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灰鉄のノイン~十三メートルから始まる機装兵戦記~  作者: 本の寄生虫
第一章 灰鉄盆地と自治都市リーヴァ

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扉の向こうの終戦

解除軸は、十二度を越えたところで止まった。


ノインの左手が点検口の奥で軋む。


人差し指は満足に曲がらず、中指の駆動索にも損傷がある。三本の指で軸を押さえ、ミラが噛ませた解体棒へ力を伝えていた。


『軸受けの抵抗が増加しています』


「錆じゃない。向こうから固定されてる」


ミラは解体棒を引いた。


解除軸は戻らない。


隔壁の裏側で、金属同士が触れる微かな音がした。


誰かが手動閉鎖桿を握っている。


「聞こえるか!」


ミラは隔壁を二度叩いた。


「こっちはリーヴァの回収班だ! 灰色の軍服を着た六人とは別だ!」


返事はない。


代わりに、隔壁の向こうで何人かが動く足音がした。


一人ではない。


近づく者。


離れる者。


小声で言い争う者。


「負傷者がいるなら先に診る! こっちにも、あんたたちの回収班が三人残ってると聞いた!」


隔壁が一度叩かれた。


四回。


間を置き、二回。


先ほどと同じ合図だった。


ミラも四回、二回と返す。


「話ができる奴を一人出せ! こっちも一人だけ残る。銃は置く!」


背後でエルナが息を吐いた。


「勝手に条件を決めるな」


「兵士が並んだままじゃ、向こうは開けない」


「お前一人を置くのか」


「ノインもいる」


『私は武装した大型機装兵と判断される可能性があります』


「武器はない」


『左手による打撃は可能です』


「今それを言うな」


エルナは塞がった隔壁を見た。


向こう側から、子供の泣き声が僅かに聞こえてくる。


銃声ではない。


命令でもない。


それが、決断を早めた。


「防衛隊は分岐まで下がる。私は残る」


「指揮官が残ったら意味がない」


「都市側の約束をする者が必要だ」


「約束できるのか」


「何を要求されるかによる」


ミラはノインを見上げた。


「お前は三歩下がれ」


『隔壁から離れた場合、解除軸を保持できません』


「手だけ残せ」


ノインは機体を後退させた。


左腕だけを伸ばし、指先で解除軸を支える。


胸部と頭部が赤い非常灯の外へ下がったことで、隔壁の前に残ったのはミラとエルナだけになった。


都市防衛隊員たちも、ドーマたちも通路の角へ消える。


エルナは短銃を床へ置いた。


長銃も壁へ立てかける。


ミラは腰の切断器と解体棒を外した。


工具を武器と呼ばれれば否定はできない。


すべて床へ並べ、両手を見せる。


「こっちは二人だ! 武器は置いた!」


隔壁の向こうで、話し合う声が大きくなった。


男の声。


女の声。


若い声。


同じ意見ではない。


「リーヴァだと?」


ようやく返事があった。


年齢の高い男の声。


「リーヴァはアルディア軍を裏切った都市だ」


エルナの顔が硬くなる。


ミラは先に答えた。


「そう言う奴がいるのは知ってる」


「中央の破壊命令に逆らい、西方軍へ工場を渡した」


「工場を壊さなかった。だから今も水と電気を作ってる」


「祖国を売った言い訳だ」


「祖国は三か月前になくなった」


隔壁の向こうが静まり返った。


次に返ってきた声には、怒りより恐怖が混じっていた。


「嘘をつくな」


「標準暦二一七年、炉月十四日だ」


「施設時計は炉月十二日で止まっている」


「止まったのは九十三日前だ」


男は答えなかった。


ノインの声が、離れた位置から響く。


『訂正します。当施設の主時計停止から九十二日、二十一時間、四十四分です』


