ヤハーナさんはマジで忙しい
ブックマークがまた1件!感謝の極みです!
私がお部屋に戻り早速『探知網』します。余計な邪魔が入ってしまったので早く見つけなければ安全を確保できません。もし死んでしまうようなことがあれば……それに個人的にもあまり死んで欲しいとは思わなくなってきました。これも好感度ってやつですかね。
姉と弟みたいな感じで結構楽しかったりします。
「ん?なぜ坊っちゃまが裏路地に?」
私がサーチし始めて10分ぐらい経ちました。やっと見つけることのできた少年はスラムを歩いていました。どこへ行くのかと追跡していると…
「ヤハーナ様…よろしいですか?」
「あ、はい!」
これまたいいところでジャッジさんがお料理とお風呂のレベルを上げる為にやってきました。後ろには従業員の方達も3人ほどいます。お料理は従業員の方々が運んでくださりました。すごく美味しそうです。
ロジャースバーガーとセクリンスモームのステーキです。ロジャースバーガーはロジャースフィッシュと呼ばれるDランク魚介類の白身をパンに挟んで食すものです。これは白身の部分がスパイシーでいくら食べても飽きないジミ辛な感じがグッドです。
セクリンスモームのステーキはそのままセクリンスモームと呼ばれるEランク家畜類に分類される生き物の肉です。セクリンスモームは一般的に放牧されていてその肉は厚くジューシー。それにどこか柔らかでクリーミーな甘さを持っている、なんとも不思議なお肉なのです!
まず私はこれらを食しました。食べたあとのお肌はすごいブルンブルンになること間違いなし!
私は首筋に垂れた汗を洗い流すべく服を脱ぎます。まだ坊っちゃまは帰ってこないはずなので大丈夫です!それにまだ2歳ですし…。
先ほどの水よりもグレードが上がった水の方が透き通ってました。グレードアップする前のお湯にも手をつけてみたのですが、水に手を持たれるような錯覚に陥るほど優しい感触です。
一方ランクアップした水は私の手を溶かしました。ゆっくりと包み込まれる私の手はそのまま体までを持って行かれました。
お風呂はやはりいいものです。物事をゆったりと考えることができ、体の疲れを癒す。また、清潔感を保てるということでそれはもうメリットしかありません。
私もお風呂に入るといつも考え事をしてしまいます。そのせいでお風呂の時間はいつも長めに…
考え事と言っても小さなことなんですけど、やはり最近胸が少しですが、大きくなったことですかね。
これはどうにもならないことですが、やはりこのまま成長し続けてしまうと邪魔というか…その、戦闘などの状況に陥った場合不利というか…
というようなことを考えていて、いつも長風呂になってしまうんです。でも唯一憩える場なのでこれは仕方ないかなーとか。そんなことよりも坊っちゃまが心配ですね。
「よし、出ますか!」
私は新しい白シャツに着替えてサーチを開始します。
ですが今回はなかなか見つけることができません。既に30分は経ちました。どこにいるのでしょうか?
ここは『情報処理』も使って……
「ヤハーナ様、失礼してもよろしいですか?」
全力で探そうとした時に、はてまたタイミング悪くジャッジさんの声が扉の奥から聞こえてきました。いいですよと返事すると襖が開き彼の手にはお盆を乗せていました。そのお盆には…
「酒を持ってまいりました。ウォール街一の上等酒でございます。」
この大陸での飲酒は15から可能です。私は今年で16ですので飲酒はできますが…あまり酒は得意でありません。私、酔ってしまうと記憶が飛んでしまうんです。なのでここは丁寧にお断りしようと思っていました。
「これはヤハーナ様への感謝です。あの若者たちは聖都の方から来た冒険者達で最近悪事が目立ったBランク冒険者PTだったそうで…私1人では対処しきれなかった所存です。ですからもらってください。本当にありがとうございました。」
「わ、わかりました。」
そこまで言われると断れないでしょう。仕方ないです。坊っちゃま以外入れないように結界を張ってお酒と向き合います。
小さなコップにその酒を注ぐと色は紅くほんのりとグレーパという果実の香りが漂います。それだけで私は酔ってしまいそうでしたが、なんとか我慢して一気にいきました。
「ほえー。おいしいですね。」
その味は甘いと思えば酸っぱく、渋いと思えばあっさりとしていてすごく飲みやすい酒でした。私はこれならいけるとガボガボ飲みました。だって本当においしいんですもん。
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そこからの記憶は特にありませんでした。気づけば布団で寝ていました。そこへ感じたことのある魔力を発見し薄眼を開けます。そこには坊っちゃまが立っていました。
「ただいま!ヤハーナさん。探して欲しい人がいるんだ!」
「ん…ふぁーあ。んえ、しゃがあしたいひとですかぁ?」
元気な彼は私に探して欲しい人がいると伝えました。私にかかれば人探しなんて楽勝のしょうなのですよ!
「いつも寝てるんですね?」
むむむー。ダメですねー。この前はたまたま眠たかったのでベットでお休みしていただけなのですからねー。それを「いつも」とだんていするのはよくないんですからねー
「にゅ!しっけいですねー!お仕置きしますよー。なんて、えへへー。」
お仕置きなんてするわけないじゃないですかぁー。した暁には師団長から愛の罰則がありますからねぇ。それも少し欲しいかも〜。
「とりあえず探知使える?」
「むぅ。そういう流しはダメですよ?でも、つかえるのはつかえまーす。どお?天才でしょ?えっへへ。褒めても何も出ないんだからねー」
なんで私のお仕置きネタスルーしちゃうんですかー。
私に使えない探知などない!なぜなら天才だからですよー。ふふ、急に褒められると照れますよぉ。
「早く。魔力の特徴はパパによく似てる!」
うう、ヒドイ。また流されました。私のことなんてどうでもいいんでしょう。うゔ…
「にゅー。わかりましたーだ。どうせ私には魅力なんてないですーだ。」
私は切り替えて短時間瞑想した後に『多重探知網』と『高速情報処理』を発動し族長と似た魔力の捜索をしました。私にかかれば1分なのですよ1ぷん。
「んー。ひっかかりましたよー?裏路地の6番街路地ですねー。なんでこんなところに族長がー?」
しっかし、なんでこんな裏路地に族長がいるんでしょうか。息子のことが好きすぎるあまりに見に来ちゃったとかー?
「さんきゅー。ありがと!」
はい、と軽く返事をすると欠伸が出ました。恥ずかしいものですね。
さてもう一眠り……
チューー
「うにゅ?!……はっ!あれ、坊っちゃま…今何を?」
坊っちゃまは私の頬に唇を当てました。何が起こってるかわからない私は慌てふためくことで精一杯でした。しかし、そのキスのおかげで酔いが綺麗に冷めて逆に頭がさっぱりとし、物事の理解が早まりました。
キスのおかげか、それともお酒のおかげなのかはわからなかったですが、少なくとも2歳児のおかげだとは思いたくなかったです。
私はその後族長のことが気になりもう一度ピンポイントでレーダーを当ててみました。その魔力は尽きかけで既に魔力が流れていることすら奇跡と思えるようなレベルでした。
しかも驚くことに、すぐそばには坊っちゃまの魔力があったのです。私は驚きと焦りに駆られました。今すぐ助けなくては…族長が死にかけるほどの相手に2歳児の彼では到底太刀打ちできないはずです。
私は駆け足でその路地へと向かいました。
酔っちゃうとこんな感じです、彼女。
あともう1本ヤハーナさんダメですか?




