第12話 診察タイム到来です
目覚めた蓮を連れ、私達は改めて診察を受けることになりました。私と蓮のこれまでの詳細を聞いたお医者さんはなるほどなるほどと相槌をしながら。
「えー……これはあれだね、予想通りだね」
この謎の金縛りの正体を言い放ちました。
「恋の病だね」
「「恋の病!?」」
こいって……恋ですか?
金縛りの原因が恋って結びつくものなのですか!?
「はは、これ一回言ってみたかったんだよね。ラブコメ漫画で読んで」
「「いいから教えてください!!」」
「まあまあ落ち着いて」
お医者さんはコホンと咳払い。
「笠原さん、初めて講義中金縛りに合った時も相笠さんにイタズラされたんだね?」
「はい、されましたけど……」
「恐らく君はそれが嬉しかったんだねえ」
「うッ嬉しい!?」
驚愕と恥の掛合わせでプルプル震える可哀想な蓮。この顔を写真に撮って豪華な額縁に入れて飾りたいですね。
それにしても私にイタズラされるのが嬉しいだなんて……蓮はドMだったんですね。
これからは金縛りという免罪符を使わずにイタズラ出来そうで何よりです。
「いつも告白しても振り向いてくれない彼女が唯一振り向いてくれる瞬間、それが相笠さんがちょっかいを出してくれる講義中での金縛りだった。その初めの金縛りがきっかけになり、君の脳は金縛りイコール彼女に構って貰えると結びつけてしまったんだろうね。まあ思い込みとか、ルーティンに近いね」
お医者さんが得意げに私達にペラペラ解説。
ルーティン……
ベットが寝れない場所と思い込んでしまい寝付けないとか、コップを持つ時小指をピンとあげてしまうとかそんな感じでしょうか。
「その思い込みで俺は講義の度に金縛りに合ってたってことですか?」
「そうだね、君は構ってちゃんだったんだねえ」
「「構ってちゃん!!」」
驚愕と恥の掛合わせにさらに上乗せされた蓮は、どんな表情をすれば良いのか分からないという様な拍子抜けな顔をしています。
私はお医者さんの前で堂々とスマホを構えて、蓮を写真に収めました。額縁案件です。
それにしても蓮が構ってちゃんだったなんて……蓮は犬みたいなやつだったんですね。
後で顎下とお腹を撫で撫でして……あ、腹筋も撫で撫でもふもふ出来ます!
ふふ……まあそれは良いとして。
「蓮が最近金縛りが多くなったり、今日みたいな長時間の睡眠が起きた理由ってなんですか?」
「金縛りが増えたのは、それだけ君に構って欲しかったってことだろうね。なにか最近変わったこととか、今日寝る直前にいつもしないことをしたとか……逆に笠原さんを起こせたのもファーストキスしたからでしょう?」
「そ、それはもう……」
限界突破した蓮は顔を手で隠して拒否ってます。
最近変わったこと。
……最近私が腹筋ばかり構っていたからですね絶対。
昨日は私が金縛りになる演技をしましたし、今日のパクチーで蓮を誘ったアレが決め手になったのでしょう。
……これ全部私の所為です!!!
「わ、私が犯人ですぅ……」
「いやいや、元はといえば俺が」
「まあこうして原因も分かったことだし、君達付き合えたんだから少しずつ金縛りになる回数も減るんじゃあないかな」
私と蓮はなよなよしながらお互いを見つめ合い。
「……俺達付き合ってる?」
「う、うん、つつ付き合ってますよ?」
こんな私達にお医者さんはやれやれとするしかないご様子。とりあえずデートしてみればとご意見を貰い、ここ病院での話は幕を閉じることになりました。




