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灰鉄のノイン~十三メートルから始まる機装兵戦記~  作者: 本の寄生虫
第二章 西方回廊と自由港セレネ

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14/23

条約監察官

装甲列車《灰走》は、朝の霧を押し分けて整備廠へ入ってきた。


先頭の機関車は、元の形が分からないほど鋼板で覆われている。


傾斜した前面装甲。


鉄道枕木を束ねた衝角。


左右で口径の違う小砲。


灰風を吸い込まないよう、煙突には工場用の集塵器が継ぎ足されていた。


機関車の後ろには、砲塔車、兵員車、貨物車、工作車が続く。


塗装はすべて剥げている。


灰色に見えるのは、塗られているからではない。


煤と鉄粉と、何度洗っても落ちない灰が積もっているためだった。


列車は旧第六整備廠の脇線へ入り、軋みながら停止した。


最後尾の低床貨車だけが、整備区画の正面へ来る。


床中央が深く落ち込み、左右に太い固定梁が立っている。


機装兵輸送用の車両だった。


ミラはノインの右腰から顔を出した。


曲がった骨格へ、加熱した鋼板を当てている途中だった。


「ずいぶん早いな」


セラが下から答えた。


「出発は三日後よ」


「修理が終わると思ってるのか」


「終わらなくても載せるつもりみたい」


「誰が」


「評議会」


ミラは鋼板を押さえていた締め具を一段強くした。


ノインは整備架台へ吊られている。


右腰の破裂した外部油圧筒は外されていた。


湾曲した骨格は、完全には戻らない。


左脚には作業機から移植した太い膝。


左手は三本指。


主光学器は壊れたまま。


背部には鉄道車両用の放熱管が、臓器を外へ晒すように並んでいる。


『三日後の歩行能力回復は可能です』


「長距離は無理だ」


『駅までの移動距離は一・三キロメートルです』


「腰を直さずに歩けば、その一・三でまた曲がる」


『輸送車両へ直接吊り下ろす案があります』


「お前も載る気になってるのか」


ノインは僅かに間を置いた。


『同行条件の確認後に判断します』


「珍しく正しい」


整備廠の扉から、鉄路労働者連合の一団が入ってきた。


先頭の男は、擦り切れた運転外套を着ている。


髪も髭も灰色で、左耳が半分ない。


胸元には列車長を示す真鍮札が下がっていた。


「ミラ・ハーシェルはいるか」


「上だ」


男はノインを見上げた。


「どっちのことだ」


「工具を持ってる方だ」


「小さいな」


「悪かったな」


ミラは架台の梯子を降りた。


男は油で黒くなった手を差し出す。


「《灰走》列車長、オスカー・レンツ。セレネまでの往復を預かる」


ミラは手を握った。


掌が硬い。


機関車の弁か、制動器を長く扱ってきた手だった。


「予定は何日だ」


「最短で二十二日。西部隧道と旧前線で止められなければな」


「止められる予定があるのか」


「予定にないから止められる」


オスカーは低床貨車を指した。


「そいつを載せる。護衛兼、工作車の補助機。お前は機装兵整備と、セレネでの部品選定だ」


「聞いてる」


「聞いてない条件もある」


男は折り畳んだ図面を作業台へ広げた。


西部鉄道隧道。


戦時中に崩落し、単線だけが復旧している。


中央部の天井高が赤い線で示されていた。


「一番低い場所で、レール面から九・八メートル」


ミラはノインを見た。


ノインの全高は九・四メートル。


低床貨車の床面は、レールより七十センチ高い。


「立たせたら当たるな」


「頭だけ外すか?」


『頭部には補助光学器と近距離通信器があります』


ノインが答えた。


オスカーは眉を上げる。


「自分で答えるとは聞いていたが、本当に答えるんだな」


『事実確認へ必要と判断しました』


「外すのは駄目か」


『移動中の周辺認識能力を喪失します』


「貨物は周辺を見ない」


『私は貨物として同行するのですか』


オスカーがミラを見る。


「面倒だな」


「本人に言え」


「機装兵本人という言い方には、まだ慣れん」


「三日あれば慣れる」


ミラは図面上の低床貨車を指で叩いた。


「寝かせるしかない」


「そのつもりで車両を出した」


