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やっぱりヤハーナさんは忙しい

またブックマークありがとうございます!

励みになります(泣)

私は本線を走らずに裏道を走っていました。そちらの道を使う方がより早く6番街に着くからです。しかし、6番路地までは割と距離があり屋根伝いに行けば2分ほどですが下を通ると5分はかかってしまいます。


仕方ないですが、怪しまれないような速度で走らなければならないので自分の非力さと愚かさに身が潰れそうでした。しかし私が行かなければ坊っちゃまは逃げることもままならない。


「おい、嬢ちゃん?」


もうすぐ着くというのに私の前には壁が現れました。人間が6人ですね。どこかの宿で見た人が5人。見慣れない筋肉質な方が1人です。先頭を切って私にメンチを切ってる感じ、あの方がガキンチョ達のボス的存在でしょうか。


彼は緑の兜で目を隠し大きな大剣を背負っています。

一方元リーダーのガキは額に私が付けた赤い痣を庇いつつ太刀を構えています。他の人たちも手に包帯や首にぐるぐるした何かをつけていました。


「俺らBランクPT「残滅の刃」ぐらいこんな辺境の女でも知ってるよな?」


「ぶふぅっ……あ、失礼。」


「て、てめえ?!なぜ笑いやがった!?」


いや、笑わざるおえないですね。なんてダサいネーミングなんでしょうか。残滅のやいば…っ、ぷぷぷ。

それにウォール街は辺境なんですね。私この大陸の土地には疎いものですから。しかし、女性を差別するかのような発言ですね。これはほっておけません。


「くっ…まあいい。嬢ちゃんにはうちの舎弟共が世話になったみてえだな。この借りはきっちり返させてもらうぜ。」


「まずよろしいですか?わたしはあなたの舎弟方をお世話したことはありません。それに借りというものは恩で返すものです。あなたはそんな言葉もわからずに使っていたんですか?恥ずかしいですね。見た目年齢は38ぐらいですか。そんな歳になるまで何をしていたんですかね。一般的常識すらわからなそうなこの男にあなた達舎弟もよくついてこられたものですね。……………」


ん…?いつの間にかこんな時間に!早く坊っちゃまのところに行かなくては、こんなガキのせいで見殺しになどできません!


「…ではいいですか。あなた方は……って、え?」


「「ううっ…うう。俺たちが悪かったでありんす…だから、だからお名前だけでも!」」






気持ち悪いです。

私はそいつらの脇を素早く通り6番街へと向かいました。6番街の周りには既に人だかりができていて誰も路地に入るものはいないように見えました。って言っても6番路地には人払の呪文を唱えておいたので元から他人がいる可能性が皆無でしたから。


私は入り口にできた人だかりを掻き分けて前へ進みます。進みようやく先頭に出ることができました。6番街には坊っちゃまの姿と、倒れている女性、男性。筋肉ゴリゴリの人とアサシンのような格好をした男とそれに喋りかけているスラム住民っぽい人。


筋肉が坊っちゃまを背中に乗せてこちらへと歩いてきました。坊っちゃまは気を失っているみたいでした。

私が坊っちゃまを受け取るため私も路地に入ろうとした時です。


その男が何かつぶやき大量の石をこちらに飛ばしてきました。私は反射的に屋根の上に飛ぶことができましたが、一般の人にそんなことはできるはずありません。しかもその石は魔法によって加工が施されており、鋭さが一層増していました。


路地を見るとそこは血の池。先ほどの筋肉の人までもがギタギタに…って坊っちゃまは?!ああ、まずいです。試練が終わる前に亡くなっては師団長の顔が立ちません!私の第一はアンジュ様なのです。


「うう…ぅ」


生きてらっしゃった!よかったです!これは助けなくては……と思いましたがどうやら坊っちゃまを殺そうとしている彼が興味深い魔法を行使し出しました。私が登っていた家の壁や路地の床を形成している煉瓦が大きい男の頭上にくるくると竜巻を作り出しました。それは周りを巻き込んでどんどん大きくなります。


