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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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175/244

Lo175.ルナ子が悪いんだよ

 聖都レムエルサにある聖なる湖。

 枯れることの無いその豊かな水源は、はるか昔から人々の生活を支えていたそうです。

 その聖湖のど真ん中に、古代から存在する荘厳な神殿があります。その神殿を入った奥にダンジョンの入り口があります。


聖湖の迷宮(ホーリーレイク・ダンジョン)


 ダンジョンの入り口は高さ10mはあろうかという巨大な扉でした。こんなの人力で開くのかな? と思いましたが、何故か開けることは非常に簡単。扉の前に立っただけで開くので、入ってくれと言わんばかりのガバガバセキュリティです。


 だから門番がいるんですよね。門番は冒険者ギルドの職員が主で、強さはCランク冒険者以上。

 なかにはウェダインさんみたいなAランク以上の強さの門番がいるかもしれませんが、流石にアレは例外中の例外でしょう。


 門番のいかついおじさんがこちらに声をかけます。


冒険者証(ギルドカード)の提示をお願いします」


 もちろんそんなものないです。

 一応、私だけは現役のSランク冒険者なんですが、色んな荷物とともに船に置いてきちゃいました。まぁ持ってきてたらトラブルの元になりそうな気もするので、かえってよかったですが。

 西蓮寺さんが一歩前に出ます。


「私達は特級聖女リュミエール様に仕える者です。彼女からの許可証を持って参りました。本日より利用させていただきますので、よろしくお願いします」


 おお、流石西蓮寺さん。外面が良いです。

 こういう何の面識も無い他人とは、逆に普通に喋るんですよね彼女。おかげで初対面では常識人に見えるようです。


「……確認しました。それではお通りください」

「ありがとうございます」


 門番さんは職務に忠実な方で、特に何も言わずに通してくれました。ふむ、良いですね。余計な詮索はしないその勤務態度、えらいです。それにしても……


「西蓮寺さんは所作が美しいですねぇ」

「……そう?」

「そりゃ本物のお嬢様だからね……」


 あ、そうなんですか。まぁそうなんだろうなと思ってましたが。なんとなく。


「ほへー。まぁ確かに苗字に『寺』とか『院』がつくのはお嬢様な気がします」

「大道寺とか花京院とか?」

「そんな感じです」

「花京院で草」


 すぐ草生やしますねこのお嬢様。ネットに毒されすぎじゃないですか?


「貴方達はあまり私を特別視しないから、好き。ネトゲのフレみたい」

「学校じゃ孤立してるタイプですか?」

「うん」

「はっきりと肯定しましたね……」


 だからネトゲにハマってるんですかねこのお嬢様? 友達が出来なくて……


「かといって、あまり親しくもないのに私のことを呼び捨てにする人は好きじゃないけど」

「ハイブリッジのことか」

「ああ、さっきの高橋さん。距離感は大事ですねぇ」

「西蓮寺さんは高橋くんと仲良いの? なんか噂になってるけど」


 へー、確かに見た目は美男美女。お似合いのカップルに見えますが……西蓮寺さんは否定するように首を横に振りました。


「勝手にカップリングされるのは……困る。たぶん趣味が合わない。なんかリア充っぽいし……」

「西蓮寺さん、高嶺の花っぽく見えるけど話したら割と普通だもんね」


 普通というより、陰キャ寄りですけど。でもまぁ、外見や所作と違って中身がお嬢様様に向いてないのは分かります。


「須木さんの方が……好き。入学式で迷子になってるときに話しかけてくれたし、こっちに誘ってくれたし……」

「えっ、私!?」


 おや、意外なところに関係性が。これはキマシタワー?


「というか西蓮寺さんをこっちに引っ張りこんだ主犯はルナ子ちゃんだったんですか」

「だって、ね。なんか向こうのグループにいるときの西蓮寺さん死にそうな顔してたから、心配になって……」

「よく気付くものですねぇ。なんかボケーっとしてるなとしか思いませんでした」


 このクラスで4番目の地味に可愛い子、大人しいと思ったら地味にコミュ強です。弟や妹がいるタイプなんですかね?


