Lo200.きなこちゃんは魅せプです
第三試合が終わり、きなこちゃんとルナ子ちゃんの出番が来ました。
え、第三試合の結果?
ひたすら絵を描いてたので観てませんでした!
たぶんどっちかが勝ったんだと思います!(適当)
第四試合
『リュミエールA』 VS 『神聖騎士オルト&ラーク』
さて、きなこちゃんは自信満々に、ルナ子ちゃんは自信なさげに出ていきました。さて、どうなることやら……
「ま、お手並み拝見ってところだ!」
「だー」
なんか隣にエルフの幼女とドワーフの幼女が座っていました。
【片耳】のララちゃんと【片腕】のノノちゃんです!
彼女たちの選手席は離れたところにあるはずなんですが、何故かこっちに来て観戦してました。
かわいい。私は諸手を挙げて喜びます!
「わーい、こっちに来たんですね!」
「フン! こっちにはエール様がいるからだ!」
あ、エールちゃんのそばにいたくてこっち来たんですか。可愛いですね。
ララちゃんは私と西蓮寺さんを指差して、ビシッと宣言します。
「お前らごときがエール様の側近を名乗るのは100年早い! ララ達は1年前からエール様のところにいたからな!」
「そうだそうだー」
それ1年早いの間違いじゃないですかね?
まぁ、彼女たちが先輩であることは間違いないので、敬うことにします。可愛いし。
「というかあいつら本当に強いのか? どっちも魔力を欠片も感じないじゃないか」
「ほへ、そうなんですか?」
「近接系の装備をしてるし、魔法は全然ダメそうだな!」
いや、その2人は『魔法』少女なんですけどね……
よくわかんないんですけど、きなこちゃんもルナ子ちゃんも『魔力』ってやつを感じないみたいです。これは多分、二人が扱ってるのが『神気』だからでしょうか?
魔法少女ですけど、この世界の分類的には『神術士』に当たるんですよねぇ。ややこしい。
しかし、今回は魔法少女としてではなく変身なしで普通に戦うというハンデつきです。
大丈夫ですかねぇ2人とも?
選手が入場しました。
きなこちゃんが前に出て、赤いマフラーをたなびかせてファイティングポーズをします。
その相手は神聖騎士の若手2人。
白銀の鎧に身をつつんでおり……見た目はまぁ普通に神聖騎士ですね。それ以外の特徴はあんまり無いです!
神聖騎士チームはきなこちゃんを見て笑います。
「ふはははは! お前らあのときの『天恵無し』か!! 随分小さくて弱そうじゃないか!!」
「可哀想になぁ? 特級聖女リュミエール様もこんな雑魚そうな手駒しかいなくてなぁ?」
おお……思いっきり馬鹿にしてる感じです!
向こうはどうやら、きなこちゃん達を『天恵無し』と知ってるようです。あのとき玉座の間にいた騎士でしょうか?
あのときは……私も彼らに捕まって牢屋に入れられたり臭い飯食べさせられたり散々でした!
よし! あのときの恨みです!!
きなこちゃんやっちゃってください!!!
「雑魚ほどよく吠えるとはこのことだな」
「なんだとぉ!?」
「かかってこい赤子ども。2人同時でも良いぞ?」
「てめぇ! なめやがって!!」
きなこちゃんの安い挑発に乗る神聖騎士2人。
ここまで勝ち残ってきたということは相手も強いはずなんですけど……なんか雰囲気が弱そうですね。もう負けるフラグビンビンの台詞です。
きなこちゃんは余裕で挑発してますが、ルナ子ちゃんはそれを見て「仕方ないなぁ」と溜め息をついてました。
カァン! 試合開始を告げるゴングが鳴りました。
「うおら! 食らえ!! 【二段突き】!!!」
騎士の一人がきなこちゃんに向かって槍で突いてきました!
おお、速い!……気がします!! よくわかんないですけど!!
きなこちゃんはそれを大げさにバク宙で避けて距離を取ります!
「な、てめぇ! 【狙い撃ち】!!!」
もう一人の騎士が弓を引き絞り、距離を取ったきなこちゃんに対して撃ちます!
それに対し、きなこちゃんの右手が輝きます!
手の平からオーラで出来たボールが出てきました!!
ララちゃんが驚いて声を上げます!
