いまから?
艦○れにハマった作者ですが初めての予約投稿の有能さを実感しています。
昼のお散歩が終わり、家のドアを開ける。
先程までの昼寝で体がどこか重い。
授業が始まって1年が経った。
いかんせん俺が強くなったとは思えない。
なぜなら、体育系教師が強過ぎるのだ。
魔法の授業は火と雷以外の属性の強化に勤しんでる。とは言ってもそこまでの威力は出ないので火と雷の威力だけが徐々に上がってきているのだが。
だが、それをいいことにあのドS魔女は2歳児の体を思う存分傷つけるんだ。
しかもちょっと笑ってるんだよ?
超級の土魔法を撃たれた時は当たる前に失神したんだけど?!
先生評価:新手の変態魔女
剣術の方はあんまり変化はない。
とはいうものの両足のないバラガ先生の剣を避けることには成功した。
転生する前は近所のチビ達に石を投げられるのが日課だったから、躱すと言う行為においては慣れていた。
そんで『避け』の最高評定を頂くことができた。
あの時ほどガキどもに感謝したことはなかったよ。
だが、剣については全く成長がないと思う。
実践授業してるとたまに剣が飛んでいっちゃうんだよね。
俺のこと嫌いなのかな、木刀くん。
先生評価:実は厳しいおじいちゃん
盗術は影女さんから未だペンが全く取れない。
スピードでは余裕で上回っているはず。
なのに何故取れないのか。
1年間俺なりに分析した結果、ミマーフル先生は完璧に気配を消し空気に溶け込むことができる。つまり透明化だ。
俺の推測でしかないが、もし万人に共通するのなら、それもうチート!
これをどう攻略するか考えなきゃいけない。
先生評価:喋るたびに耳元に来ないで!
生済の方は非常に順調。
めちゃめちゃ楽しい。
だが、普通では考えつかない例をバルコリア先生は挙げてくる。
それについてはもうわかりづらいからやめてほしい。
切実に。
お話自体はすごく面白いからもったいない気がする。
けど、1日の中で一番楽しみにしている教科だ。
だって他全部ボコボコになるんだもん。
先生評価:ドS魔女と絶対デキてる
そして最後は体術。
これは勝てません。
先生評価:ノーコメントで。
1年経ってもあまり変化がないように感じるな。
本当に強くなってるのかな?
だんだん心配になってくる気持ちを抑えつつ、まだたった一年だと自分に言い聞かせる。
焦らずとも時間は逃げることはない。
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「テルー?ちょっときてー。」
なんてことを考えていると1階で昼寝をしていたはずのママに呼ばれた。
今日ママは休日で、俺も授業は休みだ。
休日とは言うが、別に街へ出たりもしないし、魔法の訓練をするか、近くの畑の土いじりに行くことしかすることはない。
一言で言うと暇。
授業がないとほんとやることないのよ。
せっかく異世界来たってのに村から外には出られないし、黙って外へ行こうとしても警備がヤバすぎて出られん。
1階に降りるとママの横にパパもいた。服装は仕事服で今さっき抜け出してきた感満載だ。
ちゃんと仕事してよね?アドさん絶対怒ってるよ。
あ、アドさんていうのは第1師団副長を務めてる人。
戦闘魔法が優れに優れていてドS魔女ことシナミィの師匠でもある。
いつかは魔法をご教授被りたいところだ。
「今日はテルにお仕事を依頼します!」
「へ?!おしごとですか?」
2歳児にですか?
「そうだよ。今からテルは街に行って一泊二日でこの野菜を盗ってきてもらいます!」
「ええ?!」
そう言って見せられた紙にはジャガイモのような茶色の丸っこい物体が描かれていた。
この野菜の名前は確か、ガジャだ。
口当たりはまったりとしていて微かな甘みを含んでいる。これを好む魔物も多く、ある魔物はガジャから名前をとってガジャマルと名付けられたとか。
「ぬ、盗むってことでしょうか?」
「え、ええ。盗むだけよ?」
なにが難しいの?という顔をしてこちらへ顔を向けるマイマザー。
「アンジュ、テルはまだ2歳だよ?」
「ああ!そうだったわね、リハン。」
納得!というように右手で左手をポンッとする。
それにリハンはやれやれといった様子で呆れた表情だ。
盗むことが当たり前って怖いよ!
それに聞き捨てならないよ、2歳児に盗みをさせるなんて!貧困なのか?!貧困なんだろ!
「何を考えているかわからないけど、これは試験の一つだよ。これをクリアできたら君は飛び級で10歳にはこの村を出れることになってる。もちろん後8年間の間に試験に合格できるほど能力を高めなければならないけどね?」
試験の一つにガジャさんが指名されたんですね。申し訳ないです。
しかし、犠牲もあれば得るものもある。
普通では15年のところを10年だ。
5年も目的達成のための時間が増えるということ。
今の俺にぴったしな条件。
でも村のルールにそんなものは、なかったような気がするんだけど…
「このルールは昨日作ったんだよ。会議にも通してある。この規定は君みたいな例外のために適用されるんだ。それになんといっても私たちの息子。大丈夫だと信じてるよ。」
「ええ。リハンと一緒の血が流れているのよ。絶対立派な盗賊団作ることができるわ。」
「はい!母さん、父さん!」
ええ、親やわ。
言ってることは盗賊団を作って犯罪しまくれってことだけど。
「それと、今日はなんの日だと思う?」
「ん?なんでしょうか?」
「「誕生日おめでとう!テル!」」
「へ?!」
あ、今日誕生日だったのか!
そうか。色々ありすぎてすっかり忘れてた。
こっちに来てからカレンダーはあまり見ないし、転生してからの日にちなんてのも数える暇ないし。
「この規則は誕生日プレゼントだよ。」
「ある生物と経済に強い人にあなたが自由になりたがっているって聞いたのよ。」
「バルコリア先生!」
たかが俺の誕生日のためだけに村の新しい規則を作ってくれるなんて…親に恵まれすぎだな俺。
絶対に親孝行してあげなきゃいけない。
前世でできなかった分をここで返すのも悪くはないから。
『盗賊団を作って』だけど。
しっかし、バルコリア先生に話しといてよかったよ。あの兄ちゃんなかなかやるじゃん!
「じゃ、いってらっしゃい。」
「え、今から行くのですか?」
「あたりまえじゃない。」
しれっとスパルタなところは直したほうがいいと思うんだ。




