Lo171.念願のステータスオープン! やっと言えました!!!
夜中、私達5人は玉座の間にこっそり忍び込んでました。
何故こうなったかというと……
エールちゃんが言うのです。
「もう一度、『能力』と『天恵』を見てみませんか? 何か間違いがあるような気がしてならないんです」
「で、玉座の間に忍び込んだと」
「ここにしかあの石板は無いんです」
多分また無許可ですねこの幼女。行動力だけは無駄にあります。
あの石板、というのは人の身長くらいの黒くて平たい板、謎モノリスくんのことでしょう。触れるだけで『能力』と『天恵』が見れる代物らしいです。
「へー、これ貴重だったんですね」
「はい。たまにダンジョンから出るらしく、世界に20個ほどしかない貴重なものらしいです」
「あ、20個ですか。割とあるんですね」
「大国には割とあります」
謎のモノリスくん、そこそこあるようです。まぁハルテンでは見たこと無かったんですけど。
「では使ってみてください。まずはサイレンジシズカから」
「……なんで私から?」
「弱いもの順です。強い方は後のお楽しみです」
「草」
見た目クール美人なのにすっかり雑魚扱いされるようになった西蓮寺さん。最初にエールちゃんの【神威】に平然と耐えてたあの強キャラ感はどこにいってしまったのでしょう?
西蓮寺さんが石板に手を触れます。すると石板に文字と数字が浮かびあがりました。
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【西蓮寺静香のステータス】
レベル:1
HP:150/200
MP:400/400
ちから:40
みのまもり:40
すばやさ:10
天恵:『魔女』
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ふむふむ……こうやって表示が出るんですか。ゲームみたいですね。
数値は……高いのか低いのか分かりません!
しかしエールちゃんはそれを見て驚きました。
「これでレベル1……?」
「高いんですか、低いんですか?」
「びっくりするほど高いです。信じられないことに。力も身の守りも水準のはるか上です」
「えええええ!?」
なんとびっくり。西蓮寺さんはめっちゃ高ステータスのようです。
「ちなみにそれぞれのステータスについて説明した方が良いですか?」
「あ、はい。なんとなく分かりますけど、一応お願いします」
「要するにこんな感じです」
そう言ってエールちゃんは石板の隣に置いてある看板の説明文を指差しました。こんなの置いてあるの親切ですね。
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【力量測定の神石の説明】
レベル:魔物を倒すことで上がる。
HP:生命力や体力量。
MP:魔力量。魔法に影響する。
ちから:力の強さ。主に腕力。
みのまもり:身体の頑丈さ。
すばやさ:俊敏さ。スピード。
天恵:神様から与えられた特別な才能。
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ほえー、これ【力量測定の神石】っていうんですか。
しかし、まるっきりゲームみたいですね。なんでHPとMPがあるんですかね?
いや、HPとMPの意味自体は分かりすぎるほど分かってしまうんですけど。
エールちゃんは言います。
「サイレンジシズカのステータスですが、特にこのHPとMPは異次元レベルで高いです。これで何であんなに弱いんですか?」
「ふっ……インドアの運動不足を舐めてはいけない。身体の操作技術がとんでもなく低くて全く身体が使えてないからに決まってる」
「全く威張ることじゃないです」
実は天恵だけではなくステータス的にも強かったことが判明した西蓮寺さん。恵まれたスペックからクソみたいな弱さ。びっくりですね。
「wi、次はワタシだ」
「弱いもの順と言ったはずですけど……」
「いぐざくとりー。だからワタシから」
そう言って次はきなこちゃんが石板に触れました。え、今のどういう意味ですか?
実はルナ子ちゃんの方が……強い?
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【望月きなこのステータス】
レベル:1
HP:13/34
MP:0/0
ちから:14
みのまもり:11
すばやさ:28
天恵:無し
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あれ? これは一体どういうことでしょう……?
「おかしいですよ。きなこちゃんのステータスが西蓮寺さんよりずっと低いんですが!?」
「いや、これ実はそこそこ高い数値です。レベル1の平均ステータスは10、HPのみ平均20です。だからこれは水準を上回ってます」
「え、10が平均って……つまり?」
「これで分かったでしょう。キナコが低いのではなく、先程のサイレンジシズカの数値が異常に高いことに。レベル1で力と身の守りが40というのは、戦士系よりずっと高いんです」
「天恵が『魔女』なのに!?」
「……身体は丈夫って昔から言われてる」
「転生前からそうなんですか!?」
なんとびっくり。西蓮寺さんはとんでもなく強いことが判明しました。逆にどんだけ身体の操作技術が低いんですか?