「何あれ!? 魔力なんて感じなかったのに魔法!?」
「いえ……あれは『闘気』ですね。魔力や神気とはまた違う、生命力を使ったエネルギーです」
エールちゃんが解説します。
「へー、神気じゃないんですかあれ。似てると思ったんですけど」
「近いものではありますが、神気は文字通り神の力。普通には身に付けることは出来ません。一方、闘気は誰でも努力次第で習得可能です」
「あ、じゃあ私も使えますか?」
「貴方は無理ですね」
「なんでですか!?」
どうやら私には使えないっぽいです。よくわかりません!
きなこちゃんは手の平に生み出した闘気の玉を弾丸のように発射し、飛んでくる矢を相殺しました!
「なにっ!? なんだ今のは!!」
「魔法か!? 魔力は感じなかったのに!?」
騎士二人が驚いています。
私はエールちゃんに聞きます。
「え? 今のなにか驚くことありましたか?」
「普通はああいう風に闘気を塊にして飛ばすことはありません。生命力を無駄に消費しますし、そもそも身体から離れたら操るのは難しいので」
「え、そうなんですか? でも普通にやってますよ、ほら」
そう言っている間にも、きなこちゃんは新たに10個の気弾を生み出しました。
「グミ撃ち」
きなこちゃんがそう言うと、気弾が騎士達に向かって飛んでいきました。
ちゅどどどどどど!
気弾が騎士たちに直撃し、爆発します!
ララちゃんが驚きました。
「キナコって戦士? 武闘家? 魔法使いでも無いのにああいう戦いするなんて聞いたことない!」
あ、そうなんですか?
ドラゴンボールだと普通だと思ってました。
エールちゃんがそれを見て分析します。
「ふむ。どうやら闘気を遠距離で自在に操る術をマスターしたようですね」
「それって凄いんですか?」
「おそらく凄いですが、闘気は身体にまとって使う方が強いので魔法と比べるとあまり……遠距離なら弓矢の方が強いですし。これは……趣味ですね」
「趣味なんですか!?」
どうやら趣味程度だったらしいです! 見た目はかっこいいんですけどね?
ほら、派手な攻撃に観客も盛り上がってるじゃないですか!
しかし所詮は趣味程度の攻撃。
騎士たちは気弾を食らってダメージを受けるも、普通にまだ立ってました。
「いってぇ……よく分からん攻撃しやがって!」
「この、よくも……ぶぺらっ!?」
……あれ? 一人しか立ってません。弓使いの方は声がしたんですが、途中で変な声を上げて倒れました。
「ごめん、隙だらけだったから……」
あ、ルナ子ちゃんがいつの間にか背後に回って弓使いを倒してました!
いつの間に!? どうやって倒したんですか!?
「月子……そういうところだぞオヌシ」
「いや、うん。ごめん。もう一人残しておいたから」
いや、ホント何が起こったのか分かんなかったです!
ララちゃんも驚いて、私と西蓮寺さんに聞いてきました。
「ぜ、全然分からなかったけど、あっちの地味っぽいのも強いのか!?」
「ルナ子ちゃんですか? 私も良く分かりませんねぇ」
「もなじく……」
「パーティ組んでるんじゃないの!?」
ダンジョン行くときはきなこちゃん先頭で、ルナ子ちゃんは殿を務めることが多いんですけど、なんか後ろから来た敵をいつの間にか処理してるんですよね。
不思議です。全然目立ちません。
エールちゃんが解説します。
「……今のは完全に気配が消えていました。おそらく何かしらの神術で気配を消し、背後に回ったのでしょう」
「ふえー、良く分からないですけどすごいんですか?」
「すごいです。私には出来ません」
目立つきなこちゃんが普段は前に出るし強いんですけど、ルナ子ちゃんも地味によくわかんない強さなんですよねぇ。一体どっちが忍ぶ者なんですか?
というか試合前のあの自信の無さそうな表情なんだったんですか? ていうか今も自信なさそうな顔してますけど……
……あ、今分かりました。ルナ子ちゃんのあれは自信が無いんじゃなくて『申し訳ないな』って顔でした。たぶん、観客に対する。ほら……地味に勝っちゃいましたし。
かっこいいパフォーマンスをすることに自信が無いってことだったんですか?
さて、残り1人。きなこちゃんと相手の騎士が対峙します。
「くっ! 【三段突き】!!」
騎士が槍を突くと、きなこちゃんは素手で貫手(指先を揃えて鋭く突く形)を作り、それを迎え撃ちました!
ギィンギィンギィン!!
素手なのに、まるで金属に当たったかのように弾かれる槍の穂先!
おお、すごいです! なんか貫手ってところがニンジャっぽいです!!