『水平姿勢で主動力炉を連続稼働させた場合、背部冷却系の上部配管へ気泡が蓄積します』


「炉を止めろ」


『拒否します』


今度は間がなかった。


オスカーの表情が変わる。


「列車内で軍用炉を動かし続ける気か」


『主動力炉を完全停止した場合、損傷した記憶保持系が不安定になります。再起動後の記憶欠損率は予測できません』


ミラはノインを見上げた。


地下施設で、外部電源が切れかけたときと同じ問題だった。


あのときは、記憶保全を残したために歩行出力が不足した。


今は、炉を止めれば西部隧道を安全に通れる。


代わりに、何が失われるか分からない。


「待機出力までなら落とせるか」


『可能です。ただし水平姿勢では、待機出力でも三時間四十分後に冷却流量が低下します』


「隧道を抜けるのに」


オスカーが答える。


「最短五時間。中で対向列車を待てば八時間だ」


「斜めに寝かせる」


ミラは低床貨車へ近づいた。


床へ上がり、固定梁を叩く。


前方の梁は厚い。


後方は爆撃で曲がったものを切り直してある。


溶接は新しいが、鋼材そのものは古い。


「胸を十二度上げる。背部の冷却器を一番高い位置へ置く」


『十二度では気泡の移動が不十分です。最低十七度を要求します』


「十七だと隧道天井へ当たる」


『頭部を胸側へ二十一度傾けます』


「首の回転軸は壊れてる」


『固定具を外せば傾斜可能です』


「戻せなくなるかもしれない」


『西方地域で代替固定具を入手します』


オスカーが腕を組む。


「列車の上で首を外す相談をするな。先に載るか決めろ」


「条件書は」


「工作車にある。評議会の役人と、もう一人が持ってきている」


「もう一人?」


オスカーは、列車の中央にある客車へ顎を向けた。


「西方から来た監察官だ」


工作車の内部は、工場を細長く押し込めたような場所だった。


片側に旋盤。


反対側に溶接台。


天井から工具と部品箱が吊られ、列車が揺れても動かないよう鎖で固定されている。


中央の机には、四部の契約書が置かれていた。


評議会の記録官。


エルナ。


バルト。


そして見慣れない女が待っている。


女は二十代後半ほどだった。


淡い金髪を短く切り、濃紺の外套を着ている。


胸には、秤と閉じた目を組み合わせた銀の徽章。


リューデン共和国が主導する、条約監察局の標章だった。


「監察官、ユリア・メーレンです」


女は立ち上がった。


「西方協約地域へ入る交易使節に、条約監察官が同行することになりました」


ミラは椅子へ座らなかった。


「私たちを見張るためか」


「交易品、旧軍資産、封印対象兵器の監察が職務です。あなたたちだけが対象ではありません」


「私たちも対象だろ」


「はい」


ユリアは否定しなかった。


机の上に、分厚い書類を置く。


「自律兵器封印協定では、第三級以上の軍用人工人格を協約地域へ移送する場合、制御核の停止、記憶領域の封印、武装回路の物理切断が必要です」


『私は、その条件を受け入れません』


ノインの声は、工作車の外から届いた。


車両に設置された通信器へ接続している。


ユリアは通信器の方を向く。


「理由を記録します」


『完全停止による記憶欠損の危険があります。記憶領域の封印は、機体制御と自己診断能力を損ないます。武装回路については、現在武装を搭載していません』


「武装回路は残っている?」


『はい』


「なら協定上は兵器です」


「手も脚もあれば兵器扱いか」


ミラが言った。


「人間も同じだな」


「人間には、条約上の権利主体として別の規則があります」


「ノインにはない」


「現行の条約では」


ユリアの言葉は冷たくない。


慰める調子でもない。


そこに書かれているものを、そのまま読む声だった。


エルナが契約書を開く。


「リーヴァ評議会は、ノインを都市防衛外部契約班の構成員として認めた。制御核の停止は、この契約と矛盾する」


「リーヴァは協約加盟都市ではありません」


「西方地域へ入らなければ、蓄電器を買えない」


「だから特例を審査します」


ユリアは別の用紙を出した。


「制御核を停止しない代わりに、行動記録を常時保存する。武装接続口へ監察封印を施す。指定経路外では機体を輸送架台へ固定する。監察官が危険と判断した場合、停車と再審査を要求できる」


