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再開の冬

 

 第二治療室とは俺がいた治療室のように1人の集中治療ではなく、大人数が収納可能な病院だ。

 この村自体あまり広くないので病院まですぐにつく。

 といっても徒歩で10分ぐらい。


「やあ、マーリン。治療の方は?」


 リハンが声をかけたのは、マーリンという白衣の女性。マリーさんの一番弟子で、範囲回復魔法が得意な女医さんだ。


「あん、だんちょ。着々と彼らは回復に向かっているわ」


 範囲魔法が使えるならマリーさんより有能なんじゃないか?と思ったことがある。

 しかし、マリーさんにそれを伝えたところ、マリーさんも範囲魔法ぐらいなら使えるらしい。


「でもちょっとテルマンゴっていうおっさんの回復が…遅くてね〜」


 テルマンゴさんだ!

 まだ静かな寝息を立ててるけど生きててよかった!

 是非起きたらお礼と謝罪をさせてほしい。


 他にも会いたい人はいるが、ウィンターに会わなきゃ。


「マーリンさん!お久しぶりです。早速なんですけどウィンターという少女はいらっしゃいますか?」


「おお、久しぶり、坊や。ししょーのとこで治療受けたんなら万全でしょ?ウィンターね…」


 彼女?とか振られたけどスルーする。

 何か書類を見ながら部屋番号を伝えられる。

 パパとママはダリアネスさんとヤハーナさんのところへ行くらしい。


 ウィンターのベッドは一番奥のベッドだった。

 少し隙間を空けて中を覗く。

 ベッドに身を置いていたが、視線は天井を向いていた。


「う、ウィンター…??」


 顔がこちらを向く。

 全く泥にまみれていない綺麗な顔だった。


「う…ゔん」


 泣いた。

 彼女は泣いた。

 孤独からか、それとも恐怖からか。


 起きたら見知らぬ所にいて、助けてもらった記憶もないから当然だろう。

 数分ほど彼女のそばにいた。



「でも。どうして私生きてるの?」


 確かに。あの状況では既に魔力が吸われ尽くしたはずだが、多分マーリンさんの処置であろう。


「生きているならそれでいいじゃないか。

 それよりも僕は謝りたいんだ。君に。」


「…どうして?」


 どうして?

 どうしてってそりゃ、僕の勝手な脱走劇で君が囚われて、君に迷惑がかかって…それで。


「私は何も気にしてないよ?むしろテルマッドと出会えた事と生きてることが嬉しいもの。あなたと出会わなかったらここで治療も受けられなかっただろうし。」


 ちらりと彼女の視線は俺の後ろにやった。

 そこには俺の両親とマーリンさんが立っていた。


「おお、君だったかー!ウィンターというのは!

 小人族だからすこし治療を丁寧にしなければならなかったよ。」


 マーリンがやはり治療を行ってくれたようだ。


「それもこれも坊ちゃんに感謝しな。」


「?」


 え、俺?


「はい!」


 ウィンターさんもまんべんの笑みでどうした?



 ☆☆☆☆



 あの日から3週間立った。

 俺はもうすぐ3歳である。

 テルマンゴさんには目を覚まし次第、謝罪に行った。


「いいってことよ!俺は生きてるしな!あん時はマジで終わりを覚悟したけどなー!」


 なんて笑い飛ばしてくれた。

 この世界の人はすごく強いんだなと思った。

 そのテルマンゴはというと…俺の体重の師匠であるスワイプ先生を師事して、無事月蝶の部隊に配属が決まったらしい。


 ウィンターは村の鍛冶場で働いている。

 どうやら小人族の国まで帰るためにも資金が必要だとか。

 腕がいいので、すぐに量産型の武器を任せて貰ったみたいだ。


 そして俺はというと、両親と会議が開かれていた。


 そしてその第一声。


「テルマッド…あなた、闘技大会に出なさい!」



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