隔壁の向こうで何かが倒れた。


誰かが驚いて後退したらしい。


「誰だ」


『旧式作業機の制御人格です』


ミラがノインを見上げる。


「余計な説明をするな」


『第二級補助人格として不自然ではない範囲に制限しました』


隔壁の向こうから、若い男の声がした。


「外に機装兵がいるのか」


「片腕の壊れた機体だ。武器はない」


「灰色の連中は、外は西方軍に占領され、機装兵はすべて接収されると言った」


「半分は本当だ」


エルナがミラを睨んだ。


ミラは構わず続ける。


「旧軍機は登録が必要だ。武器も封印される。人工人格は検査される。私たちも昨日、門で止められた」


「なら、なぜここにいる」


「変圧器を持ち帰れば、私の居住資格と、この機体の仮登録が出る」


再び沈黙。


エルナが低く言う。


「そこまで話す必要があるか」


「嘘をついても、変圧器を外すときに分かる」


隔壁の向こうで女の声がした。


「やっぱり設備を奪いに来たのね」


「そうだ」


エルナが今度こそミラの肩を掴んだ。


「言い方を考えろ」


「回収任務で来たのは事実だ」


ミラは隔壁へ向き直る。


「三号変圧器を運ぶ。だが、それであんたたちの水や換気が止まるなら、先に別回線へつなぎ直す。状態を見ないまま外す気はない」


「そんな約束を信じられるか」


「信じなくていい。作業中は、そっちの技術者を立ち会わせろ。私の手順を見て、危ないと思ったら止めろ」


向こうで囁き声が重なる。


先ほどより近い。


隔壁のすぐ裏まで、何人か来ている。


「こちらにも技術者がいると、なぜ思う」


「三か月、水と換気を維持してる。素人だけじゃ無理だ」


返事が途切れた。


図星だった。


「先に負傷者を見せろ」


ミラは続けた。


「こっちの衛生兵に診せる。代わりに、そっちから代表を一人出せ。避難区画へは入らない」


「兵士を入れないと約束できるか」


エルナが答えた。


「住民側から攻撃がない限り、避難区画へ武装した隊員は入れない。入口外で待機させる」


「外へ出た者を拘束しないか」


「身元確認はする。武器があれば預かる。負傷者は治療する」


「リーヴァへ連れていくのか」


「本人が望めばな」


「望まなければ」


エルナは一瞬迷った。


「施設に残る権利まで、私には保証できない。この施設は都市が回収権を主張している」


隔壁の向こうで、怒声が上がった。


「やはり追い出すつもりだ!」


「私は保証できないと言った」


エルナの声が鋭くなる。


「代わりに、今日ここで全員を連行しないことは約束する。負傷者と子供を先に外へ出す。残る者については、都市へ戻って評議会と交渉する」


「評議会など信用できるか!」


「私も全面的には信用していない」


ミラが横目でエルナを見る。


エルナは隔壁から視線を外さなかった。


「だが、灰色の六人よりは、書面を残す。命令した者の名前も残る。違反すれば責任を問える」


若い男の声が返る。


「灰旗団は旧軍だ。正式な命令鍵を持っている。あの人たちなら、アルディアを取り戻せる」


年長の男が怒鳴った。


「ヨルク、黙れ!」


「何が違う! 外へ出れば占領者の規則に従わされる! ここで待てば軍が来ると言ったのは主任だろ!」


「彼らはリーナを連れていった!」


女の声が震える。


「治療をすると言って。なのに戻さない。通信室へ案内しろと銃を向けた!」


「誤解だ! 敵が来たから——」


「私たちに砲台を向けたのも、あの人たちよ!」


隔壁の向こうで足音が乱れた。


取っ組み合いになったらしい。


金属が床へ落ちる。


安全装置の外れる音。


銃だ。


エルナが床の短銃へ手を伸ばしかける。


ミラが腕を押さえた。


「今取ったら、向こうも撃つ」


「中で発砲されれば交渉は終わる」