全然忍んでいませんけど!!!
そして弾いた槍が浮き上がると、がら空きになった胴にきなこちゃんが突っ込んでいき、鎧の胸当て部分に肘打ちをかましました!!!
ドゴォ!!!
鎧が凹み、相手が吹っ飛びます!
そのまま相手は激しい音を立てて闘技場の壁にぶつかりました。
「ぐはっ! こ、こんなガキみてぇなやつらに……ありえねぇ……」
相手が倒れました!!
いや、ガキって貴方もじゃないですか。
この大会18歳未満しか参加者いないんですよね?
「試合終了ーーー! 勝ったのは『リュミエールA』!! 特級聖女リュミエール様の推薦する謎の二人組が力の差を見せつけ勝ち上がりました!!!」
終わってみれば完全勝利。
完膚なきまでに叩きつぶしました。
きなこちゃんは無言で手を挙げると、観客がワアアッと歓声を上げました!
うわー、分かってたけど強いですね魔法少女組。変身無しでも全然イケるじゃないですか。
ララちゃんとノノちゃんも驚いてます。
「つよそー」
「ふ、ふん! まぁまぁだな! ララ達が勇者タカハシを倒したら相手をしてやる!!」
こっちはこっちで勝つ気満々のようですね。勝ち気なのは良いことです。
きなこちゃんとルナ子ちゃんが席に戻ってきました。
そして席に座ってるララちゃんとノノちゃんを見て言いました。
「ヌ……席が取られてる」
「あ、じゃあ私がノノちゃんを抱えて座ります」
「いや、大きさ的に逆じゃない?」
私が提案すると、何故か逆に私がノノちゃんに抱えられました。
くっ、私の方がロリコンなのにロリにロリ扱いされてます!
ふみゅ……ノノちゃん薄着なので体温が伝わってきてえっちですね。このポジション、役得すぎる。
ララちゃんは西蓮寺さんの膝に座りました。あ、ズルい。なんかあの人子供に謎に好かれるんですよ。見た目が良いからでしょうか? 陰キャなのに。
でも西蓮寺さんってガチガチになるとクールで近寄りがたい雰囲気になりますけど、ほんわかモードになると途端にゆるくなりますからねぇ。孤児院ではほんわかモード多めだったから、おそらく子ども達も気を許したんでしょう。美人ですし。
私はきなこちゃんにたずねます。
「きなこちゃん、なんか魅せプしてましたねぇ」
「ウム、将来ニンジャリアリティショーに出る予行演習」
「忍者ショーで気弾は飛ばないと思います」
ドラゴンボールショーに出たらいいんじゃないですかね? あの戦い方は。
「ワタシは高橋の戦い方を反面教師にした。スマートに戦えばいくらでも勝つ方法はあるが、それではカッコよくないと」
「ふむふむ。カッコよくないですか」
「なるほど……相手に実力を出させ、その上で相手を正面から圧倒する。そういう魅せ方で力を示すのが、観客の見ているこの場では重要ということですか」
「そのとおりだ」
へー、だからわざとらしく気弾出してグミ撃ちしたり、相手の槍の攻撃を正面から迎え撃ったりしてたわけですね。
確かにその方が盛り上がって、観客からの印象も良くなりますね。
エールちゃんの今後の進退を考えると、国民からの好感度は上げておいた方がいいです。
私はきなこちゃんの戦い方に感心しました。その上で言います。
「たしかに勇者よりカッコイイ勝ち方でしたねぇ。でもそれ、残念ながら私達に出来そうにないです」
「堂々と言いますね」
「たぶん私達が勝つ方法、これしかないかなぁって思うんです。まぁ、最高にカッコ悪い戦い方になるでしょう」
私と西蓮寺さんのペア。
もうね、まともな勝負になりませんよ。西蓮寺さんは鈍くさいし、私も戦うのとか苦手なんですから。
ですからまぁ……こうするしかないですよね。
「私達は『自爆戦法』で戦います」
「まじで草生える」
私の発言に西蓮寺さんがいつも通り草を生やします。いや、草生やすなら少しは笑ってくださいよ。
まぁどうなるか分かりませんが、やるだけやって散りましょう!
これで200話いきましたね……
約2年の執筆。遅筆なのでここまで長くかかりました。
最近書くペース上がりましたけど、それはたぶんソシャゲをやめたおかげかもしれません。
ここまで読んでくれている人、本当にありがとうございます。
これからもチーちゃんはまだまだ頑張ります!