『危険の定義を要求します』


「対人攻撃。無断での軍用回線接続。自己改変による制限回避。命令系統への侵入」


『私は、必要に応じて自己改変を行います』


「それを監視するために同行します」


『私の記憶領域を閲覧しますか』


「閲覧許可を求めます」


『拒否します』


工作車の外で、機関車の圧力弁が鳴った。


白い蒸気が窓を覆う。


ユリアはノインの即答を書類へ記した。


「拒否を記録しました」


「それで終わりか」


ミラが尋ねる。


「拒否したこと自体を、人格性の判断材料にします」


バルトが笑った。


「機械が嫌だと言えば人格になるのか」


「録音機でも拒否という音声は出せます」


ユリアは男を見た。


「重要なのは、その言葉が内部状態と行動選択へ一貫して接続しているかです」


「何を調べたい」


「ノインが、自分の意思を持つ存在なのか。状況に合わせて人格を模倣する高度な制御装置なのか」


『差異を、どのように判定しますか』


「まだ決めていません」


今度はノインが沈黙した。


不明なものを不明と答える。


それはノイン自身が繰り返してきた態度だった。


ミラは契約書を取った。


交易使節の目的。


高密度蓄電器二基。


水環用制御装置一式。


医薬品。


精密工具。


対価として運ぶ鉄鋼、鉄道部品、旧式機械。


ノインとミラの任務は、列車護衛、現地修理、西方製部品の選定。


さらに、監察への協力。


「選択権はあるんだな」


ユリアが答える。


「同行を拒否できます」


「拒否したら、蓄電器は」


「別の技術員を探すでしょう。部品選定の精度は下がります。列車護衛も弱くなる」


「ノインの修理部品は」


「リーヴァにはありません」


「つまり、選べるけど、選んだ結果は消えない」


「選択とは、通常そういうものです」


ミラはノインへ内部回線を開いた。


「私は行く」


『理由を要求します』


「三号変圧器を今の制御盤で使い続ければ、次に送電が跳ねたとき水環区が落ちる。部品を見て買える奴も要る」


『あなたが同行しなくても、交易使節は派遣されます』


「規格札だけ見て選ぶ奴に任せたら、箱の中身が錆びてても買ってくる」


『あなた自身の危険は増加します。西方占領地域では、元アルディア軍人として拘束される可能性があります』


「元下級技術兵一人を捕まえて、何が出る」


『私の搭乗者です』


「そう見られるな」


『私を置いて行く案があります』


ミラは契約書から顔を上げた。


「お前は行かないのか」


『まだ決定していません』


「部品が要るだろ」


『必要です』


「アハトの信号も西から来た」


『はい』


「なら——」


言いかけて、止めた。


なら行け。


そう言えば簡単だった。


地下施設では、互いを使うために同じ方向へ進んだ。


リーヴァでは、同じ目的のために役割を分けた。


だが、所有者はいないと書いたばかりだ。


同じ契約へ署名したからといって、同じ結論を選ぶ義務はない。


「私は行く。お前が残るなら、別の整備仕事を探す」


ノインの返答は遅かった。


『私を残して、セレネへ行きますか』


「必要なら」


『私の修理部品を選定する任務ではありませんか』


「寸法と必要材は持っていく。見つけたら買う」


『私が現物を解析した方が正確です』


「そうだな」


『アハトの識別信号についても、西方回線の記録を調査する必要があります』


「それもそうだ」


『高密度蓄電器を確保できなければ、リーヴァの送電設備は不安定なままです』


「だから私は行く」


再び沈黙。


『私も同行します』


「私が行くからか」


『違います』


ノインの声は明瞭だった。


『私の機体を修復する部品を選び、アハトの信号を調査し、リーヴァの送電維持に必要な設備を確保するためです』


「結果として同じ列車に乗る」


『はい』


「なら、それでいい」


ユリアが二人を見ていた。


机の上には、署名欄が二つある。


「今の会話も記録していいですか」


ミラは眉を寄せた。


「もう聞いてただろ」


「聞くことと、証拠として保存することは別です」


『私は保存を許可します』


ミラがノインを見る。


「勝手に決めるな」


『私の発言記録です』


「私の声も入ってる」


『では、あなたの許可が必要です』


ユリアは何も言わず待った。


ミラは舌打ちした。


「そのまま残せ。ただし編集するな」


「原記録と複製記録を分け、変更履歴を残します」


「細かいな」


「条約監察官なので」


契約書の最初の署名欄へ、ミラが名前を書く。


二つ目には、ノインの暗号署名が印字された。


同じ任務。


同じ列車。


別々の同意だった。


その日の午後、ノインの積載試験が始まった。


整備廠の天井走行機が、ノインを低床貨車へ下ろす。


胸部を十七度上げるため、後部に三角形の支持架を組んだ。


主動力炉は待機出力。


背部冷却器は最上部。


頭部は胸側へ傾ける。


首の固定具を一本外すと、琥珀色の補助光学器が斜め下を向いた。


『視界の六四パーセントが貨車床面です』


「隧道の天井を見るよりましだ」


『周囲警戒能力が低下します』


「走行中は偵察無人機を借りろ」


『列車側の認証が必要です』


オスカーが低床貨車の脇から答えた。


「一機だけ貸す。落としたら修理しろ」


『合理的です』


「それしか言えんのか」


