第11話 ご奉仕タイム到来です 後編
私はゆっくりと顔を上げ、眠ったままの蓮の顔を見上げる。
……寝ている蓮にしてしまいました。
しかし、私に残された手段はイタズラしかないのです。もう一度蓮と……
再度至近距離まで近づき、蓮の鼻と私の鼻が触れ合うところまで来た時。
私の瞳と蓮の瞳が合った。
「うひゃああ!!!」
あああ、ああえ!?
今蓮の目開いてました!?
飛び退いて焦る私に応えるように、蓮がムクっと起き上がり。
「お、おはようございます」
「……! 蓮ッ! 蓮ー!!!」
「おあッ! ……心配かけてごめんよ愛ちゃん」
「私、別に、心配なんかしてませんもん!」
蓮の胸で顔を埋めて泣く私。
さっきまで私が看病していたはずなのに、蓮が私の面倒を見ている様。
このまま起きなければどうしようとか、私は全然……全然。
「……心配してましたよ」
「……愛ちゃん?」
「私ッ蓮のこと心配してたんですよッ! 起きなかったらどうしよって……良かった、良かったです……」
私は誓ったんです、逃げずに己の恋心に正直になると。
だから全てを話しましょう。きっと蓮なら大丈夫、私の気持ちを受け取ってくれるはずです。
「私、私……」
「大丈夫大丈夫、俺も心配する愛ちゃんをずっと聞いてたから」
「……え? 聞いてた?」
「あっ」
目を逸らす蓮に私は静かに問いかける。
「聞いてたって……何処から聞いてたんですか?」
「……この病室に運び込まれた時、金縛りに合って動けないままずっと……最後ので解放されたけど」
「さッ……目閉じてましたよ」
「金縛り中目も開けられない時ってあるじゃん?」
わわ、わわわわわあああ!!!
私の一言一句全て丸聞こえってことですか!!?
それにキスまで!!?
ダメ、ダメですッ蓮の顔をまともに見れません!!!
「その……俺、凄く嬉しくて……逆にいつ言うか、言わないままの方が良いのか迷っちゃってて」
「言っちゃいましたよ!」
はははと笑う蓮は、気を取り直したかのように私の両手を握り。
「改めて言おう! 俺は愛ちゃんが好きだ! 付き合ってください!」
「……わ、わわわ、私も……蓮のことがすす……好きです……」
「愛ちゃんの優しさ、笑顔、傍に居るだけで幸せなんだ!」
「ふえ!? あ、私は、蓮のその、元気なとことか、表情とか、腹筋とか、可愛いとことか、腹筋とか腹筋……」
「愛ちゃん」
「へわわわッれ、蓮ッ……」
私達はお互い瞼を閉じ顔を近づけ……
「あのーそろそろいいかね……」
診断書を持った医者が申し訳なさそうにドアから顔を覗かせていました。
私と蓮はお互いに身体ごと向きをグルンと回し、頭を深々と下げて言います。
「「す、すみませんでした!!」」
「いやーこちらこそごめんねえ、今言わないとこのままおっぱじめそうだったからつい」
「「お、おっぱじめる!!?」」
お医者さんがコイコイッっと手招き。
私達は気まずい空気の中、お互いに目を合わせられずモジモジしながら診察室に行くことになりました。