「だから止める」


ミラは隔壁を強く叩いた。


「ヨルク! 灰旗団が正式な軍なら、なぜ住民へ銃を向けた!」


「施設を守るためだ!」


「誰から守る!」


「西方の手先からだ!」


「リーヴァの回収班が来る前から、回収業者を閉じ込めたのはなぜだ!」


返答が止まる。


「六日前に入った四人は武器を向けたか? 食料袋を持って避難区画へ逃げたのは、あんたたちを撃つためか?」


年長の男が低く言った。


「回収班は、こちらを見つけた。外へ連絡しようとした」


「灰旗団はそれを止めた」


「保安のためだと……」


「連絡されたら困るからだ。住民がいると知られれば、施設を好きに使えなくなる」


若い男が何か言い返そうとした。


そのとき、施設の拡声器が鳴った。


雑音。


続いて、女の苦しそうな息遣い。


『避難区画の全員へ告げる』


知らない男の声だった。


落ち着き払っている。


『リーヴァの部隊は、旧軍資産を略奪するため侵入した。彼らへ協力した場合、敵性支援と判断する』


隔壁の向こうから、誰かがリーナの名を呼んだ。


『中央通信室は、まもなく上位指揮系統との接続を回復する。住民は避難区画で待機せよ。抵抗しなければ安全を保証する』


ノインが内部音声で告げる。


『通信開始まで二十一分です』


拡声器から小さな呻き声が流れた。


女。


連れ去られたリーナだ。


『主任……言うことを聞かないで……通信室の下に、兵器庫が——』


鈍い打撃音。


声が途切れた。


『不適切な発言を確認した。住民は待機せよ』


通信が切れる。


隔壁の向こうでは、誰も話さなかった。


ミラは床に置いた工具を見た。


切断器。


解体棒。


細線。


どれも交渉を成立させる証拠にはならない。


だが、今できることを形にする道具ではある。


「隔壁を二十センチだけ開ける」


ミラは言った。


「こちらは下がる。負傷者と代表一人だけ出せ。水と治療具を置いておく」


「罠ではない証拠は」


「ない」


ミラは即答した。


「私たちが約束を破れば閉めろ。解除軸はそっちからも戻せる」


『右側の閉鎖桿を下げれば、隔壁は再閉鎖できます』


ノインが説明する。


「それを先に言え」


『交渉条件に必要と判断しました』


年長の男が尋ねた。


「機械の言うことを信じろと?」


ミラはノインを見上げた。


「こいつは、不都合なことも言う。私が間違ってると思えば、根拠を求める。都合のいい数字は出さない」


『訂正します。推定値は提示しますが、不確実性を併記します』


「今は細かく言うな」


隔壁の向こうで、誰かが小さく笑った。


緊張が一瞬だけ緩む。


年長の男が言った。


「二十センチだ。それ以上開けたら閉じる」


「分かった」


ミラは床の工具を拾わず、解除軸へ両手をかけた。


「ノイン。左へ戻せ」


『必要角度を要求します』


「八度。抵抗が抜けたら止めろ」


ノインの指が動く。


解除軸が戻る。


隔壁の下端が僅かに持ち上がった。


五センチ。


十。


二十。


「止めろ」


隔壁が止まる。


向こう側から、右の閉鎖桿を握る音がした。


ミラとエルナは六歩下がる。


エルナが水筒と包帯を床へ置いた。


さらに短銃を足で後方へ滑らせる。


隔壁の隙間から、最初に白い布が出てきた。


次に、細い手。


誰も撃たないことを確かめるように、ゆっくり動く。


やがて女が一人、床を這って出てきた。


三十歳前後。


頬がこけ、片腕に古い火傷痕がある。


背後から、肩を負傷した回収員を引いている。


オルフの仲間だ。


女は回収員を隔壁の外へ出し、自分も続いた。


すぐには立たない。


床へ膝をついたまま、ミラとエルナを見る。


「避難設備主任代行、マルタ・ゼーリヒ」


年長の男ではなかった。