「須木さん……私が路頭に迷ったら責任とって結婚して……」

「え? 財産貰えるなら良いけど」

「……ルナ子が悪いんだよ」

「そこまで悪くないから!?」


 いや、今のは大分悪いですルナ子ちゃん。これは勘違い量産されますわ。こういうのがラブコメ主人公になるんですよ。


「てっきり西蓮寺さんはエールちゃん推しだと思ってました」

「うん。特級聖女様も好き……許されるなら二股したい」

「貴方も大分悪いですよ!?」


 どうやら二股する気まんまんのようです。全くもう、悪いやつばかりですね?

 ……なんかユーくんに「それチーちゃんが言えることじゃないでしょ」って言われる幻聴が聞こえました。


「きなこちゃんは……そういう恋話とは無縁ですね?」

「何か言ったかオヌシ? 我がカラテの錆びにしてやろう。イヤー!」

「グワー!」


 まぁこの子も見た目は美少女なんですけど、変人タイプです。たぶんモテません。


 さて、扉をくぐるとそこには小部屋がありました。

 部屋の中には宙に浮いた大きなクリスタルが20個ほど。


Oh(おー)……わっついずでぃすこれなに?」

「これはポータルクリスタルですねぇ。このクリスタルを触ると、特定の場所に転移するんですよ」

「ああ、これで移動するんだね」

「ただし、今は使えません。おそらくダンジョンを踏破するごとに使えるようになるんでしょう。使えるクリスタルは光って見えるそうです」

「便利。ゲームみたい」


 最初に入ったハイセイカのダンジョンにもありましたねぇ、このクリスタル。

 おそらくダンジョンを作った神様からのサービスなんでしょう。感謝しなくてはいけませんね。

 ユーザビリティが行き届いてます。


「へー、使うときは触るだけでいいの?」

「はい。そうですね」

「これってズルできる? 例えば1階もクリアしてない人が、100階クリアした人についていくこととかは?」

「んー、うろ覚えですけど出来たような出来なかったような……」


 まぁ、そこらへんは忘れました。こういうとき毎回ズル出来るかどうか確認してくる西蓮寺さんは何なんでしょう? システムをハックしようとしているんですかね?

 きなこちゃんは光ってないクリスタルをぺたぺた触りました。


Huuum(フーム)、何の反応もなっしんぐ」

「そりゃあったら困りますよ。ズルじゃないですか」

「でもヒンヤリしてとてもクール(ひんやり)


 あ、そうか。反応しないクリスタルだったら触りたい放題なんですか。

 反応するクリスタルだったら触った瞬間、転移させられますからね。

 ちょっと興味が湧いてきました!


「わ、私もヒンヤリ触りたいです!」

「あ、私も!」

「不思議。指紋とか手の油とか全然ついてない。めちゃくちゃつるつるしてる……」


 私達は今だけしか触れない無反応クリスタルを触ることにしました!

 うにゃー、ひんやりするー。きもちいいー。めちゃくちゃつるつるー


「……なんか光ってないこれ?」

「え、そうですか?」

「きっと光の反射。気のせい」


 ルナ子ちゃんがなんか不穏なことを言いましたが、気のせいですよね。


「……いや、やっぱ光ってるよねこれ!?」

「え?」

「ん、気のせい……? ん?」

「キラキラでびゅーてほーきれいだね


 ……いや、これ気のせいじゃないですね!?

 どんどん光が強くなってる気がします!!

 や、やばい! な、なんか起きそうな予感が……!!


「み、みんな手を放してください! これなんかヤバい気が……!!」


 カッ!


 そのときクリスタルから強烈な光が放たれ、目の前が真っ白になりました!

 少しの浮遊感を感じます! まるでジェットコースターでふわっと宙に浮いたときの感覚……!!

 これ知ってます!! 転移するときの感覚です!!!


 やがて浮遊感が無くなり、地に足が着きました。白かった視界にだんだんと目の前の景色が映り始めます。

 ……目の前にあるのは、紫水晶で囲まれた洞窟でした!!!


「にゃあああああああ!!! 遅かったああああああああああ!!!!」


 今までと違う明らかに重苦しい空気。どんよりとした重圧が私達を襲います。

 これ絶対低層じゃないです。


 洞窟の上部を確認します。

 そこにはご丁寧なことに、黒い水晶の板に【75階層】という文字が刻まれているのでした……!

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