肝心の男の方は手に何かを持っています。うーん…あれは大きなトンカチですね。メイスというよりはバトルハンマーというようなものでしょうか。大きなハンマーですね。


「そんなことを言ってる場合じゃなかった!」


彼は坊っちゃまの横腹をめがけてそのハンマーを上殴りに振り放ちます。既に弱体している坊っちゃまの体にあんな大きいモノが当たればその時点で全身骨折…いや命があったとしても上の竜巻に巻き込まれてパァーですね。あの程度のトンカチなら私でも止められますかね。全く坊っちゃまも程度というものを知っていただきたいのですよ。


ガンッッッ!!


私は彼の鉄槌を左足で受け止めます。踏みつけるようにしてハンマーを止めたのでピリピリと足が痺れます。数秒で収まりましたが不機嫌になってしまいます。

そんなこともつゆ知らず坊っちゃまは私の左足に触れます。私の体温を奪い去るかのようでした。


「坊ちゃま……はぁ。もういいです。少し寝ていてはどうですか?」


「あ、はは…ありがと…ヤハーナさ…」


「いえいえ。おやすみなさい」


さてもう一仕事いきますか。あんまり怪我したくはないのですが坊っちゃまが死ぬより小さなことですし。久しぶりに魔眼を使う機会があるかもしれません。


「誰だ、嬢ちゃん?」


「また不愉快なことを聞きますね。どう見たって成長期の乙女ですよ。なのにそんな怪しい女を見るような目で…」


私が不満を述べ始めた時でした。私に向かって彼は得意のハンマーを横振りします。ブォンと空気を切る鈍い音が鳴り響きます。ギリギリそれを避けることに成功した私は軽い足取りで彼の後ろに回り込み、彼に愛の左足をねじ込みます。


「ぐはっ…ご……ぐっ!!」


「あなたは誰なんですか?」


私は最も聞かなければならなかったことを聞きます。この人が『月蝶』のトップの息子だと知って坊っちゃまを襲撃したとなればうちの幹部に近い方となります。


「俺はただの暗殺業を営む魚屋だ。あんまり子供を殺す趣味はないから今ここから出て行けば許してやる。」


「魚屋さんなのに土の魔力を行使するんですね。なんか矛盾してませんか?ぷぷぷ。」


精一杯煽りをかけます。私のことを小さいガキと思いすぎなのは正直腹がたちます。それでなくとも不愉快な質問にイライラしているのに、まったく。


「ふっ…それじゃあな、嬢ちゃん。」


彼がそう告げると既に4.5.6番街路地を包み込む大きさとなっていた竜巻が私一点に集中し、一斉に襲ってきます。私は思いました。あいつは絶対幼女殺しの趣味があると。


『抹消能力開眼』


その竜巻は瞬時に姿を消し残ったのは私と私に抱えられた坊っちゃまとおっさん、そして無残に撒き散らされた瓦礫のみでした。正直あまりこの能力を使いたくはなかったのですが周りに目がないため仕方なく使いました。


あのおっさんを目には数えませんよ?


「ふはっ。なんて娘だ。今何を使った?風魔法か?それとも固有魔法か?」


「いえ。どちらでもありませんよ。」


彼は完全にスキを見せていました。少しはできるガキだと思われたのでしょうか。それでも自分が強いと思ったことが敗因でしょうね。

私は左足で彼の頭に振りをキメました。すごく綺麗な音でした。


あっけない負け方をした彼を左肩で抱え、坊っちゃまを右腕で包んだ私は全力のスピードで宿へ戻りました。のちに店主にスラムのことを聞くとすごく大きい騒動になっていたみたいです。スラムのボスが入る拠点は嵐を食らっても大丈夫だったみたいなのですが、他の路地の方々には多大な迷惑をかけてしまいました。

ボスの人には坊っちゃまを謝りに行かせなきゃいけませんね。



そういえば、族長はどこにいたんでしょうか?


ちなみにこのおっさんは村へお持ち帰りしました。

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