隔壁越しに話していた主任本人は、中へ残ったらしい。


「代表はあんたか」


「主任は外へ出られない。腰を痛めている」


マルタはノインを見上げた。


琥珀色の補助光学器が、自分を追っていることに気づく。


「本当に作業機?」


「作業ができる機体だ」


「答えになってない」


「今はそれで足りる」


エルナが衛生兵を呼ぼうと手を上げる。


マルタが身構えた。


「一人だけだ。武器は置かせる」


エルナが言う。


「こちらの負傷者もいる。時間がない」


衛生兵が一人、医療鞄を持って近づいた。


長銃は分岐へ置いてきている。


マルタは拒まなかった。


回収員の傷を診ている間、ミラは床に施設略図を広げた。


「三号変圧器を外すと、避難区画の電気は落ちるか」


マルタの目が変わる。


恐怖より、仕事の顔になった。


「そのまま外せば落ちる。三号から非常母線へ迂回してる。二号は焼損。四号は冷却油がない」


「別回線は」


「旧蓄電室から引ける。でも制御盤が浸水してる」


「水位は」


「膝下。絶縁床は剥がれてる」


「生きてる母線は」


「左壁の上段二本。下は全部死んでる」


ミラは図面へ線を引いた。


「私がつなぐ。あんたが立ち会え」


「三号を持っていくのは認めてない」


「つなぎ替えが成功してから決めろ」


「失敗したら」


「持っていかない」


エルナが口を挟む。


「契約対象だ」


ミラは顔を上げる。


「住民の換気を止めて運び出せば、帰る前に暴動になる」


『避難区画の換気停止後、二時間から四時間で二酸化炭素濃度が危険域へ達すると推定します』


ノインが言った。


「ほら」


「作業が失敗した場合の代案は」


エルナが問う。


ミラはマルタを見る。


「四号へ油を入れれば使えるか」


「絶縁試験が必要。でも油さえあれば、出力は足りる」


ドーマが通路の角から声を上げた。


「回収車に変圧器油が二百リットルある。巻上機用の予備だ」


マルタが驚いて振り返る。


「純度は」


「戦前規格じゃないが、水は混じってない」


「二百じゃ足りない」


「三号から抜く」


ミラが言う。


「搬出前に三号の油を四号へ移す。足りない分だけ予備を足す」


『三号変圧器の搬送重量を、推定一・三トン削減できます』


ノインが補足する。


ドーマが笑う。


「そいつは助かる」


マルタは図面を見たまま黙った。


住民を守ること。


変圧器を渡さないこと。


連れ去られたリーナを助けること。


すべてを同時に選べる状況ではない。


「通信室へ行く道を教えてくれ」


ミラが言った。


「リーナを取り戻す。灰旗団が施設を完全に押さえる前に止める」


「それを信じろと?」


「変圧器が欲しいからだ。通信室を取られれば搬出できない。あんたたちが欲しいのはリーナと避難路。目的が一部重なってる」


「善意ではないのね」


「善意だけで九メートルの機体は動かない」


マルタは初めて、僅かに頷いた。


「信用はしない」


「それでいい」


「でも、灰旗団よりは条件を隠さないと判断する」


エルナが尋ねる。


「住民を外へ出せるか」


「子供三人と負傷者二人は出す。残りは、リーナが戻るまで動かない」


「避難区画に武器は」


「短銃が二丁。猟銃が一丁」


「入口で預かる」


「一丁は残す」


エルナは首を振った。


「認められない」


マルタも譲らない。


「灰旗団が戻ったとき、何も持たず待てと言うの?」


「防衛隊員を二人置く」


「都市の兵士を中へ入れない約束よ」


両者の視線がぶつかる。


ミラは施設図を指で叩いた。


「避難区画の外側、補助倉庫はどっちの管理だ」


「施設区画。居住区ではない」


「そこへ防衛隊二人を置く。住民側は猟銃一丁を入口内側に残す。短銃は預ける。互いに扉を越えない」