「えと、じゃあ次は私かな……」
「あ、クラスで4番目に可愛い子だ」
「いやだからそれ褒め言葉なの?」
次はクラスで4番目に可愛いという噂の須木月子ちゃんです。たぶん男子に人気。ちょっと地味。
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【須木月子のステータス】
レベル:1
HP:12/20
MP:0/0
ちから:12
みのまもり:60
すばやさ:10
天恵:無し
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ふむ……普通?
エールちゃんが講評します。
「サイレンジシズカと比べると普通に見えますが……みのまもりが異様に高いですね。ここだけ明らかに異常値です」
「あー、私も結構丈夫だからかな……」
「丈夫なだけで常人の6倍は行きすぎな気もしますが……転生者はそういうものなので気にしないでいきましょう」
「あ、そういうものなんですね」
しかしまぁ、みのまもりが高い以外はほぼ平均値で特段おかしなところは無さそうですが……
エールちゃんは首をかしげました。
「しかし……先程のキナコもそうですが、『MP0』というのはおかしいですね。普通なら1は必ずあるはずなんですが」
「えっ、そうなんですか?」
「ええ。魔力はこの世界に生きる者全てに宿っています。だからありえない数値なのです。もしかしたらそのへんに『天恵無し』の理由があるのかもしれません」
「ふむふむ」
「まぁ、理解できないことは置いておきましょう。転生者はそういうものなので」
エールちゃんはあまり深く考えないタイプのようです。幼女ですからね。
「さて、知りたいことは知りましたし帰ります」
「えええええ!? 私は!? 私は!!」
「冗談です」
「よかった~」
はい、忘れられてるかと思いました!
大注目のチーちゃんがいよいよ測定しますよ!!
えへへ、こういうのやってみたかったんです。
「ステータスオープン!」
「……しまった。私も言うべきだった。ステータスオープン。負けた……」
西蓮寺さんが何故か敗北しました。ふっふん、異世界でいつか言おうと思ってたんです。遂に言う機会がきました!
さてさて私のステータスは、と……
ザザッ……
私の指が触れると、何故か石板の表面にノイズが走りました。
ん? 何ですかね? 故障ですか?
しかし少しの硬直を経て、石板に文字がちゃんと表示されました。
はー、びっくりした。壊れたかと思いましたよ。どれどれ……?
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【淡??ち????????)のス???タス?
レベル??0
えいちぴー??99/999
え??ぴー??/0
ちから??0
みのまもり??0
す????????00
天恵??チーち????
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……え? これなんですか!?
私はエールちゃんに聞きます。
「文字化けしてませんかこれ!?」
「びっくりしました」
「ど、ど、どういうことですか? 故障したんですか!?」
「かもしれません」
え、私が触ったから故障したってことですか!?
触ったときなんか変なノイズも流れましたし!!
エールちゃんは何か考え込み、呟きました。
「『神はときに人を惑わす』……ですか」
「ど、どういう意味ですか?」
「この石板は神の遺産です。干渉するのも神の御業。そして神は測れるものではありません」
「つまり……?」
「全くアテにならなくなったということです。この石板の情報は」
「そうなんですか!?」
良く分かんないことになってきました! 私はただステータスを見たかっただけなのにー!
「とりあえず……これ以上変なことになる前にここから逃げましょう」
「へ、変なことって!?」
「『神』は探られることを嫌います」
「どういうことですか!?」
「そういうことです」
その後はエールちゃんの命令に従い、私達はすみやかに玉座の間から脱出しました。
……え? どういうことですか? ホラー展開??
その後の会話。
「そういえば『勇者』の天恵を持った男子がいましたね。彼はどのくらいだったんですか?」
「それなら覚えてる。めちゃくちゃ覚えやすかったから、書く」
「わーい。どれどれ、『勇者』様のステータスは……?」
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【高橋のステータス】
レベル:1
HP:100/100
MP:50/50
ちから:50
みのまもり:50
すばやさ:50
天恵:『勇者』
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「……なんというか、フラットですね?」
「高橋、面白味が無い」
「ええっと、逆にすごいと思う」
「ミュウの種族値みたいで草生える」
散々な言われような高橋さんでした。
いやまぁ、良く知らない人なんですけどね。




