がそうだとされる。


神聖魔法の使えないアンジュとヤハーナさんはなぜ上位の治療魔法を使えたのだろう。

あれも魔眼の効果なのか。


「いやはや、おくれてすまんのぅ」


俺たちがつくと、あとから聞き覚えのある声が聞こえて来た。

心地よい音のする杖を石畳の地面につけてゆっくりと歩く、剣士バラガ先生だ。

その後ろについているのは彼が率いる第四師団だろう。それぞれ皆長剣を携えている。


まるで闘技場の時とは雰囲気が大違いだ。

楽しく祭りのようにはしゃぐ彼らではない。皆いつも以上に真剣な表情だ。こんな彼らを見るのは過去の村襲撃の時ぐらいだ。


「他の隊はまだなのね。とりあえずリハンには先に私たちが行くように伝えてあるわ。」


「では、行くとしましょうか。」


第六師団のエルさんがみんなに声をかける。

確か神聖魔法は治療魔法だけでなく、聖なる力で対象を攻撃することも可能らしい。

第六師団の人たちはみんな黒い服を頭からズッポリ被っている。イメージとしてはシスターの服装を真っ黒に染めたような感じ。


「ピリー家の犬どもを殲滅してあげましょう。」


ねえ、どうみても第六師団が秘密結社にしか見えないんだけど。

こら、杖を振り回さない!


「じゃあ、いくわよ。散りなさい。」


アンジュをかけ声に、東出口からそのまま直線に進む。それぞれの師団によって進み方は様々だ。アンジュのように茂る森に、


体を隠しながらいく師団もあれば、エルさんのように神官が固まって移動しているところもある。

真っ暗な道を何人かの師団員たちが『発光』で照らし出す。

森は鬱蒼としていて、正直怖いです。


「師団長、見えてきました。」


先に斥候に行っていたマリーさんとペルさんが戻ってくる。

彼らは淡々と的な情報を伝え、村へと戻って行った。


「ねえ、どうして村に帰ったの?」


今は一人の戦力でも欲しいはずだが……。


「後続の人たちに情報を伝えるためよ。さ、とりあえずここで作戦を立てましょう。」


各師団長と、副師団長がアンジュのもとに集まった。

ちなみにヤハーナさんはお留守番らしい。といってもケリー家からガラ空きの村を攻められないための防衛陣だ。


「見張りは表2人に、裏が3人。巡回が5人よ。中の人数は不明。まず九師団と十師団は表を全力で攻めること。いい?死んじゃダメよ?」


そして、四師団は九師団と十師団が開けた扉から侵入し、ケリー家を捕獲、または暗殺。

九師団はその後協会の周りを包囲して、取り逃がしを始末。十師団は四師団が突入後すぐ彼らについて、敵を殲滅。


我々第二師団と第六師団は裏口を強襲。

その後第六師団は二手に分かれ、半分は外でケガ人の治療。残りは裏口からの強襲を助太刀する。


「中でケリー家の人間を見つけると真っ先に対処なさい。できれば捕縛の方が嬉しいけれど、あなた達の命には変えられないわ。」


みな、速攻で作った作戦とは思えないものを当たり前のように受け止め、速攻で行動に移る。

ここの師団員はどうやら普通の盗賊とは違うと、やはり認識を改めた方がいい。

賊というよりかは……兵士といった方が適切か。


「合図は赤岩で。盛大にやっちゃいなさい。」


赤岩とは見た目からまんま赤色の石で、2つの赤岩同士を打ちあわせると加熱反応が起こり、約5秒後に岩が炸裂する。それを空に投げて、合図がわりにするらしい。裏口にいるアンジュが投げるので、的に位置がバレてしまう可能性が高い。

その点を考えて、教会裏口から表口までぶん投げるらしい。


どんな腕力だ。


「よし、じゃあ任務開始!散りなさい!」


他の師団長らが一瞬で姿を消し、師団員を連れて、教会の表入り口のすぐ近くの茂みに隠したのがこちら側から見えた。

それをみたアンジュがすぐさま指示を飛ばす。


「私たちは出会った巡回と見張りを始末して裏口から潜入。いくわよ。」


全員が無言でそれに答え、俺を自然と守るかのような陣を組み始める。

安心感がすごい……すごいんだが、ちょっと気迫の方がすごい。


教会の裏口から潜入するため、壁伝いに裏口を目指す。

少しいくと、向こう側から誰かが歩いてきた。


「むぐっ!」


第二師団員の一人が瞬時に後ろに回り込み無力化する。格好がケリー家の率いる第五師団のマークが入っており、相当な手練れのはずであった。

しかし、一瞬で無力化される。やはり、副団長率いる部隊はどこか別格だ。


彼を縄でぐるぐるに結び、アンジュが深く帽子をかぶったマックさんという男性に引き渡す。

師団長らに事の伝達を行なった一人だ。

引き渡される際、恐怖で顔が震えていたので、気になってアンジュに聞いてみると。


「ああ、マックは拷問好きなのよ。彼、体の内臓器官を徐々に破壊する効果の魔眼を使えるの。」


まじか。


裏口に着くまで、もう一人の巡回と遭遇したが、第六師団員の人たちが、一瞬で消滅させた。

なんだかわからない光線が出て標的がシュワっと……これ以上はやめておこう。


「着いたわ。みんな準備はいい?投げるわよ。」


アンジュが赤色の石を大きく振りかぶる。

目的は教会の十字架の上。1つ目は遅い速度で、目的の場所より少し上に飛んだ。

大きな振動とかから風圧を伴った2発目が1つ目の赤石とぶつかる。


爆発音が森に響く。


「「「うおおあああ!!」」」


表から怒号のように叫び声が響く。

破壊音も同時に鳴り響いた。赤石の爆発音なんて比ではない。



「さ、私たちもいくわよ!」


俺たちは静かに裏口の2人を処理し、中へと扉を開いた。







残り少ないですがよろしくお願いします。

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