エルナが考える。


マルタも図面を見る。


「発砲したら」


「最初の一発を撃った側が約束を破ったことにする」


『射撃音は私が識別します』


ノインが言った。


マルタが機体を見上げる。


「機械が裁定するの?」


「こいつは耳がいい。人間より嘘をつく理由が少ない」


『私は虚偽応答が可能です』


「ノイン」


『不正確な説明を訂正しました』


マルタは数秒間ノインを見つめた。


それから、疲れ切った顔で笑った。


「本当に、都合の悪いことも言うのね」


「そういう機体だ」


隔壁の向こうで、閉鎖桿が動いた。


住民側が二十センチの隙間をさらに広げる。


最初に子供が一人、母親に抱かれて出てきた。


続いて二人。


負傷した回収員。


足を引きずる老人。


全員がノインを見上げ、同じように足を止めた。


ノインは動かなかった。


左手を床へ置き、掌を上へ向けている。


武器を持っていないことを示すような姿勢だった。


『避難者五名を確認。経路上の防衛装置は停止しています』


マルタがミラへ小さな鍵を渡した。


「旧蓄電室の鍵。通信室へ行く保守通路も、そこから入れる」


「灰旗団は知ってるか」


「主通路しか教えていない。保守通路は主任と私しか知らない」


「リーナはどこから連れていかれた」


「中央階段。通信室の一つ上に兵器保管区画がある。彼女が言おうとしたのは、たぶんそこ」


ノインの声が低く響く。


『通信開始まで十四分です』


エルナが銃を拾い上げた。


「全員、配置につけ。回収班は四号変圧器の再起動準備。避難班は負傷者を入口へ。ミラとマルタは旧蓄電室へ」


「ノインは」


ミラが問う。


「搬送路から各班を誘導しろ。灰旗団が出たら知らせろ」


『通信室へ直接同行する案を提案します』


「通路幅が足りない」


『壁面を破壊すれば通過できます』


「住民の施設を壊すな」


マルタが即座に言った。


『了解しました』


ノインの補助光学器がミラへ向く。


『ミラ。保守通路内では、私の視覚支援が届きません』


「施設図と音声があれば足りる」


『あなたの生体信号も取得できません』


「切断器を使えば電流変化で分かる」


『それだけでは負傷を検出できません』


ミラは床の工具を拾った。


解体棒。


切断器。


検査針。


いつもの重さが腰へ戻る。


「私は設備を見る。お前は全員を見る。分担だ」


ノインは短く沈黙した。


『合理的です』


「その言い方なら、納得したってことにしておく」


マルタが保守通路の扉へ鍵を差し込む。


錠が外れる。


奥から、湿った冷気が流れてきた。


地下へ下りる細い階段。


壁面には非常電源の表示灯が並び、その半分が赤く点滅している。


ミラは一段目へ足を置いた。


「マルタ」


「何?」


「外へ出るか残るかは、通信室を止めてから決めろ。今、急いで答える必要はない」


マルタは避難区画から出てくる住民を見た。


都市防衛隊。


回収業者。


片腕の機装兵。


どれも信用するには足りない。


それでも、閉じた扉の前に立ち続けるよりは、選べるものが増えていた。


「リーナを連れ戻したら考える」


「それでいい」


二人は階段を下りた。


背後で保守扉が閉まる。


ノインの琥珀色の光が、扉の小窓から最後までミラを追っていた。


通信開始まで十三分。


交渉は終わっていない。


ただ、誰と話すべきかは決まった。


灰旗団が命令を持っているなら、ミラたちは条件を持って進む。


戦争が本当に終わったかどうか。


それを証明するものは、日付でも印章でもなかった。


扉を開けた後、約束した通りに手を動かすことだった。


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