第18話 デートタイム到来です 番外編5/6
パクチーではない方の爆弾魔が出現した室内は、大きな水槽で群れを成す魚達や底を這うサメ、室外とも繋がっているペンギンやホッキョクグマ等の動物もいる中。
「蓮来ましたよ、ここがクラゲコーナです!」
円盤の水槽にふわふわ漂うこれまた激カワ生命体、クラゲもまた目玉なのです!
「クラゲって案外種類いるんだな」
「もちろんですよ。ほら蓮、このカラージェリーフィッシュはモコっとした足が可愛いんですよ」
ここの水族館は時期にもよりますが、個性豊かな八種類のクラゲが展示されています。ミズクラゲが一般的ですが、ふわふわモコモコなクラゲも愛らしいです。
「クラゲ詳しいんだね愛ちゃん」
「クラゲに愛された女ですからね。海に行く度に刺されるんですよ!」
「それポジティブ過ぎない?」
クラゲを好きになったきっかけは他にもあった気がしますが、何せ小さな頃だったので思い出せませんね。
蓮を私はふわふわなクラゲに心もふわふわさせながら、この幸せな時間を分かち合います。一通りふわった私達は、クラゲの水槽を眺めながら長椅子で休憩している時。
「お、あんなところにガチャがあるじゃん。記念に一回ガチャろうかな」
私達の行動を見通すかのように、長椅子が並ぶこの場所の横側に、三台並んだキーホルダーガチャがありました。蓮と私は何だろなと楽しげに近づきます。
「キーホルダーとミニチュアか~キーホルダーのサメが捨てがたいな」
「蓮っキーホルダーにチンアナゴとナマコがいますよ!」
「すげえな、ナマコサンリオデビューする前にガチャデビューしてるわ。しかもナマコだけ押すと内臓が出る機能付きだって」
「それはちょっと可哀想ですね、無限内臓編です」
蓮はサメを一点狙いなのか、サメサメ~と祈りながらキーホルダーガチャを回していきます。
私はそこにナマコナマコ~と妨害してここぞとばかりにイタズラを仕掛けます。ナマコの次いでに唱えたチンアナゴ~の後に、何処からかユニコーンが聞こえたのは多分気のせいです。
ガコガコッと音を立てて出てきた、青とスケルトンの二色のカプセルを蓮が拾い上げて、カプセルを開ける前に覗き込みます。
「あ~これシルエット的にサメじゃないな」
と言いつつもそこまで残念そうじゃない蓮。
「私のナマコ念仏が届きましたか」
「ハハッじゃあナマコ出たら愛ちゃんにあげるよ」
「いいんですか? えへ~蓮好きです~……はっ」
「どうした愛ちゃん」
「いやその、好きって思わず言っちゃっいました」
とても恥ずかしいです、私としたことが水族館デートで浮かれてしまいました。それともナマコパワーなのでしょうか。
「寧ろ俺はコンマ一秒ずつ言ってても嬉しいよ」
「人間を超えし新生物ですねそれ」
好き好きコールが早すぎて聞き取れなさそうですね。朝の目覚ましくらいにしか使い道がありませんよ。
「それにさ、俺も毎日愛ちゃんの事を好き好き言ってたのも、今の愛ちゃんみたいに自然体で出ていたもんだよ。」
……なんだか照れくさいですね、好き好き蓮と同じになってしまうとは。ただまあ、悪い気分じゃないです。
「イラスト相合傘もラブレターも自然?」
「あれは自然……なのかな?」
流石に蓮でもあのネジが外れたような行動には疑問があるようですね、蓮の頭を修理に出す心配は無さそうで安心です。
「さっさとカプセル開けたらどうですか、私にナマコをくださいよ~」
「ごめんて」
パカッと開けたカプセルの中身。そこには私が見慣れたキーホルダーがありました。
「クラゲだ」
「……」
「愛ちゃんクラゲ好きだったしあげるよ」
「これ私同じの持ってます」
ガチャのパッケージのナマコやチンアナゴに気を取られて気づけませんでした。
ガチャのラインナップに、私がラブレターを入れてるポーチに付けていた、クラゲのキーホルダーと全く同じものがあったのです。




