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第四楽章 人斬りの舞踏
その頃から俺は仲間内からも、
「人斬り」
と、呼ばれ、恐れられるようになっていた。
そんな時に桂小五郎が、
勝海舟という男を料亭の宴席に連れて来る。
「この海舟殿は、日の本一の大人物である」
と、桂が称する海舟は、
幕府側の人間であったが、
志士とも広く交流を持っているらしい。
その海舟が、
「貴殿は、よく人を斬るそうですね」
そう俺に向かって言ってきた。
「ご存知でしたか」
苦笑いを浮かべながら、
俺は酒を一口、飲む。
そこへ、さらに海舟が言葉続けた。
「あまり人を斬ると気の毒では、ありませんかな」
「そうですね、殺される者にも命がありますから」
「では、なぜ貴殿は簡単に人を殺めるのですか?」
「分かりません。でも俺は何れ天罰が下りますよ」
俺と海舟が、そんな会話をしていると、
志士の一人、草凪が口を挟んできた。
「話は変わるが、京都守護は饗談を使うらしい」
饗談とは、宴席などを利用して、
諜報活動などを行う者のことだ。
この草凪の発言を受けて、宮部鼎蔵が、
「では、気を付けなければな」
と、言った、瞬間、
バタリ。
急に久草凪が倒れた。
それを見た桂が血相を変え、
「おそらく毒殺だ。饗談の仕業か」
そう言葉を発すると、
宴席の参加者は一斉に立ち上がり、
語る言葉もなく、料亭から走り去った。




