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第九楽章 新選組筆頭局長・芹沢鴨
京の豪商たちは、
幕府への不満と、新しい世の中への期待、
そして将来の利権のために、
「我々、倒幕派の志士に資金を提供している」
と、宮部鼎蔵は語った。そして、
その資金は志士にとっての生命線でもある。
だが、新選組筆頭局長の芹沢鴨は、
「その資金を断とうとしているのだよ」
そう宮部は言った。
さらに続けて、こう状況の説明をする。
「芹沢は志士に献金している商家に圧力をかけて」
その資金を新選組に廻すようにと、
「恫喝して回っているらしい」
宮部の評する芹沢は、
「ただの剣豪ではない。彼は最上級の戦略家だ」
それだけではく、芹沢には演出の才能もあり、
この数日後の事件だが、
「強情な商家の蔵に大砲を撃ち込んだ」
この行動により、京の街には激震が走った。
「一刻も早く、芹沢を殺さねばならない」
と、宮部は断言して、
仲間の志士たちは、夜な夜な料亭で会合を開き、
「新選組は皆殺しだな」
「兎に角、芹沢を殺せ」
などと、威勢の良い言葉を吐くが、
誰一人として動こうとはしない。
だから、俺は立ち上がり、こう宣言した。
「今から屯所に行って、俺が芹沢を斬ります」
その言葉を聞いた宮部が、
「今からか。手勢はどうする?」
と、訊くので、
「一人で十分です」
俺は助太刀を断り、独り、夜の街へと出た。