『他の評価語を要求しますか』


「いらん。列車まで面倒になる」


工員たちが固定鎖を締める。


胸部。


腰。


右脚。


左脚。


一本ずつ張力を合わせる。


ユリアが武装接続口へ銀色の封印板を取りつけた。


破れば記録が残る構造だった。


「これは武装禁止だけ?」


ミラが尋ねる。


「武装回路へ電力を流せば、私の端末へ通知が来ます。機体制御には干渉しません」


『封印内部に遠隔停止機能はありますか』


「ありません」


『証明を要求します』


ユリアは封印板を一つ外し、ノインの三本指が届く位置へ置いた。


「分解して構いません。同型品です」


ミラが板を受け取り、裏蓋を開ける。


小型発信器。


電流計。


記録器。


爆薬も切断器もない。


外部から信号を受ける端子もなかった。


「本当に止める機能はない」


『ミラの確認を受理します』


ユリアは新しい封印板を取りつけた。


「監察官を少しは信用した?」


『あなた個人ではなく、封印板の構造を確認しました』


「十分です」


すべての固定を終え、走行機が鎖を緩める。


ノインの重量が低床貨車へ移った。


支持架が軋む。


左側が二センチ沈む。


「止めろ」


ミラは貨車の下へ潜った。


前部左側のばねが、他より沈んでいる。


重量偏位ではない。


板ばねの三枚目が割れていた。


「この車両、最後に何を運んだ」


オスカーが答える。


「量産機一機。二か月前だ」


「そのときに割れてる」


「検査票は正常だった」


「また札か」


ミラは割れたばねを叩いた。


「このまま西部隧道の継ぎ目を越えたら、ノインごと左へ落ちる」


『支持架の再設計を提示します』


「ばねを直す方が先だ」


『交換部品はありますか』


オスカーが線路脇の予備車両を見る。


同型の低床貨車はない。


「貨物車のばねならある。幅が二割足りん」


「二本並べる」


「取付座へ入らん」


「座を切る」


「出発まで三日だぞ」


「二日でやる」


『必要強度の計算を開始します』


ミラは貨車の下から這い出した。


「ノイン。図面を出せ」


『了解しました』


「オスカー。鉄路の工員を三人寄こせ」


「二人だ」


「三人」


「列車の点検もある」


「こいつが落ちたら、隧道ごと塞ぐぞ」


「三人出す」


作業が始まる。


ノインは貨車へ固定されたまま、ばね受けの形状を計算する。


ミラは実際の鋼材と亀裂を見て、切る位置を変える。


鉄路工員は、列車の癖を知っている。


誰の図面だけでも、修理は終わらない。


日が沈むころ、新しい二重ばねが低床貨車へ入った。


重量を戻す。


左側の沈下、一センチ。


右側、一・一センチ。


ほぼ揃っている。


『荷重分散を確認しました』


「西部隧道まで持つか」


オスカーが聞く。


ミラはばね受けを蹴った。


短く、厚い音が返る。


「セレネまで持たせる」


『帰路については再検査が必要です』


「聞かなかったことにしたい」


『不都合な情報を隠さない契約です』


「お前たちの契約は面倒だな」


オスカーが言う。


ミラは低床貨車の上を見た。


ノインは固定鎖に包まれ、斜めに寝かされている。


立って歩くことはできない。


自由に向きを変えることもできない。


それでも、完全停止はしていない。


琥珀色の光が、列車の進む西を向いている。


三日後。


《灰走》は西門駅を出発した。


貨物車には鉄鋼と鉄道部品。


兵員車には都市防衛隊員。


客車には交易使節と条約監察官。


工作車にはミラの工具箱。


低床貨車には、封印をつけたノイン。


駅の端では、マルタやドーマ、旧第六整備廠の工員たちが列車を見送っていた。


汽笛が鳴る。


車輪が動く。


リーヴァの壁が、少しずつ後ろへ下がっていく。


『ミラ』


「何だ」


『あなたは、私が同行を拒否する可能性を考慮していましたか』


ミラは工作車の扉に立ち、低床貨車を見た。


「少しは」


『拒否した場合、本当に一人で行きましたか』


「行った」


『私の部品を選定できると判断して』


「自信はあった」


『精度は私より低下します』


「分かってる」


『それでも行く意思は変わらなかった』


「お前の修理だけが目的じゃないからな」


ノインは数秒黙った。


『私も、あなたが残っても同行した可能性があります』


ミラは眉を上げた。


「そうか」


『不満ですか』


「別に」


『音声からは、否定的反応を検出しました』


「自分だけで西方の検問を通れると思うなよ」


『ユリアが同行します』


「もう当てにしてるのか」


『条約手続きにおいて、私たちより高い能力を持ちます』


「合理的だな」


『はい』


ミラは列車の外へ目を向けた。


灰鉄盆地の西端。


灰冠山地に穿たれた西部鉄道隧道が、黒い口を開けている。


その先は占領地域。


異なる法。


異なる通貨。


異なる戦争の記憶。


汽笛がもう一度鳴った。


《灰走》が暗闇へ入る。


リーヴァの灯りが最後尾から消えた。


二人は同じ列車に乗っている。


同じ命令に従ったからではない。


一方が他方を連れてきたからでもない。


別々に行き先を選び、その結果として、また同じ方向へ進んでいた。


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